伝送経路 と 給電ケーブル の長さ

偶に聞かれる時があるアンテナからの給電ケーブルの長さである
この事については、いろんな説が巷にあふれているのである

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<3D2V同軸ケーブル lowバンドでは便利である>

結論から先にに言うと、最低限必要な長さで構わないのである
但しアンテナの入力インピーダンスが50Ωに調整されている事が前提であり、当然のことながら長くなる程伝送経路の減衰量が大きくなり周波数が高いと顕著である

良く言われるのには給電ケーブルの長さを変えたらSWRが下がった、従ってSWRが一番下がる位置に給電ケーブルを調整しなさいとの説である

私は数学が苦手なので数式では説明出来ないが、伝送経路は出力インピーダンスと負荷インピーダンスが同じ場合は伝送線路の長さによってインピーダンスは変化しない
但し、、出力インピーダンスと負荷インピーダンスが不一致の場合は給電ケーブルの長さによって出力側からみた見た目のインピーダンスは変化する

よく言われる説の一つして送信周波数の波長/2にするのがベストの根拠は、1/2波長の給電ケーブルの場合は理論上アンテナ側がインピーダンスがそのまま出力側のインピーダンスと同じになるからである (実際には短縮係数があるので少し短めとなるが)
これはHF帯のアンテナ調整時に活用出来るノウハウである

しかし昨今は給電ケーブルにマルチバンドで電力を通過させるのが普通であるので、例えば1.8MHz~51MHzまで各バンド毎に波長/2の倍数を長さを給電ケーブルは作れない

結局は、負荷であるアンテナのインピーダンスを各バンド毎に50Ωに合わせることになる、そうすると給電ケーブルの長さは任意長で問題無しとなる

そうは言ってもアンテナの調整は周囲の環境などの条件で50Ωのアンテナには調整出来ないことが多い
ではと言うことでアンテナチューナを入れると、アンテナチューナの入力端子でインピーダンス50Ωとなり送信側はすこぶる快調と言うことになる

しかしチューナの出力以降は伝送路とアンテナを総合したインピーダンスになる
もしアンテナのインピーダンスが大きく50Ωから外れていた場合は、本来特性インピーダンスが50Ωに設計されている伝送経路の条件も外れてしまうのである

その場合は、アンテナへ給電する電力が想定外の経路を流れる場合も発生することになり、給電ケーブルもアンテナとして電波を発射しインタフェアの原因ともなる
安易なアンテナチューナ利用は避けるか、同調しない長さでしかアンテナを張れない場合は、アンテナ直下型のアンテナチューナを使用すべきである

いずれにしても、アンテナ給電点のインピーダンスと出力インピーダンスが合っていれば、給電ケーブルの長さは任意長で問題ないのである
アンテナ給電点のインピーダンスが大きくズレていたらエレメント調整か整合回路(アンテナ直下型のチューナ含む)で調整する

ちなみに、50Ωに対してSWR値1.5以下なら問題無しとすべきである

<ダイポールアンテナの理論インピーダンスは75ΩなのでSWR1.5である>

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オーソドックスなアンテナカプラなのである

DAIWA の CL-64である

これは、出力のアンテナ切替が出来ること以外に付加機能が付いていないオーソドックスなアンテナカプラである
200WPEPまでの耐入力なので100W局であれば何ら問題なく使うことが出来る

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<DAIWA CL-64 アンテナカプラ>

アンテナカプラとアンテナチューナは同義語である
私が開局した1970年代はアンテナカプラと呼ばれていた

さて、アンテナカプラであるが、中身は2つのバリコンとバンド毎にタップが付いたコイルだけである
コイルのタップでバンドを確定して、入力側と出力側のバリコンを調整をするのである
バリコンの調整はコツがいるが慣れれば問題は無い、SWR計が付いていないカプラは、別途入力側(送信機側)で測る必要がある

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<アンテナカプラの内部 バリコン2つとタップ付きコイルだけである>

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<裏面は出力が3系等の切替が出来る パススルーがあるともっと良かったが…>

カプラはπマッチ回路そのもので、入力側のインピーダンス変換と出力側のインピーダンス変換が出来る
通常は入力側のインピーダンスは50Ω固定なので、出力側のインピーダンス変換が主な仕事となる

