FT-101E C11(200pF マイカ・コンデンサ交換)

前回ダウンしたFT-101Eである.

 秋葉原で該当の部品を探してみた,200pF 1KV耐圧のマイカ・コンデンサなのであったが,同一の部品はなかなか見当たらないのであった.販売されている200pFのマイカ・コンデンサは500V耐圧だったりするのであった.180pF 1KVと15pF 1KVのマイカ・コンデンサがあったので,それらを並列使用してみることした.

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今回購入した 180pF 1KVと15pF 1KVのマイカコンデンサ

 並列接続で測ってみると合成容量は195pFとなる.このマイカ・コンデンサを,FT-101Eに取り付けけてみた.しかし,シャシの奥とバンド切り替えのロータリー・スイッチの間にあるので,作業性がすこぶる悪いのであった.そこはメゲずに何とか取り付けけてみた.

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C11を交換中 トリマーデッキの裏のバンド切替SWの奥にアクセス

 取り付けて,12BY7Aソケットのプレート端子とシャシ間の抵抗を測ってみるとざっくり11kΩで,ショート状態で無いことを確認.次に,12BY7Aと6JS6Cを外した状態で電源を投入してR40の発熱が無いことを確認する,当然これもOKである.この状態で受信をしてみる,12BY7Aを抜いた状態なので,PRESELECTの位置が当然異なっているが,受信はできることを確認した
取り敢えず一安心である.

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12BY7Aと6JS6C 頑張ってまたまだ働いて欲しい真空管である

 コーヒーで1段落したところで,12BY7Aと6JS6Cを取り付ける.FT-101Eの調整の基本バンドは29MHzである,私のFT-101Eには10Cと10Dの水晶は入っていないので,10Bの28.5~29MHzで確認と調整を行った.
 28.5MHzに合わせてから,改めて,電源を投入してSGから40dBμVをSGから入力してみる.PRESELECTの位置が微妙に異なっているが,とりあえずは正常に受信していることを確認する
次に,アンテナ端子をダミーロードにつないでから,HEATERスイッチを投入する.

 真空管が徐々に光ってくるのであるが,異音などしていないかを確認する.R40の発熱が無いことをここでも確認し問題が無いことを確認する.一安心である… 今回はC11を交換したので,トラッキング調整は全てやり直しとなる.

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とりあえず復帰 28.5Mhzで約90W…

 が… 6JS6CのIC電流が200mAまで上がる,PRESELECTの位置は,受信最大の位置とIC電流の最大の位置が結構ズレている.トリマデッキの28MHzを調整してみるが調整の範囲外であった… C11の5pFの差分であろうか,それとも経年変化であろうか?
いずれにしても,T-102の調整が必要みたいである… いわゆる’ギロチン’と呼ばれる3連のμ同調ユニットの調整が必要そうである.

FT-101Eがダウン

私のメイン送信機である、FT-101Eがダウンしたのであった
それは、電波を出すべく、チューニング中の出来事なのであった
普段通り、アンテナ端子をダミーロードと接続し、IPを200mAにてPLATEのディップ点を探っていたのであったが、いきなりIPがアイドルまで落ちたのであった
そして、あろうことか、焦げ臭い異臭がしてきたのであった…

直ぐに電源を落としたのは、当然である
暫く時間を置いて、受信状態かつHEATERスイッチを切って、電源を投入してみたが直ぐに異臭がするのであった

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<トレース中のFT-101E>

何か、やらかしたかしら…と、ラックからFT-101Eを取り出してケースを外して、一旦12BY7Aと6JS6Cを取り外した状態で再度確認してみる
ドライバの12BY7Aにプレート電圧を供給している、R40(1.5KΩ/5W)が異常に発熱していることが分かった

真空管は取り外してあるので、真空管以外の12BY7Aのプレートに接続している回路のでショートが発生しているようである
R40から先に接続される部分を追ってみたのであった
いろいろと切り離してチェックをしてみる
原因は、C11の200pF/1KVのキャラメル型マイカコンデンサのショートを探したのであった
(経験深い方は瞬時に判断出来ると思います、素人の私は数時間も費やしてしまいましたが…)

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<赤丸部分が、該当のキャラメル型マイカコンデンサ>

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<シャシの奥の奥にあるので、アクセスが大変>

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<取り外した、マイカコンデンサ 200pF,1KV>

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<単体で測ってみると、直流抵抗 約1Ωでショート状態>

手持ちに1KV耐圧のコンデンサーが無いので、耐圧と温度特性がマイカコンデンサと同等な代替え品を探してみたい
(同じ部品が簡単に入手出来れば良いのですが…)

