LCRメータ

その昔は、メーカの実験室や大学などの研究室位でしか、お目にかかれない測定器であった
コイル自体の断線確認と電解コンデンサの簡易確認は普通のテスターで出来るが、
アマチュアの場合は、インダクタンス値とかキャパシテンス値の測定は、標準コイルや標準コンデンサを用意し、それを基準に共振させて共振周波数から逆算して目的のインダクタンス値やキャパシタンス値を求めていたのである
近年、アマチュアでも手が届くLCRメータが安価で入手出来るようなった
それも8千円程度でである

これは、ある意味大きなイノベーションだと思う
測定器が高価で入手出来なかった、アマチュアレベルである程度の精度で、インダクタンス値やキャパシタンス値が測れるのである
高周波回路を弄る場合、どうしてもコイルやコンデンサが付き物である
色々な制作事例とかは、昔の雑誌やらインタネットに掲載されているであるが、市販以外のコイルについては再現性が乏しいことが多かったのである
アミドン社のフェライトコアを使用し巻線の指定があるものは再現性が高いが、空芯の場合はコイルの径や巻き方でインダクタンスは変化してしまう

自分でコイルを巻いた時に、そのインダクタンス値が解るのは大きな変化である
LCRメータも高価なモノは測定周波数を高く設定出来、更にコイルのQ値まで測れるモノがある
しかし、一万円以下のLCRメータも中々素晴らしいのである
私が使用しているものは、測定最大周波数は100KHzであるが十分である
(Q値の測定はちょっと100KHzだと厳しい)

また、キャパシタンスの測定もテスターとは雲泥の差である
pF単位のコンデンサの容量も直読出来る
コンデンサの場合、殆どの場合は既成品を使用していると思うので、測る必要あるの?
と言われる方もいらっしゃるとは思う
全くその通りであるが一番役にに立つのは、ジャンク品から外したバリコンの測定である
一発で最小容量と最大容量が判別するのである
また、古い機械をお持ちの方々も多いかと思う、よく言われる電解コンデンサの容量抜けについては、外した電解コンデンサの容量がチェック出来るのである

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<バリコンの最大容量を測ってみる これは460pF>

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<バリコンの最小容量を測ってみる これは22pF>
測定器も価格破壊がここまで進んでしまったようである
けれど、アマチュアには今まで出来なかったことを、実行できるチャンス到来である
Tektronix様のデジタルオシロスコープも50MHz・FFT付きが新品5.2万円で購入可能であり、リーダ電子で販売しているスペクトルアナライザもTG付きで19万で購入可能である

今まで言い訳としていた、測れない…が無くなりつつある
折角の機会である、私はまだまだ入門者であるが測定器を使いこなすスキルを勉強して行きたいのである

TS-700GⅡ をさらに弄ってみた

件のTS-700GⅡである
とりあえず、色々と試験して来たのであるが、FMの受信音がどうにも歪ぽいのである
USBでは気にならなかったのであるが、今回のその対策である

最初は、身近のハンディ機からFM信号を出して信号を追ってみたのであるが、いかんせん私の技量ではオシロスコープの波形で不具合箇所を特定出来ていない
(まだまだ技量と勉強不足である 殆ど言い訳であるがFM変調のSGが欲しいのである)

当初はFM IFユニットのAF出力が怪しいと思ってとりあえず、電解コンデンサを換えてみたのであった なんとなくは良さ気な感じがするが、ここも一個も容量抜けの確認は出来ていない

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<音声主力系の電解コンデンサを交換したAFユニット>

今回はAF入力段から電解コンデンサを換えてみることにしてみた
これって以外と面倒である、パターンの裏面が把握出来ていれば良いのだが、一発で該当のランドに当たらないことが多い
大きめの電解コンは楽にランドが判明出来るので比較的楽である

IMGP5913

<TS-700GⅡで交換した部品たち 電解コンデンサの容量抜けは一個も発見出来ず..>

という事で、今回も一個毎に外したあと、容量計で容量を計測してみた
結局明らかな容量抜けは今のところ一個も無い
只、一箇所の電解コンデンサを外した所、液漏れらしき後が有り、該当の電解コンデンサを交換した所、歪感は改善したのである