現在のボタン一発のアンテナチューナも原理は全く一緒である
ただ、バリコンの代わりに高耐圧のコンデンサの容量をリレーで高速に切り替え、バンド設定のコイルの代わりに複数のコイルをリレーで高速切り替えている、そして人間が読んでいたSWR計の指針をマイクロコントローラが判断して素早く、同調を取っている

ビンテージマシンとカプラを併用するには少し注意が必要なのである
終段が真空管の送信機はPLATEとLOADの調整が必要であるが、この回路はπマッチ回路である

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<LOAD,PLATEもπマッチ回路>

従ってアンテナの整合範囲が現在の50Ω固定はでは無く35Ω程度から100Ω程度位まではマッチングするのである
今で言う所の、アンテナチューナ内蔵である
(操作は大変面倒であるが)

前回に紹介した、CAN-2002 オートアンテナチューナも原理は全く一緒である
2つのバリコンの位置関係がギアで操作されているものである

最近はアンテナチューナが内蔵されている無線機も多いが、無線機内蔵タイプや無線機の近くに配置するアンテナチューナやカプラは万能ではない

何故なら、カプラ(チューナ)からの出力とアンテナの給電点との伝送経路の特性インピーダンスが50Ωだからである ハンドの中央に調整しているアンテナでバンドエッジで運用する時位と使用に留めた方が安全である

整合されていないアンテナをこのタイプのカプラやチューナで無理矢理運用するのは避けるべきかと思う

この辺りは別途

これも 1970年代 グッズ

セイコー5スポーツ、これは内部メカ(キャリパーと呼ばる)がCal6139と呼ばれる自動巻きのクロノグラフである

1975年の夏に親から買って貰った時計で現在でも動作する
(オーバホールは4度位したが..)
この時計は、色々と面白い特徴がある
まず、ゼンマイ巻きであるが自動巻きのみで手巻きが出来ない
カレンダーは日付と曜日が表示され、曜日については日本語と英語の切替えが出来る
日付の変更は23時20分位から曜日が動き出しその後に日付が動き出す
完全に日付が変わるのは、午前1時位となるのである

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<SEIKO 5スポーツ Cal 6139 >
ストップウォッチ機能については、30分の分針が付いており、クロノグラフとして使用したときは1分毎にステップで積算分を表示する
この表示はなかなか見やすい

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<分の積算計は分刻みにステップで動く>
日付と曜日のセッテングはリューズのプッシュ式しであり、深く押すと曜日表示と日付が同時に替わり、浅く押すと日付だけが変わる
普段身に着けている場合は、小の月に日付を送るだけで済むので問題無いのであるが、曜日合わせは中々面倒である
曜日合わせについては、一度の押下で英語から日本語に変わり、もう一度の押下で曜日の変更となる
当然曜日を合わせている時は、日付も2日分進んでしまうのである

機械式時計でかつクロノグラフ付きであるが、買ってもらった時は何も気にしないで時計をしたまま、野球やバレーボールとかしたのである
30歳を過ぎてから、この時計の開発に携わった人と偶々話す機械があったのだが、この時計は世界に先駆けて自動巻きのクロノグラフとして開発され、当時のセイコーの技術が詰まっているビンテージマシンとのことであった
そして、本来は世界初の自動巻きクロノグラフとして歴史に残る機械なのであったが、色々な理由で世界初はスイスメーカとなったそうである

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<裏面である 良くこの時計をしたまま雑巾がけしたが防水のトラブルは無かった>
この後にCal3138と呼ばれるキャリパーが登場し、その時計は12時間の積算計が付いていた
私の幼友達がこれを持っていたのであるが、12時間の積算計がとても羨ましかったのである

今はこの時計を普段使いはしていないが、普段使いの時計も機械式のクロノグラフである
1970年代は、日本のメーカが光り輝いて時代だったと思う
音響や映像機器、時計、一眼レフカメラ、二輪車など日本製品が世界を席巻していた時代である。
そのエネルギーの一部がこの時計に宿っている感じがする