今考えると、送信時のPRESELECTの同調点がバラつく感じがしていた感はある
正常であればバンド毎のPRESELECTの同調点は、ほぼ同一であるが、チューニング毎に微妙に位置が変化していた感じがする
40年前の機械なので、経年劣化もあるのであろう

部品が入手出来たところで、修理をしてみたい

FT-101E Tips QRHがある時の最初の確認事項

我が家のFT-101Eであるが、先日に送受信の周波数が数百Hz位ズレることが有った
偶々マーカの確認していたのであるが、ビート音が徐々にずれて行くのであった

マーカユニットが不調かなぁと思っていたのだが、繋いである周波数カウンタの表示でVFO周波数がズレている事が判明したのであった

今まで数年間このFT-101Eを使用して、VFOのQRHについては安定して使えており、交信中のQRHの指摘は受けたことは無かった
(但し現在の機械とは異なり10Hz程度は変動するが、実用上は問題はない)

VFO周波数のズレを発見して、とてもブルーな気持ちになったのである
様々な原因が頭によぎるのであるが、それを特定するための時間を考えると、暗澹な気持ちになってくる

気持ちを切り替えて簡単な切り分けをしてみた
まずは、クラリファイア(RIT)である
クラリファイアはVFO内部のバリキャップへの電圧を変えて、VFO発振周波数を微調整している
受信時のみ動作するのであるが、まずはこの機能の確認をしてみた
単にクラリファイアスイッチをON/OFFするだけである

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<FT-101Eのクラリファイア>

切替の回路は結構凝った回路ある、この切替SWに大きな接点抵抗が合った場合の動作を考えると
ON時もOFF時もクラリファイアの電圧に影響を与える

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<クラリファイアの切替部分 赤線がVFOへの経路>

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<VFOとクラリファイア入力部分>

40年以上も昔の機械であり、スイッチ等々はそれなりに劣化が進んでいる
本来であれば、修理時のこのスイッチを交換するのがベストであろう
しかし新品部品の入手が難しいのであれば、特性を理解して使い続けるしかない

FT-101E/ESでVFOのQRHが気になった場合、まずはクラリファイアスイッチのON/OFFを数回切替えしてみることをお勧めする

この辺りだと、VR4(半固定抵抗)とか弄りたくなるが、これを弄ると送受信周波数の整合が必要となり(鳴き合わせ等々)、面倒である

又、安易な接点復活剤のスプレーは絶対に避けるべきである

FT-101Eを使ってみて思うこと

のHF帯でのメイン送信機は件のFT-101Eである
普段使用して思ったことを書いてみたい

1.受信音質
当然受信は電源ONで即座に受信出来る、内蔵スピーカはキャビネットの上側に取り付けられており、このスピーカでの受信音はあまり良くない (中音が強調された感じ、またビビリ音もする)
大きめの外付けのスピーカを使うと、比較的良い感じではある
S/Nは悪くは無い、内蔵アッテネータとRFゲインを活用することで、忠実度は向上出来る
また、周波数構成が単純なビンテージ機であるため、シャーといった受信ノイズが少なく、BGM代わりに聞いていても疲れない

AM受信については2.4KHzのSSBフィルタ共通での受信であり、帯域が狭くその分音質は良くない
昔は11mバンドをこの機械で使用した人が多かったと思うが、CWフィルタの代わりに6Kフィルターを取付て、本体を改造して使っていたのでは思う
聞きづらい点を我慢すれば、使えないことはない

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<最初から11mバンドが用意されている 水晶を入れるとQRV出来るのは凄い>

2.混信特性等
現代の機械と違って、IFシフトや帯域切替えなどの機能はない
フィルターは一般的な帯域の2.4kHzであり、3KHz間隔であれば問題無いが、休日の7MHzなど混んでいる時は正直厳しい
コンテストやQRMが酷い時は現代の機械を使う方が、精神衛生上良いと思う
きちんとしたプリセレクタが搭載されているので、バンド外からのの混信除去は問題無いレベルと思う

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<現代からすると必要最低限の機能であるが、シビアな条件外だと今でも十分>