が..まだ歪感が残るのは多分気のせいなのであろう….. (まだまだ続くかな)
けれど、該当の電解コンデンサの容量は規定通りであった
これも勉強不足で何故そうなるかが分かっていない

受信音質も改善した所で、ダミーロードを使って144MHz~146MHzまで出力の確認を再度行った
145.50付近から出力が低下し、146MHz付近だと5W程度まで低下する
私はお月様まで電波を飛ばすことも無いので、このままで良いと思ったのであるが、気持ちが悪いので結局もう一度終段調整をやり直したのであった

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<もう一度再調整している所>

結果として、144MHz~146MHzまで10Wの出力は出る様になった

後は我が家の、古い機械たちの一員として活躍してもらうばかりである

 

PIC の水晶発振子入力で VXO を試してみる

ふっとした思いつきである
PICでマーカ発信器が出来れば、超安く出来るのでは? と妄想を抱いたのであった
冷静に色々と考えた所、クロック入力の補正はソフトウェアでの補正は無理なのである

例えば、周波数カウンタではゲートタイムの値を正確に補正すれば良い
ゲートタイムは1/100秒とか1/10秒の単位なので、正確な基準信号があれば補正も可能である
しかし、マーカ発信器として使うには、ソフトウェアでの補正は実行命令ステップ単位で4クロックなので、低い周波数であれば可能性はあるが周波数が高くなると実質的に不可能である

で、考えた結論はPICの水晶発振子の入力に、LとCを付けてVXOを構成してみる実験をしてみた
今回は部品箱に転がっている12F675で実験してみる
まずは素の水晶でPICと接続して発振させてみる
水晶も貰い物なので想定負荷容量などは不明である、発振周波数は2KHz程高く発振していたのである

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<必殺 空中配線で水晶を繋ぐ>

さてPIC + VXOの実験である
まずは発振コイルを作る 私は10Kボビンが転がっていたので、それに巻いてみた
一旦の想定インダンクタンスは10μHである
コイルが組み上がったところで、仮組みで実験してみる
素晴らしい…. 約19.999…MHz
発振周波数が3KHz低く発振出来たのである

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<このボビンを使用する>

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<分解して 元に巻いてある線をほどく>

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<今回は上段8T 中段8T 下段8T 計24Tを巻いた 9μH~14μHとなった>

気を良くして、基板に実装してみる
元々の発振周波数が高い水晶なので、コンデンサの容量は小さめに15pFとしてみた

IMGP5910

これで、発振周波数の変化範囲は、19.995MHz~20.004MHzと約10KHz程度の幅が確認出来た
PICは発信器としても使えるではないか…
但し、クロック発振周波数20MHzの数10Hz単位で安定しないのである 全体をシールドしてしまえば安定度は増すと思うが、そこまでする程のモノではない

また、データシートだと水晶の両端をコンデンサでグランドに落とすのが正当だと思うが、その部分にL・Cを付けても上手く変動しなかったのである 究極の力技でLCをぶち込んだが、回路的に水晶のグランドがフローティング状態なので、不安定の理由はそこらへんかも知れない

PIC_Marker

<回路は簡単であるが、発振コイルと水晶・C2の配線は最短かつ発振コイルと水晶の筐体はアースが必要である>

今回は、マーカのテストなので、500MHzのマーカをでっち上げてみた
発振コイルのコアで、20.000.000MHzにHz単位で合わせる
あとは、超簡単な手抜きファームを入れ込むだけである
(超短いので500KHz版のソースを掲載する 当然ノンサポートである)

好きな人は、ソースを変更して100KHzなり25KHzなりのマーカに仕上げれば良いと思う

ちなみに、PICでVXOなんてマイクロチップ社は想定もしていないと思うので、当然誰も動作保証なぞしてくれないのである

超手抜きであるがソースは以下のリンクで

PIC_MARKER

超高級品 の グリットディップメータ

DELICA SP-7型  高級品なのである

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<高級なグリットディップメータ>

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<高級な糸かけ式減速機構>

普及品のグリットディップメータは、発振周波数の調整ダイアルが内部のバリコンに直に繋がっている
微妙な周波数の調整については、技が必要である
高級品である、このグリットディップメータは周波数調整ダイアルが糸掛け式で減速機構があり、発振周波数の調整がスムースである
メータも大きな丸型で、DIP点の変化がとても見やすいのである

