超高級品 の グリットディップメータ

DELICA SP-7型  高級品なのである

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<高級なグリットディップメータ>

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<高級な糸かけ式減速機構>

普及品のグリットディップメータは、発振周波数の調整ダイアルが内部のバリコンに直に繋がっている
微妙な周波数の調整については、技が必要である
高級品である、このグリットディップメータは周波数調整ダイアルが糸掛け式で減速機構があり、発振周波数の調整がスムースである
メータも大きな丸型で、DIP点の変化がとても見やすいのである

普及品と大きく違うのは、プローブコイルである
HamBandGridDipMaterは10mm径のボビンにプローブコイルが巻いてある
普通に使うには十分であるが、金属ケースに入っているIFT等のコイルの同調確認をする時は、どうしてもコイルのQ不足を感じることがある

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<高級なプローブコイル>

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<高級なメータ とても見やすい>

ところがSP-7型のプローブコイルは19mm径である、従ってプローブコイル自体のQ値が高いので、結合度が弱い共振回路でも共振値が測りやすいのである
またDIP点の変化も急峻である
本体電源のジャックはこれまた高級なキャノンコネクタ 2Pである

当時はこのDELICA SP-7型は事業者向けの測定器であった
現場で、何をどの様に計測していたかは、知るよしも無いが、吸収型周波数計や信号発生器もしくは電界強度計として活躍していたのかも知れない

ちなみに、対応周波数は1.5MHzから250MHzを6個のプローブコイルでカバーしている
なお、最も周波数の高いAコイルは先端に透明のキャップがあり、結合方向が確認出来るとともに無用な接触事故を防止している

私は普段は、普及品のHamBandGridDipMaterを使用しているが、どうしても同調が測れない時に、この高級品に登場してもらうのである
特に高級品はQが高く、空中線の共振点を測る際にはとても便利である

この高級品は大先輩の矢花氏から無理矢理強奪しているのである
(申し訳ありません..とても役にたっています)

高周波測定器が揃っている大先輩(大先輩はアマチュアと仰っているがプロの事業者である)であるが、ネットワークアナライザが有ろうが、グリットディップメータは手放せないと言う
プリミティブな測定器であれ、便利なモノは便利である

 

グリッドディップメータを分解してみる

普段現役で使用しているグリッドディップメータである
プローブコイルの取付位置によって、たまに発振しないことがあるので分解してみた

それこそ、50年モノの機械なので年季も半端ではないのである
角は塗装も剥がれ、メータも換装している

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中身は二連のエアバリコンと6AK5真空管が鎮座している
ネオン管は、テスト発振器として使う際の変調用である
変調を掛けると、ビィィ...と言う変調音がするので、信号源はこのディップメータと判断出来る
とても、素晴らしい知恵である

エアバリコンの端子が、プローブコイルのソケットにハンダ付けされている
プローブコイルのソケットは、昔懐かしいFT-243ソケットである(これが今は入手難である)

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<FT-243ソケットとバリコンの端子>

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<自分で巻いたプローブコイルとFT-243水晶>

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<FT-243水晶を挿してみたところ>
従って、FT-243の水晶発振子を挿すと、その周波数で発振するので水晶発振子の確認も出来る
ちなみに、欠品のプローブコイルを巻くときにプラグ用として、調子の悪いFT-243水晶を分解して下部を切ってソケットとして使用している

<FT-243水晶まで頂戴した大先輩の矢花氏には感謝の念が絶えないのである>

今回はこのソケットの端子の嵌合が甘くなってプローブコイルとの接触不良が偶に起きるようなので、接点を軽く磨き、バリコンとの端子を再ハンダしてみる

まだまだ、このグリッドディップメータには現役で活躍して頂くのである

グリッドディップメータ で共振点を測ってみる

たまたま部品箱を漁っていたら、タンクコイルを発見したのであった
これも、大先輩の矢花氏から、無理矢理頂いてきたものである
その昔は、エアーダックスコイルと言うものが販売されていて、そのコイルを切ってタンクコイルに便利に使えたのであるが、もうエアーダックスコイルは販売されていない
送信機とかアンテナチューナなどを自作するには、とても便利であったのだがとても残念である

さて、今回はそのタンクコイルに100pFのコンデンサを繋いで、共振点を測ってみたのである

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<ディプメータのプローブコイルと平行して置いた、タンクコイル>

件のグリッドディップメータを使ってみた
動画では音声が入っていないので、若干補足をする

1.グリッドディップメータをコイルと誘導結合する範囲に近づける
2.発振周波数を最小にする
3.発振レベルをメータの1/3程度に絞る
(発振周波数が変化すると発振レベルも変化するため)
4.ダイアルをゆっくりと回して発振周波数を上げていく
5.メータの指示が落ちる所が共振周波数である
深く結合している場合はコイルの距離を離してメータ指示の落ちる値を少なくして測定する

下の動画は、ディプ点のメータの変化を記録している

この例では、比較的DIP点(メータの指示が落ちる点)はわかりやすい
これは、コイルのQが高く共振点と共振点以外のインピーダンスの差が大きいため、メータ指示がはっきりしている