3.操作性
VFOの回転方向が現代の機械とは逆方向の回転となる
慣れれば問題無いが、普段使用している機械と逆方向になるので違和感はあると思う

基本的な機能しか搭載されていないので、VFOの回転方向以外に違和感は無い
但し、各バンドごとでのファイル調整とVFOの校正は、ビンテージマシンを使用する際の約束事である
特にファイル調整をサボって離調状態で電波を出すと、高価な6JS6Cを痛めることになるので注意

マイク端子は50KΩの高インピーダンスである、現在の600Ωのマイクは使えないことはないが、インピーダンス変換をしないとマイクゲインと音質が劣化する

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<標準マイクである>

4.QRH
電源投入後30分もすれば受信時は殆どQRHは無い
送信時に熱がこもると若干のQRHが発生する、ヘビーデューティな使用についてはQRHを把握する必要がある

5.送信
LOWバンドの方がパワーが出る、3.5MHz辺りでのんびり夜のQSOをするのが良いと思っている
パイルでない限り21MHzや14Mhzでも十分に使えるし、調整がとれていれば28MHzでも使えないことはない
しかし28MHzで少し使うと熱ダレでパワーが80W以下に下がるので、この機械ではあんまり無茶はさせない様にしている
送信音質は低中域が太い感じである(YD-844の特性かも知れない)

負荷とのは整合範囲は比較的広いので、LOADとPLATEのファイナル調整で結構遊べるが、伝送線路が50Ω系の場合は注意が必要である
送信の前に、100Wを吸収出来るダミロードを用いてファイナル調整後に、電波を出す機械である
この機械を使う場合は、100Wダミロードは必須である

6.その他
入手する場合、リアパネルの11PINのプラグが欠品していることが多い、このプラグが無いと終段管のヒータが通電しないので送信出来ない、更にこのプラグの入手は難しいのである (但しショート線を作れば問題なし)
又電源プラグも欠品の可能性あるので注意してほしい

メンテナンスについては取扱説明書を熟読した上で検討すべきである、メンテナンス本を参照して安易に弄るべき機械ではない
取扱説明書に回路の説明と調整箇所の解説がされており、調整箇所の意味を知った上で行ってほしい
なお、英文であるがネットでServiceManualをダウンロードして確認することも有用である
ビンテージマシンとは言え、メンテナンスには最低限の設備とノウハウは必要である

FT-101E VS TS-520X その2

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<TS-520XのVFOダイアル LSB,中点,USBと3点の読取りポイント>

操作面ではTS-520はVFOダイアルの周波数表示に拘っており、-1.5kHzと中点そして-1.5Hzで周波数読取りポイントが設定されている、FT-101はそこの拘りはない
同じバンド無いでCWとSSBを交互に運用する場合は便利ではあるが、これもマーカでのキャリブレーションをどのポイントに合わせるかだけなので、個人的にはどちらでも大勢に影響は無いと思う

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<FT-101EのVFOダイアル 読取りポイントは一箇所>

PLATEノブについては圧倒的にTS-520Xは使いにくい、PLATEノブが同軸でFIX-CHと共用であるのと、ノブ位置表示が下側になっており非常に解りづらいのである
慣れれば問題は無いのであるが、初めてTS-520D/Xを使う場合は戸惑うであろう
これはTS-520S/Vで改善されている
FT-101は大体の周波数位置が表示されており、また減速機構も備わっていたので操作は快適である

VOXなどの調整はTS-520が横面に調整VRがまとめられており便利である、FT-101は上面のボンネットを開けての調整となる
後面の端子類はFT-101の方が多く、IF-OUTやアンテナトリップがあり拡張性は高い
以前にも書いたがTS-520XのSメータは秀逸でありS9以下は6dBで指針とほぼ同期している

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<秀逸なTS-520XのSメータ >

性能自体は色々と語り継がれているが一点だけ大きな違いがある
それは、プリセレクタである
FT-101はギロチン呼ばれるμ同調でコアをPRESECTノブで操作する、TS-520では同調バリコンをDRIVEノブで操作するのであるが、やっぱりプリセレクタの性能はQの高いμ同調に軍配があがる
具体的には、夜間の7MHz帯で近隣諸国の強大出力の放送が開始される場合である
TS-520Xのドライブ機能ではこの強大な電波の影響がSメータに出て来る
FT-101のプリセレクタでの目的外周波数の減衰量が大きく影響は少ない
シビアな条件ではFT-101のプリセレクタの性能が効いてくる