普及品と大きく違うのは、プローブコイルである
HamBandGridDipMaterは10mm径のボビンにプローブコイルが巻いてある
普通に使うには十分であるが、金属ケースに入っているIFT等のコイルの同調確認をする時は、どうしてもコイルのQ不足を感じることがある

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<高級なプローブコイル>

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<高級なメータ とても見やすい>

ところがSP-7型のプローブコイルは19mm径である、従ってプローブコイル自体のQ値が高いので、結合度が弱い共振回路でも共振値が測りやすいのである
またDIP点の変化も急峻である
本体電源のジャックはこれまた高級なキャノンコネクタ 2Pである

当時はこのDELICA SP-7型は事業者向けの測定器であった
現場で、何をどの様に計測していたかは、知るよしも無いが、吸収型周波数計や信号発生器もしくは電界強度計として活躍していたのかも知れない

ちなみに、対応周波数は1.5MHzから250MHzを6個のプローブコイルでカバーしている
なお、最も周波数の高いAコイルは先端に透明のキャップがあり、結合方向が確認出来るとともに無用な接触事故を防止している

私は普段は、普及品のHamBandGridDipMaterを使用しているが、どうしても同調が測れない時に、この高級品に登場してもらうのである
特に高級品はQが高く、空中線の共振点を測る際にはとても便利である

この高級品は大先輩の矢花氏から無理矢理強奪しているのである
(申し訳ありません..とても役にたっています)

高周波測定器が揃っている大先輩(大先輩はアマチュアと仰っているがプロの事業者である)であるが、ネットワークアナライザが有ろうが、グリットディップメータは手放せないと言う
プリミティブな測定器であれ、便利なモノは便利である

 

TS-700GⅡ に 周期数カウンタ を接続してみる

TS-700に件の周波数カウンタを使ってみる

ふっとした思い付きで、件の周波数カウンタをTS-700GⅡで試してみたのである
件の周波数カウンタは、HF帯用で設計したため、表示周波数の最大値が99.999999MHzである
では、と言うことで表示を1MHz表示として実験してみた 早い話が14X.nnn,nnnMHzのnnn.nnnKHzを表示するカウンタと言う事である
TS-700のVFOは8.2MHzから9.2MHzの周波数であり、VFOの発振周波数の増分方向と送受信周波数が一致している
オフセット周波数は単純に – 8.2MHz と設定すれば、KHz帯の周波数を表示するカウンタとなるのである

TS-700はVFO出力が外にに出ていないので、実験用に分岐コネクタをでっち上げて、周波数カウンタと接続する
但し、結線はなるべく短くする必要がある

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<テスト用の分岐コネクタ>

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<分岐コネクタをTS-700GⅡに取り付けた 古い機械はスペースが有って遊ぶには最適である>

実際に使ってみると、便利である
何故なら、製造後40近く経っている機械であり、VFOの下端と上端の周波数は合わせ込んでいるが、中間値では±3KHz程度のダイアル表示との差がある
VFOのダイアル上の表示差を気にしないで、デジタル表示で正確な送受信周波数を確認出来るのは便利である

純正でデジタル直読が可能なTS-700Sとの差は、145MHz/144MHzのバンド切替えとモード切替えが、自動で周波数表示に反映され、MHz表示が3桁フルに表示されることである

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<144.64MHzを受信している所 これは便利である>
ちょっとしたイタズラと実験であるが、それなりには使えそうではある
TS-700GⅡは100KHzのマーカが付いているので、比較的VFOの校正も楽であるが、TS-700無印の場合は1MHz単位のマーカである
TS-700無印機の方が、件の周波数カウンタの利用価値は高いかも知れない

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<この周波数カウンタは測定周波数をオフセット周波数として簡単に登録出来る>