個人的にカメラや時計、そして無線機のVFO等は機械式の操作感が好きである
オカルト的ではあるが、金属メカに何か惹かれるのである

DAIWA オートアンテナチューナ CNA-2002

力技のオートアンテナチューナーである

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<DAIWA CNA-2002>

昔懐かしいDAIWA製のオートアンテナチューナ CNA-2002である
このアンテナチューナはモーターで、πマッチ回路のバリコンを回転させる
アンテナ側のバリコンと送信機側のバリコンのギア比を変えてあり、1つのモータで同調を取っている
同調動作中VSWRの値を計測して、一定以下のポイントで同調動作は停止する

動作を見ていると中々楽しい
5W程度で同調が取れるので、目的の周波数でキャリアを出力する
左側のOPEボタンを押すと同調がスタートする
その間内部はモータの回転かる音して、バリコンが電動で回っている
当然、ギア比で2つのバリコンを交互に動かしているのだけなので、偶々同調ポイントが近くにあると同調は直ぐ終わるが、同調ポイントが過ぎた地点からだと一周期の回転となるので、同調には数分かかる
同調が取れたら回転が停止するので、その後は手動で右側の2つのファインチューニングで更に追い込んで終了となる

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<2つの黒い箱がモータ駆動のバリコン>

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<一つのモータでギア比を変えて2つのバリコンを駆動している>

自動同調している間は無線機のアンテナ負荷は当然の事ながら変化する
従って現代の無線機を出力をこのチューナに接続して自動同調させた場合、無線機側の保護機能で出力が落ちてしまい同調が出来ない
ビンテージマシンであれば難なく同調は可能である (とは言っても不整合分の電力は終段で吸収することななるが…)

このチューナ内蔵のダミーロードであるが、見た目でも100Wの連続負荷は厳しそうである
写真では少し焼けた感じがする抵抗器である、無線機側のファイナル調整をこのダミーロードで行った跡であろう

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<少し焼けている内蔵の100Wダミ-ロード>

このアンテナチューナの仕様は、2.5KWPEPとなっており実際には1KW対応となる
繋がるアンテナは2系統で、100Wのダミーロードを内蔵している
電源は13.8Vで、自動チューニング機能が動作する
チューナをパスする切替えも装備している

私の家は狭小住宅であるため、ローバンドのフルサイズダイポールなんて無理である
従って適当な、ロングワイヤーを貼ってAH-4で同調している
現代のアンテナチューナはとても賢く、そして同調も瞬時である

KWの免許を受けている方々であれば、完璧に同調されたアンテナを使用している思う
このアンテナチューナは同調点から外れたバンドエッジでオンエアするには具合が良いかもしれないが、この自動機能であれば手でバリコンを調節した方が早いし確実でもある

しかしながら、この雰囲気と力技のオートチューニング機構はビンテージマシンに良く似合うのである

コネクタ と アダプタ いろいろ

無線機を弄って遊んでいると、コネクタと同軸ケーブルが色々と必要になってくる
普通はVHF以下の周波数の無線機はM型コネクタが使用されている

ハンディ機はSMAコネクタ、FT-817のパネル面にはBNCコネクタが付いている
周波数帯が1.2GになるとNコネクタとなる
アマチュア無線機だけでざっくり、Mコネクタ・Nコネクタ・BNCコネクタ・SMAコネクタの4種類である

測定器についてもスペアナはNコネクタ、周波数カウンタとオシロスコープはBNCである
但しスペアナは扱う周波数がGHz単位となるためであり、周波数カウンタとオシロスコープも終端でターミネイトした伝送系の測定を行うことを意識しているためである

そもそも、扱う周波数が低ければMコネクタだろうが、RCAピンコネクタだろうが問題は無い
周波数が高くなるとコネクタ自体の特性インピーダンスが50Ωを保つのが難しくなる

ちなみに、一般的なコネクタで使える周波数の上限目安は、一般のNコネクタで4GHz・Precisionタイプで18GHz・BNCコネクタで4GHz・SMAコネクタで26GHzとなっている
実は一番多く使われているM型コネクタについては特性インピーダンスは規定されていないのである
そのために比較的安価に出回っているが、一般のM型コネクタはVHF帯域が上限と考えるべきである