今回の共振点の測定値は約50MHzである

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小さななコイルの場合は、DIP点が分かりにくいので、工夫が必要となる測定器である

なお、アンテナの共振点も同じ様に測る事ができるので便利である  是非、今更ではあるが良質なグリッドディップメータを入手して、活用して欲しいのである

色々と、楽しい発見がありそうである

アナログ ストレージ オシロスコープ

懐かしき アナログストレージオシロスコープ

知る人ぞ知る、懐かしきストレージオシロスコープなのである
それも天下の Tektronix 様である

多分これも、1970年代モノかと思われるのである (詳細は不明)

そもそもストレージオシロスコープとは、ブラウン管の蛍光塗料面に波形を記憶させてしまう力技の持ち主である
当時は単なるオシロスコープ自体でも高価だったのに、ポータブル型で更にストレージオシロである
とても、高価だったものに違いないのである

私がまだ若人だった頃、鬼みたいな先輩たちにオシロスコープの使い方を叩きこまれたのであった このオシロスコープではなく“シンクロスコープ”でしごかれたのある
(本当に設定等々を間違うと本気で小突かれた….)
当時は管面リードアウトなんて便利なものは存在しないのである
スケールの読み方、プローブの対比確認そして設定面ではVOL-DEVのVERが回っていたりしたら偉い剣幕で怒られた
“てめぇ.. カス!!  何測るつもりだぁ 基本出来ない奴には触らせん“ って感じなのである
まぁ、先輩方々の愛情でオシロスコープの使い方を優しく覚えられたのであった

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<2現象の通常の表示>

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<操作バネルは横にある>

とは言え、ストレージオシロスコープで波形を”管面”に記憶させるためには、トリガのかけ方やら色々と悩んだものである
最近のデジタルオシロなら、巨大なメモリにデータを残せるのであるが、管面”に記憶なのでその瞬間がすべてである
諸先輩方の愛で(しつこい..)トリガのかけ方を教わったのであるが、今となっても重要な経験である

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<ブラウン管に波形を記憶させた所、プローブを外しても波形はそのままである >

デシタルオシロで膨大なメモリも良いのだが、やっぱりトリガの工夫に勝るものは無いと思う
(デジタル回路のデバックならばデジタルオシロにかなわないし、FFT変換はこの上なく便利である デジタルオシロを買えない負け惜しみである)

とまぁそんな事を思い出せてくれる、往年のアナログのストレージオシロスコープなのである
ちなみにこのオシロスコープは最大周波数500KHzであり、500KHz付近では電圧値が250KHz付近の半分近くになってしまう
昔、諸先輩の方々に愛で仕込まれた言葉を思い出すのである
「最大周波数付近の電圧値は信用出来ない,電圧値がマトモなのは最大周波数値の半分以下」

確かにそうだったのであった

諸先輩の方々、沢山の愛をありがとうございました

 

グリッドディップメータ DELICA HAMBAND DIP METER と 周波数カウンタ

グリッドディップメータの発振周波数を件の周波数カウンタで測ってみた

グリットデッブメータ(GDM)現在は殆ど製造はしていないのであろう
市販されていた頃、周波数カウンタ付きが発売されたときは素晴らしいと思ったのである
発振周波数は、使用しているコイルでスケーリングされているダイアルの目盛をを読むのであるが、ざっくりした周波数しか読み取れない
周波数カウンタ付きであれば、そのままカウンタ値を読むだけなので楽である
その頃は、指を咥えて欲しいと思っていたのであった

 

で、私が現役で使っている、HAM BAND GRID DIP METERを件の周波数カウンタで読めないかと、チャレンジしてみたのである

件の周波数カウンタは高周波数アンプに2SK241と2SC1815を使用しているが、50MHzを超えると感度低下は避けられない
そこで、RF-AMPにICのフラットアンプを使用したスペシャルバージョンを大先輩の矢花氏が作成してくれたのである

そのスペシャルバージョンで、グリットディップメータの発振周波数を測ってみたのである

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測定信号の結合は、グリッドディップメータの発振コイルに数ターンのリード線を絡めるだけである
件の周波数カウンタは内部プリスケーラを1/8,ゲートイタムを0.1Sに設定する

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<ダイアルスケールは約52MHzとなっている (Bバンド)>

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<測定周波数は約51MHz>

*2桁目の小文字の’p’は内蔵プリスケーラを使用していることを表示

 

非常に便利である50MHz帯に使うなら十分に使える
ちなみに、120MHz付近までは計測が出来ているのである
(周波数カウンタのファームウェアで100MHz以上は100MHz単位の表示は出来ないが)
恐るべし、16F88のフリーランカウンタなのである

 

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<ダイアルスケールは約100MHzとなっている (Aバンド 外周部)>

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<測定周波数は約100MHz>

最大測定周波数に挑戦

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<ダイアルスケールは約120MHzとなっている >

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<測定周波数は約118MHz、現在のファームウェアでは100MHzを超えるる周波数の場合は100MHzの桁は表示していない>