この周波数カウンタは測定周波数を、オフセット周波数として、オフセットメモリに簡単に登録出来るのである

今回はオフセットメモリの7CHに登録して使って見たのであるが、パソコン無しでオフセット周波数の登録が出来るのは便利である 誰も褒めてはくれないのでこの件だけは自分で自分を褒めることにしよう

 

 

超古い機械 を少し学んだのであった

大先輩の矢花さんありがとうございました のである
この受信機の正式な名前は、「九九式飛五號受信機」だそうである
九九式といえば当時は皇紀で数えていたので、1939年(昭和14年)である。
年式の名称は設計制定された年とのことなので、設計制定が昭和14年と言うことなのだろう

私事であるが亡き父が大正14年生まれなので、父が現在の中学生の頃に設計制定された機械ということである
戦前の事柄については、その世代の方々のお話をお聞きするか、書物を読むしか私には知る手段は無い
私の出身地では、いわゆる電灯線は大正時代には通っており電灯は使えたらしい
けれど、ラジオは旧家などの一部しか所有しておらず、電話なぞ有る所は役場と大会社位であったらしい

その時代での無線通信であるので、一般人からすると全く雲の上の話であったのだろう
そうした中で、戦略技術として主要国は無線技術の向上に取り組んでいたことが、記事を見て勉強出来たのである

今回、私も初めて知ったのがUt6F7真空管である RCA製の球を国内でライセンス生産してそうであるが、陸軍の受信機ではいわゆる標準球となっていたのも今回知ることが出来た
海軍では受信機によって使用している球が異なる
どちらが良いかは私には解らないが、もし当時の動作する球が入手出来たら一度はそれを使ってみたいとは思う

当時は真空管自体とても高価なモノであったので、一般人がおいそれと弄って遊ぶものでは無かったのであろう(当時のお大尽は除く)
しかし、時間の流れとともにその高価だった真空管も第一線を殆ど退き趣味として扱えるモノとなった

そう言えば私が小学生の高学年の頃、初歩のラジオの広告で小学生にもアマチュア無線技士の資格が簡単に取れるとの広告で、親に泣きついて通信教育を(受講では無い)買ってもらった
少年が心踊らせていた所に到着した教科書は、本当に教科書であったのである
3冊セットで、基礎・無線工学・法規なのであったが、工学の増幅回路の解説は真空管で解説してあった
んなモン小学生に解る訳ない(少なくても私には)、結局従免取得は中学生の終わりだったような気がする
今回の記事でもう一度、初心に帰って真空管の勉強をしてみる良い機会かと思ってしまったのである

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<私の家にある数少ない真空管たち 6JS6A(右) 6AR5(左) 下は昔愛用した計算尺 思いっきりアナログである>

但し戦前や戦中の希少な真空管は文化遺産であり、次世代に繋ぐモノと思うのである
私みたいなビギナーは、比較的数の多いMT管あたりで遊ぶのが無難そうである

私自身、多感な頃であった1970年代のモノに興味を惹かれるのであるが、亡き父が多感だった頃の技術にも興味を惹かれるきっかけとなった、大先輩の矢花氏には感謝したいのである

予告!! あの JA0BZC が当ブログに登場

今週のテーマ予告である
当ブログでも少し名前が出ていた、大先輩のJABZC矢花氏から当ブログに記事を掲載していただけることになったのである

内容は、CQ誌2015年10月号に掲載された、「日本陸軍99式’飛5号受信機’よみがえる」の補足記事である
CQ誌に掲載された内容以外の、エピソードと資料を当ブログで公開していただけるのは、管理人としてとても誇らしいことでもある

矢花氏は様々な活動をされており、様々な分野で多大な功績を残している
アマチュア無線機器を始めとした機器類の自作の数々は圧巻である

特に私の目を釘付けにしたのは1978年頃の制作と思うが、SSTV(アマチュア無線での静止画電装)のスキャンコンバータの自作である
いわゆるマイコンの黎明期(パソコンに進化する遥か前)に、テレビカメラのNTSC信号を、自作回路で画像フレームをダイナックメモリに展開し、そのメモリデータを変調して送受信を行う装置を自作していたのだから、恐れ入るのである
NTSC信号から、RGBそれぞれのプレーンに変換する回路をディスクリートで設計出来る超人でもある (この辺りは別途取材してご報告したいのである)