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<-20dBパワーアッテネータ 1GHz 5Wまで入力可能>

測定器に用いる終端器(ターミネータ)も50Ωの1W程度のダミーロードである
但し測定範囲の周波数では特定インピーダンスが確保されており精密に作成されている
測定に使用するアダプタは、測定範囲でのリターンロスを実測してから使用しないと、何を測っているか解らなくなので注意が必要である

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<我が家の50Ω標準終端抵抗 1.3GHzでリターンロス 33dB(SWR 1.05)>

我が家では弄る機械の上限も145MHzなのでその辺の管理は比較的ラクである
但し、方向性結合器などや一部のGHz測定治具については使用ケーブルはすべて測定済である
GHz帯域を弄る、猛者の方々はその辺りでも大変な努力が必要と思う

費用対効果の問題と今までの流通量が多いので、これからもM型コネクタは使われ続けるであろう
私なぞに至っては弄る周波数も電力も低いので十分であるのだが、測定をする段になるとコネクタの知恵の輪をする事が多い
CMカップラやパワーアッテネータ等々はBNCで、ジャックとプラグで頭を悩ましたりする

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<なんだかんだで、アダプタが沢山集まってくる>

これもこの手の遊びをしている楽しみではある

 

TS-700 無印を弄ってみた

本日は、午後時間が空いたのでTS-700無印を弄ってみたのであった
到着した時に、ざっと現状を確認しておいたのであったが、不具合点は以下の3点であった

1. VFOが250KHz以上でないと動作しない
2. 出力が4W程度しか出ない
3. マイクゲインが少ない

VFOバラシは別の機会とすることにして、マイクゲインと時間があれば出力を見てみることにした
まず初めてのご開帳である、上面は長年の埃が堆積しているが、下面は大変きれいである
これには驚きである

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<TS-700の裏面 とても綺麗で驚きである>

マイク端子を確認してみると、後からハンダ付した後があった
とりあえずマイク端子に繋がるケーブルを外してハンダを吸引して、最取り付けをする

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<マイク端子は弄った後が…>

次にダミーロードを繋いで、AF発振器からマイク端子に1KHzを入れてFMを出してみる
とりあえずは、まともな変調が掛かっていそうである
別の受信機でモニタしながら、マイクゲインのツマミを回してみると完璧にガリっている
マイクゲインのボリュームを10回程回した所でとりあえず、ガリは落ち着く

USBで送信したみると殆ど出力が出ていないのである
これもマイクゲインのツマミを回してみる、可変抵抗器の位置で一瞬だけ出力が出るポイントが有った
数度回してみるが酷いガリ状態である、これは可変抵抗器の交換が必要であるが、合致する手持ちが無いのでカバーの隙間から接点復活剤をピンセットに付けて、一滴程流しこむ
その後10数回程回した所でとりあえず、ガリは落ち着いた
(代えないと又時間経つと再発するであろう)

マイクゲインについてはこれで問題は解決である

ちなみに、このTS-700も固定チャンネル切替SWと周波数切替SWにたっぷりと接点復活剤がスプレーされた後がある

VFOランプがチラつくのは、なんとなく接点不良の感じがするのは理解出来る、しかし無闇に接点復活剤をスプレーするのは、止めるべきである

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<接点復活剤でベトベトになっているロータリーSW これは洗浄が必要>

続いて送信出力である
TS-700の場合は、内蔵のDC-DCコンバータで20Vを作っており、まずはこの電圧の確認からである
DMMを繋いで電圧を測ってみるが18Vである
電源ユニットのVR2が20Vが規定値なのであるが18V以上には上がらないのであった

ざっと目視で電源ユニットを確認して見たところ、一箇所が変な実装がされている
前のオーナなのかショップなのか不明であるが、33μFのコンデンサの代わりに10μFを3個並列につないであった

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<無理矢理10μ三個で、30μFとしてある>
とりあえず外して定格の50V33μFを取付けてみる
外したコンデンサは容量には問題は無かった

残念ながら本日の作業は時間切れである
この後の追っかけは、また後日

1970年代に流行った別な無線機器

なつかしのCB無線機、500mWで8CHの合法機なのである
この機械は数年前にローカルから、不動機を頂戴したのであった
(我が家のモノは結構貰ったモノが多い)