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<FT-101EのPRESELECT μ同調で切れが良い>

 

双方共に当時のメジャーマシンである
それぞれ設計思想が異なるマシンであるが、現在に於いても実用になるマシンである
現在の視点で双方を使い比べると楽しく遊べるし、当時の技術水準の高さを改めて実感出来ると思う

FT-101E VS TS-520X その1

全く私の主観である
この話題は40年程前に多くの方々が色々と語ったのであろう
双方共、当時のメジャーマシンである

両機種とも発売されたのは1970年代中旬の頃である
偶々、我が家に鎮座しているのがFT-101EとTS-520Xであるのであるが
TS-520Xと比較するのであればFT-101BSが適当であろう、従って比較の機能面ではFT-101BS比較をしたい

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<TS-520X と FT-101E 1970年代の代表的なマシンである>

送受信周波数はFT-101BSは160mバンドに対応している、TS-520Xはマイナーチェンジ後のTS-520S/Vで対応したのであった
送信モートではFT-101BSはAMが最初から用意されている、TS-520Xでは’SSB Transceiver’と名乗っておりAMには対応していない

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<AM モードの有無が諸元上の大きなポイント>

FT-101は元々、北米での販売を意識していたのであろう
FCC規格でのCB帯にQRV出来るポテンシャルをマーケティング的に活用したのではないかと、個人的には考えている
日本に於いても当時FT-101シリーズでCB帯にQRVしていた方々は多かったのではないだろうか?
アマチュア通信では、この頃は殆どSSB化しておりAMを使う事は無かったと思われる
従って、AMモードが必須の方は黙ってFT-101シリーズを選択したのであろう
但し搭載のフィルタはSSB用であり、AM受信の場合は音声帯域が狭くAMの受信音質は良くない
(当時AMフィルタもサードパーティから販売されており、現在はプレミア価格である)

双方共スピーチプロセッサは内蔵していないが、TS-520Xではマイクゲインのノブを引くとALCの定数を変えるDXスイッチが付いていた
これでSSBの尖頭電力リミットを軽減して少しでもパワーを絞り出すものである
(個人的には少し反則技な様な気がするが…)
双方共マイナーチェンジによりFT-101E/ES・TS-520S/Vからスピーチプロセッサが搭載される

続く…

Sメータ の確認をしてみた

Sメータの校正

最初に校正と較正の違いはであるが、ざっくりと’校正は基準との違いを確認すること’で’較正は基準に調整すること’である
なので、今回は基準との違いを確認したのであった

先日お借りしてきたスイーパ基準信号発生器でSメータの確認をしてみる

30MHz以下のSメータの基準はS9を指す状態が、コネクタへの入力電圧は100μV(EMF), 40dBμ(EMF)となり、アンテナ端子の入力インピーダンスは50Ωのため、終端時の電圧は50μV(PD)となり、測定基準電力は34dBμ(PD)となる

S9以下の1目盛りのステップは-6dBとなる

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<14.2MHz -40dBμV(EMF)を受信した各機種のSメータ>

今までSメータの確度なんて、あまり気にしていなかったのである、と言うか受信機は測定器ではないので、この辺りは多分いい加減(良い加減です)でセッティングされている筈でSメータ自体の確度を気にする必要は無かったのである

しかし基準信号があると測りたくなるのは性なのであろう
と言うわけで、我が家のSメータの確度を測ってみた

受信機のマニュアル等をみると14MHz帯で校正しろと書いてある
実際に測ってみるとローバンドではゲインが上がるためバンド毎に差がある
きりがないので、14.2MHzで測定してみた

まずはDrake R-4Aであるが、S9の位置は少し9より上である
次にFT-101E であるがS9の位置はピッタリであった、FT-101ZではS9の位置でS8位である
ちなみにTS-520XではS9の位置でS8位であり、S9の位置には大きな狂いは無かったのである

次に各機械がS9になる信号から-24dBをアッテネ-タで減衰した信号を入力してみる

メータの指示はS5となるべき値なのであるが…

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<S9になる信号から-24dBのSメータ値>

素晴らしいのはTRIO TS-520Xであった、S9以下は規定通り6dB単位にS値が同期している。<これには本当に恐れいりました m(_ _)m>

次にDRAKE R-4Aである、バラツキはTS-520以上ではあるがS9以下は大体6dB単位にS値が同期していた

FT-101EとFT-101Zはちょっとリニアリティが怪しい、まあ難しい事を言ってはいけないのである 自分の修理時の較正が甘かったのであろう
クルマのスピードメータは車検毎に確度を確認されているが、Sメータは機械のAGC特性との関係もあり目安と考えるべきであろう
測定器は、表示がdBなのでログアンプと呼ばれる対数アンプで増幅するが、普通の受信機にはそんな機能は付いていない
Sメータは交信を楽しむためのモノであろう、特にSSB受信の場合は景気よく振れている方が感度がよさ気である