矢花氏とは偶々アマチュア無線で交信させて頂いたことがご縁で、その後もお付き合いをさせて頂いている
個人的には師匠なのであるが、ご本人は弟子は要らないとのことなので、大先輩とさせて頂いているのである

私の古い機械たちも矢花氏の知見と部品がなかったら本当に粗大ゴミである

特に、寝る場所よりも真空管達のほうが面積を取っていると思われる矢花邸で、無いものはなさそうでもある

是非、大先輩である矢花氏の知見を、このブログを見て頂いている皆様と共有出来れば嬉しいのである

FT-101E トラッキング調整 をしてみる

何気に、7MHzを聴いていた所、大先輩の矢花氏がオンエアしていたのであった
呼んで見ようとファナル調整をした所、その周波数でPLATEつまみを回してもDIP点が出ないのである
そんなことしている間に、呼出の機会を失ってしまった (>_<)

他の機械(FT-101Z)で呼ぼうと思ったのであるが、これも電源入れてファナル調整していたら数分は掛かってしまうのである
終段が真空管の機械は現在の機械と異なりすぐにオンエアは出来ない、またトリマコンデンサなどの経年変化で調整点がズレることもある
前にも書いたが、ビンテージマシンを使っていると良くあることであろう

気を取り直して、久しぶりにFT-101Eのトラッキング調整をしてみることにしたのである

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<トラッキング調整調整は裏面のトリマデッキで行う>

FT-101のトラッキング調整とは、いわゆるギロチンと呼ばれる3つのμ同調を、アンテナ同調・送受信混合・トライバ同調を合わせる作業である

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<FT-101の ギロチンと呼ばれる3連μ同調ユニット>

これも慣れていると簡単に出来るのだろうが、数年に一回程度しか行わないので、イザやるとなると中々面倒である
必要にモノは信号発生器(内蔵マーカでも可)出力計そしてダミーロードである
特に100W機の場合、ダミーロードは熱容量に余裕がないと大変なことになる

FT-101Eの場合は、28.5MHz・21MHz・14MHz・7MHz・3.5MHz・1.9MHzそして7MHz・14MHz・21MHzの順番で行う
最初の28MHzはドライバ同調は無いが、この周波数できちんと調整をすることが大切である
ちなみに今回はファナルの中和も調整してみた

周波数帯毎にVFOの位置は最小値の0KHzで調整し、中点250KHz・最大点500KHzで確認をする

調整内容は各回毎に以下の内容を行う
1. PRESELECT・PLATE・LOADを合わせる
2. 受信最大点にANTトリマを合わせる
3. 送信出力の最大点にMIXERトリマを合わせる
4. 送信出力の最大点にDRIVER PLATEトリマを合わせる(28MHzは無い)

中和の調整 (FT-101Eの取説記載内容)
28.5MHz帯で上記調整がされていることが前提で以下の内容を実施する

1.28.5MHzでPRESELECT・PLATE・LOADを合わせる
2.出力を70%位に絞る
3. PLATEつまみがDIP点(IP電流が最小値になるポイント)で、出力が最大になる所に中和バリコンを合わせる

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<黄色の円の所が、中和調整バリコンである>

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<中和調整は裏面から行う 高圧部分なので金属ドライバは厳禁である>

この調整は終段管を取り替えた時に行う調整であり、以外とシビアであるので交換時以外は触らない方が安全である
ちなみに中和調整とは、真空管内のプレート・グリッド間の容量結合を、逆相の信号で打ち消すための逆相信号のレベル調整である 終段管の場合この調整がズレると異常発振などで終段管を破損することもある

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<妖しく輝く、6JS6C終段真空管>

調整後は綺麗にDIP点も出る様になったのである
我が家のメイン送信機である、まだまだ頑張って頂くのである

FT-817ND 数少ない新品購入機

新品購入しないと、メーカさんや販売店さんの活性化につながらない、やっばりお布施は不可欠である
メーカさんには是非新品で購入したくなる商品を沢山開発して欲しいのである (古い粗大ゴ○を処分しろとは言わないで下さい)