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<National RJ480 少し新し目のCB機で1980年代モノである>

CBが流行った頃は、私も多感な中高生であった
何時頃にXCHで出るからねぇ なんてクラスで騒いでいる友人をとても羨ましく思ったものである
私の超田舎の実家あたりでも、クラスのメンバーが数人出ていたので、結構な数はオンエアーしてのであろう
当時私が使えた短波にアクセス出来る機械は、スカイセンサー5600のみであり、このラジオは短波帯は12MHzまでしか受信出来ず、
私にはCB帯域なんて受信出来ないのであった
(当時はクリコンなんことを考えられる頭脳は無かったのである、ワルガキの頃そんなもの作れる頭脳と技能があれば私の人生も大きく変わっていたであろう)

さすがに、親に泣きつこうにも一年前にスカイセンサーをねだっていたので、無理なのは子供心に良く理解出来た
その頃は、何故かワイアレスマイク付きのラジカセや、50mW機のCB付きラジオまで市販されていた時代である
で、親に許しを得てお友達の家にCB交信を見学させて頂いた覚えがある

感動したのは、チャリで十分位の距離で十分に交信出来ていたことである
これがあれば、自分が自由に使えない一家に一台の電話より、素晴らしい世界がありそうで胸がワクワクしたものである

当時は、CB無線とはいえ無線局申請を行い無線局の免許を必要した
当然従事者の資格は不必要である
工事現場などでも交通整理で使っていた、今考えると長いアンテナを付けた受話器みたいである

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<長いアンテナである この機種は比較的短い方らしい>

その辺りから、米国向けCB機在庫が国内に大量に出回りはじめ、いわゆる違法CBがはびこり始めた
ノーマルの米国向けCB機であればAM5Wの出力なので大きな混信はなさそうであるが、私の超田舎の実家でも電源が入っていないステレオのスピーカが鳴る位のインタフェアが入っていたので、その頃には強力なリニアアンプも出回っていたのであろう
話が昔話になってしまったが、昔の少年の憧れグッズの一つであった

現在でも、フリーライセンス(アマチュアもやっている方々も多い)の方々で、交信が行われている
CB機も新スブリアス規定に該当するとのことで、有志で昔の機材に手を入れて技適を取得している猛者の方々もいる
まぁ、あれだけ少年の心を踊らせた機械である、思い入れの強い気持ちも良く理解出来る

この機械を修理した時に数回交信をしてみた、ロケーションにもよるが数キロの交信は当然だが可能であった
Eスポが出ると当然に遠距離とも交信出来る

不勉強でCB機のレギュレーションに疎いのであるが、アンテナは内蔵ロッドアンテナのみ・500mW・A3・電源も内蔵電池か純正アブプタのレギュレーションは面白いと思う
アマ機でも、30cm以下のアンテナ、1W以下、標高1000m以下のロケーションなどのレギュレーションで、催しをやれば楽しいかも知れない
その意味ではレギュレーションがしっかりしているCB機で遊ぶのも大変面白そうである

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<内蔵電池は単3✕8本 専用の12Vアダプタの端子も付いている>

 

アマチュア局の集計をしてみた

2015年9月26日現在の無線局等情報検索データから集計したものである

日本全国でアマチュア無線局の総数は435,751局である
推移のデータは以下の通りで、2014年度末で435,581局となっており、今年は少し増加している

以下のデータは総務省情報通信統計の数値である

推移

<アマチュア局の減少に歯止は出来るのであろうか>

従事者免許付与累計は2014度末でアマチュアの従免付与総数は3,403,868件である
ただこのデータは現在までの付与累計であり有効免許数ではない
実際の有効免許数はわからないが、鬼籍に入った方々を1割とすると306万人位であろうか

免許割合は、1アマ 0.9%  2アマ 2.3%  3アマ 6.7% 4アマ 90.1%となっている

データとして公表されていないが、9/26現在の局数が43万5千局であり、従免の有効数を306万とすると、従免保持者の約14%が開局をしてる計算となる
実際は、社団局や一人で複数局開設の場合があり、従免保持者の開局率は14%以下となろう