 

菊水 7314A 直流安定化電源 整備すれば良い電源だと思う

これも古い機械である

私がトランジスタやPIC等でちょっとした実験や試作を行う時に使う電源である
この手の実験だと1.5V程度から13.8V位で大体の用は足りるのではないかと思う
電流も0.5A程度もあれば十分と思うのである

私の場合、どうしても気が緩んだり、思い違い等で実験回路の結線を間違う事はしばしばある
その時に重要なのは、フの字特性の過電流防止機能だと思うのである

使用している菊水の電源は、その昔中古で3千円で手に入れたものである、自分なりに較正を施しており動作確認もしてあるので、現在も現役である
多分これは1960年代後半の製造ではないだろうか? ちょっと前までいろんなメーカの実験室で見かけた機種である

 

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<小容量電源なので、奥行きも短い ディスクトップ電源として具合が良い>

主な機能は以下の通り
出力電圧 0-8V  or  8V-15V レンジ切替式
出力電流 100mA MAX  or  500mA MAX レンジ切替式
過電流防止機能 各電流レンジでMAXを超えると電流・電圧を下げる フの字特性 の保護機能付き
私は殆ど100mA MAXで使用する事が多い

従って、間違ってショートさせてしまっても、被害は最小限に防ぐ事ができる
更に、電源供給を受ける側で、電源に並列に整流用ダイオードを繋げておくと、逆接続の時の被害が少ない
(私は偶に間違って繋ぐことがある 注意力散漫なのである)

電子工作をライフワークとするには、必要不可欠なのは電流制御が出来る安定化電源と思う
最近だとデジタルでCC制御が出来る直流安定化電源が安価で、オークション等に沢山出品されているので、入手も楽であろう

更に、もう一言である
安定化電源は、シリーズ電源とスイッチング電源に二分される
一般的に、スイッチング電源の方が小型軽量であるが、この手の工作をするならシリーズ電源が良いと思う
アナログ回路を弄って遊ぶと、スイッチング電源のノイズで嵌ることがある
(外部ノイズに強い回路を設計するのが本筋ではあるが...)

 

グリッドディップメータ DELICA HAMBAND DIP METER

以前に、ディップメータのことを簡単に記載したのであるが、もう少し詳細な内容を記載する

このディップメータは、矢花氏が友人の遺品整理の時に発掘したものを、私が無理矢理、譲ってもらったものである

メーカは三田無線/DELICA製で、製造は1965年位であろうか

測定範囲は、A-Eまで5個のコイルで以下の通りである

A 52MHz-150MHz     B 20MHz-58MHz    C 8.3MHz-24MHz

D 3.1MHz-8.8MHz     E 1.3MHz-3.5MHz

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(コイルAとコイルEは残念ながら欠品だったため、自分で巻いたものである)

スケールの詳細はコイル毎にスケーリングされており、比較的見やすい

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(コイルEのスケーリングは自分で行ったものである、もしかして、当初コイルEはオプションだったのかもしれない)

 

メータは入手時には不動だったので、矢花氏のご好意で手持ちのメータに換装してある

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側面は以下の写真の通りで、OFF-ON-MOD切替と発振出力調整そしてPHONE端子となっている

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回路は以下の通りである

DIPMETER回路図

グリッドディップ・メーターの使い方

万能測定器グリッドディップ・メーターの徹底的活用法

茨木 悟氏 より引用

グリッドディップメータの応用は幅広い

是非、三田無線の創始者である茨木 悟氏の徹底活用法をご覧頂きたいと思う

所謂、枯れた技術ではあろう、しかしその理論と原理原則は今でも大切なことである

文化遺産でもあり、現役の測定器でもあるこのディップメータは今後も大切に使い続けたい

 

 

 

 

懐かしのグリットデップメータ 

primitive

原始的と言う意味らしい

現役のプログラマだった頃は、一般的なアルゴリズムとかコードの事を指してこの言葉を使った覚えがあるのであった

さて、写真は私が現在現役で使っている、便利なツールである’グリットディップメータ’である

これを使うと何が便利かと言うと、LCの共振回路の周波数がわかるのである(他にも色々と使い方はあるが..)

‘グリットディップメータ’は発振器であり、発振のL(コイルの事です)を差替える事で広い周波数帯(この機械は1.5MHz~150MHz)に対応する

発振のC分(コンデンサの事です)は内蔵のバリコンで容量を変化し周波数を調整し、バリコンにはダイアルが取り付けられて、発振している周波数が読み取れる

メータは、DIP点といわれる被測定物の共振回路が共振点の確認に用いる(被測定物の共振点に近づくとメータ指示がピクっと下がる)

デップ点を測る

現在ではLC共振回路の設計はGHz帯域がメインとなり、その設計検証についてはネットワークアナライザ等が使用されて精密な測定がされているため、仕事で使っている人は少ないと思われる。

50MHz帯以下のちょっとした実験にはディップメータは大変便利である。

共振回路で遊んでみたい方は、是非探してみて頂きたい

HAM BAND DIP METER つづき