私は約2年前にFT-817NDを新品で購入させて頂いた
理由は、”欲しかった”からである
”欲しかった”をもう少し掘り下げると、小さな筐体で1.9MHz~430MHz帯までオールモードで送受信出来ることである そして出力5Wは私的には必要十分であったのである
それと、我が家では唯一の新スプリアス対応機でもある

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<TS-700GⅡとFT-817ND>

FT-817無印が発売されてから10数年経過しているが、この手の機器で10年以上継続販売出来ていることも、素晴らしいことである
メーカさんには、半導体屋さんから’この部品が製造中止なります、最終ロットは○○月まで確定頂き発注単位は○千個’です とかのプレッシャーも入ったのであろうと想像する
部品在庫のプレッシャーの中で販売継続しているメーカさんには頭が下がるのである

さてFT-817NDであるが、最初の目論見は出張の時にカバンに入れて出張先で遊ぶことであったが、夜しか遊べないので結局3.5MHz帯かU/Vになってしまう、結果として数回出張のお供になっただけである
BC帯の受信ならスマホのラジコの方が遥かに具合が良いし、ホテルに戻る頃は短波の海外放送も大体終わっている
で、その時間帯に付属ホイップアンテナでU/Vを聞いても殆どスカスカ状態なのである
気合を入れて、八木やヘンテナ位分解して持っていけば良いじゃんと言われるが、出張なので荷物は増やせない

その昔、ハンディ機と言うかショルダーバック機であった中古TR-2200に、単3乾電池を8本をぶち込んで良く電車のデッキから遊んだものであった (高校生には、あっと言う間に無くなる電池代だけでも大変な金額であったが...)
あの頃は、空きが無いくらいに混んでいたが、夜でも話し相手は沢山いたのであった
寂しい限りである それはさておき…

後は数回、お仲間でのバーベキュー大会でワイヤアンテナで遊んだ位である
これはこれで、5W+ワイヤアンテナは馬鹿にできないであるが...

じゃぁ、使わないんだったら くれ!! なんて言ってはいけないのである
このFT-817NDは古い機械達を動かすときに、モニタ機として大変重宝しているのである
従って、私のFT-817NDのBNC端子には殆どダミーロードが繋がっている
電池でも動作するし、まだ販売継続中の現役機である 信頼性は抜群である
ビンテージマシンが増えてくると、このFT-817の利便性が活きて来るのである

只一点だけ.... 筐体とのアンバランスなマイクは頂けない
メーカさんの色々な都合はあると思うが、コンパクトなマイクにして欲しかったのである

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グリッドディップメータを分解してみる

普段現役で使用しているグリッドディップメータである
プローブコイルの取付位置によって、たまに発振しないことがあるので分解してみた

それこそ、50年モノの機械なので年季も半端ではないのである
角は塗装も剥がれ、メータも換装している

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中身は二連のエアバリコンと6AK5真空管が鎮座している
ネオン管は、テスト発振器として使う際の変調用である
変調を掛けると、ビィィ...と言う変調音がするので、信号源はこのディップメータと判断出来る
とても、素晴らしい知恵である

エアバリコンの端子が、プローブコイルのソケットにハンダ付けされている
プローブコイルのソケットは、昔懐かしいFT-243ソケットである(これが今は入手難である)

IMGP5863

<FT-243ソケットとバリコンの端子>

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<自分で巻いたプローブコイルとFT-243水晶>

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<FT-243水晶を挿してみたところ>
従って、FT-243の水晶発振子を挿すと、その周波数で発振するので水晶発振子の確認も出来る
ちなみに、欠品のプローブコイルを巻くときにプラグ用として、調子の悪いFT-243水晶を分解して下部を切ってソケットとして使用している

<FT-243水晶まで頂戴した大先輩の矢花氏には感謝の念が絶えないのである>

今回はこのソケットの端子の嵌合が甘くなってプローブコイルとの接触不良が偶に起きるようなので、接点を軽く磨き、バリコンとの端子を再ハンダしてみる

まだまだ、このグリッドディップメータには現役で活躍して頂くのである