各バンド毎の免許局数をグラフとしたのか下記の図である

バンド毎

<現在もメインストリームは2mと70Cmである>

免許されているバンドで一番多いのが、145MHzであり全アマ局の約94%が免許されている
<その割に空いていると感じるのは、我が家の設備と場所が悪いのであろう>
次に435MHzであり、全アマ局の約93%が免許されている

3.5MHz,7MHz,21MHz,28MHz,50MHzのバンドは全アマ局の約50%が免許されている
14MHzは約13%、18MHzは約20%となっている

所轄総合通信局別に局数の割合を円グラフが以下の図である

地域<当然1.2.3エリアが多い>

地域の人口と比較はしていないが、人口比率に対応とすると思われる

昔と違って移動体通信が発達した現在では、連絡用途にアマチュア無線を使用することは減少しているのであろう

 

余談ではあるが携帯電話では音声同報発信が出来ないので、現代でも複数の自動車間で連絡しあう場合は便利である
その利便性で、大型自動車の運転を生業とする方々がアマチュアバンドを使用している
特に二輪車の場合は、運転中に携帯電話で複数人と連絡を取り合うのは至難の業であり危険でもある
しかし、二輪車で複数人で連絡が取れればこの上無く便利ではある
ここに目を付けたのがFTM-10Sであろう
従免保持者が約300万人中かつリターンライダー層の数を推測して、ソロバンを弾いたのであろう
とても良いマーケティングだと思う、私も余裕が有れば欲しい機種ではある、しかし遊び相手が従免を持っていないので購入には至っていない
435MHz出力7Wもバイク間の通信であれば必要十分である

アマチュアの従事者免許は実は凄い免許なのである
アマチュアバンド内であれば、自分で送信機を設計・製作することが認められており、しかるべき手続きで申請すればその送信機を運用が可能である
これはアマチュアだけに許されている特権である
今現在アマチュア局を開設している理由は様々であろう、けれど携帯電話用途での利用者が少なくなった今こそ、個人の技術的興味で色々と楽しめると思うのである

ユニバーサルカウンタ TR5823

私が普段使用している、周波数カウンタはアドバンテストのTR5823である

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<ADVANTEST TR5823>

この周波数カウンタは、シリーズとしてTR5821,TR5822,TR5823の3機種ある
TR5821とTR5822の違いは本体にGPIB等の外部I/Fの内蔵可否である(5821は内蔵不可)
この2機種は入力端子が2系統あり、INPUT Aでは直接計数方式で10Hz~120MHzまで測定が出来る
INPUT Bではレシプロカル方式で、0.001Hz~50MHzが測定出来る

ちなみに直接計数方式とは、一定時間中(ゲートタイムと呼ばれる)のパルス数をカウントするので、周波数が低くなると測定桁数が少なくなる
レシプロカル方式は、パルス間隔を測定してその逆数を計算して周波数として表示する、但しパルス間隔の測定には限界あるので高い周波数の計測には用いられない

TR5823は入力系統が1系統増えてINPUT Cが加わり100MHz~1.3GMHzまで測定が可能となる
後、稀ではあるがタイムベースにOCXOを内蔵したTR5823Hも流通していた

いずれにせよ古い機械である、これらの機械を使って測定する場合は較正が問題となる
TR5323H以外のタイムベースは10MHzのTCXOを使用しており、その周波数較正は裏面から調整が可能である
(このトリマ調整もかなりシビアなので正確な基準が無い場合は触らないほうがよい)
確実なのは、GPSによる10MHzの周波数基準器の信号を測定することである

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<TR5823の後部パネル面 電源ケーブルの近くの穴がタイムベースのTC>

これらの機種は直接計数方式で測定した場合、ゲートタイム10秒時に8桁の精度で測定が出来る
これは10MHz測定時に0.1Hz単位での表示となり、測定精度を仮に0.1Hz単位まで求める場合は、タイムベースの較正は0.05Hzまで追い込む必要がある
10MHzでの0.05Hzは5×0.001PPMとなり、この精度での基準信号を出力出来るのは我々が入手出来る範囲ではルビジューム発振器かGPS周波数基準器位である

時計の精度に変換すると、ざっくりと年差0.1秒以下となる

何を測定するかは利用者に異なると思うが、例えば1.2GHz帯SSBの周波数誤差を120Hz以下にしたい場合は、0.01PPM単位での測定が必要になり、タイムベースは上記の例の通り5×0.001PPM以下に較正が必要となる

当然のことながら、各機種とも内蔵されているTCXOのタイムベースではそこまでの精度は厳しい
外部から基準信号が入力出来その周波数が10MHzであれば、GPSなどの基準信号を簡単に利用出来る
しかし0.5PPM程度まであれば内部タイムベースでも、較正用に周波数基準信号さえ用意出来れば十分に使える精度の確保は可能と思う

これらの機種は、電源コンセントに通電しておけば、本体の電源を切ってあってもタイムベースには通電されているため、ウォーミングアップ不要となる

程度の良い中古があればお勧めである、もしユニバーサルカウンタ(周波数カウンタ)の購入を考える場合は外部の基準信号の入力可否とその基準周波数は必ず確認すべきである
10MHzの基準信号を入力出来れば、基準信号の精度を高めることによりカウンタの精度確保が出来るからである

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<較正されたOCXOが、タイムベースとして便利>

TS-700 無印が届く

縁あって、最近我が家へやって来たTS-700である
このTS-700も件のTS-700GⅡと同様にジャンク同様である

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<TS-700無印 インジケータが暗く、全体に清掃が必要 頑張れ40年選手!!>

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<内部にも埃が堆積している>

そうは言っても、一通りの動作確認をやってみた
後部の電源コネクタから直接DC13.8Vを供給ししてみる、良くみると後面パネルに電源端子の接続説明シールが貼られている

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<4PINの電源端子の接続図が貼られている>

取り敢えず、ダミーロードを繫いで電源を投入してみる
電源は入るし、受信ノイズは聞こえるのである
VFOの表示ランプは点かないので、VFOを回してみると点灯するポイントがある
このTS-700も件のTS-700GⅡと同様に、VFOバリコンの接触不良があるのだろう
ハンディ機で、VFOが動作する周波数で送信してみると、受信音の確認は出来る
受信は大丈夫そうである

試しにFMで送信してみる、このTS-700も出力が4W程度に落ちている
マイクを繋いで送信してみると変調音がかなり低い、USBに切り替えて送信してもパワーが殆ど出ない
マイク入力系に何らかの不具合があるのだろう

以前に記載したがTS-700(無印)でも、整備すれば通常に運用するには十分に使えるとは思う
当然現代の機械の方が、性能と特に使い勝手は雲泥の差である、しかしTS-700シリーズには現在の無線機が持っていない雰囲気がある
重厚なVFOの操作感が、古き良き時代を思い出せてくれるのである

また、TS-700無印だけに備わっている機能に、’SPOT’スイッチ’がある
これは、SSBで送信した時に相手に、ゼロインをしやすくするためにキャリアをワザと送信する機能である
慣れているとSSBでの同調は造作も無いが、当時のTRIOはSSBを少しでも使いやすくするために、この機能を付けたのであろう
今となってはこの機能は使うことは無いと思うが、TS-700無印同士でSSB交信するときに、しゃれで使ってみると面白いかも知れない

只、現代で運用するには決定的に使いにくいポイントがある (VFO機全般のことであるが…)
それは、144MHz台と145MHz台を跨ぐ運用である
例えば、145.08MHzから144.92MHzに周波数を変更する場合は、バンド切替えを145MHz~144MHzに切り替えて、VFOを08から92まで回す必要がある
現代の機械なら、周波数ダイアルを数クリックで済むオペレーションである

更に固定水晶であるが、これはVFOの発振周波数8.2MHz~9.2MHzまでの間を水晶で発振させるものである
従って、バンド間を跨いでのワンタッチ切替えが出来ない
基本設計が1970年代前半である、当時は呼出周波数も144.48だったので、現在みたいな不便さは無かったと思う
この機械を運用する場合は、「機械の操作を楽しむ」と言う割り切りが必要である
(USBやCWは快適である)

また時間が出来たら、こいつも整備してみたいと思う