 

FT-101E トラッキング調整 をしてみる

何気に、7MHzを聴いていた所、大先輩の矢花氏がオンエアしていたのであった
呼んで見ようとファナル調整をした所、その周波数でPLATEつまみを回してもDIP点が出ないのである
そんなことしている間に、呼出の機会を失ってしまった (>_<)

他の機械(FT-101Z)で呼ぼうと思ったのであるが、これも電源入れてファナル調整していたら数分は掛かってしまうのである
終段が真空管の機械は現在の機械と異なりすぐにオンエアは出来ない、またトリマコンデンサなどの経年変化で調整点がズレることもある
前にも書いたが、ビンテージマシンを使っていると良くあることであろう

気を取り直して、久しぶりにFT-101Eのトラッキング調整をしてみることにしたのである

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<トラッキング調整調整は裏面のトリマデッキで行う>

FT-101のトラッキング調整とは、いわゆるギロチンと呼ばれる3つのμ同調を、アンテナ同調・送受信混合・トライバ同調を合わせる作業である

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<FT-101の ギロチンと呼ばれる3連μ同調ユニット>

これも慣れていると簡単に出来るのだろうが、数年に一回程度しか行わないので、イザやるとなると中々面倒である
必要にモノは信号発生器(内蔵マーカでも可)出力計そしてダミーロードである
特に100W機の場合、ダミーロードは熱容量に余裕がないと大変なことになる

FT-101Eの場合は、28.5MHz・21MHz・14MHz・7MHz・3.5MHz・1.9MHzそして7MHz・14MHz・21MHzの順番で行う
最初の28MHzはドライバ同調は無いが、この周波数できちんと調整をすることが大切である
ちなみに今回はファナルの中和も調整してみた

周波数帯毎にVFOの位置は最小値の0KHzで調整し、中点250KHz・最大点500KHzで確認をする

調整内容は各回毎に以下の内容を行う
1. PRESELECT・PLATE・LOADを合わせる
2. 受信最大点にANTトリマを合わせる
3. 送信出力の最大点にMIXERトリマを合わせる
4. 送信出力の最大点にDRIVER PLATEトリマを合わせる(28MHzは無い)

中和の調整 (FT-101Eの取説記載内容)
28.5MHz帯で上記調整がされていることが前提で以下の内容を実施する

1.28.5MHzでPRESELECT・PLATE・LOADを合わせる
2.出力を70%位に絞る
3. PLATEつまみがDIP点(IP電流が最小値になるポイント)で、出力が最大になる所に中和バリコンを合わせる

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<黄色の円の所が、中和調整バリコンである>

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<中和調整は裏面から行う 高圧部分なので金属ドライバは厳禁である>

この調整は終段管を取り替えた時に行う調整であり、以外とシビアであるので交換時以外は触らない方が安全である
ちなみに中和調整とは、真空管内のプレート・グリッド間の容量結合を、逆相の信号で打ち消すための逆相信号のレベル調整である 終段管の場合この調整がズレると異常発振などで終段管を破損することもある

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<妖しく輝く、6JS6C終段真空管>

調整後は綺麗にDIP点も出る様になったのである
我が家のメイン送信機である、まだまだ頑張って頂くのである

ビンテージマシン を使う メリット と デメリット

今更、何で古い機械を使うの?  それって殆ど粗大ゴ○でしょ と聞かれることがある
自分自身への自問を含めて、メリットとデメリットをまとめてみた

ここで言う、古い機械とは1980年以前の機械としておく
何故1980年以前なのかは私の個人的な嗜好による所が大きいのであるが、1980年位までがVFO搭載機が販売されていたからである
VFOからPLLへの変遷は、別次元の周波数安定度と送受信周波数の直読による操作の利便性が大きく向上した
更に、いわゆる’マイコン’制御により周波数のメモリやスキャンなどの多機能化も大幅に進んだ
従って1980年代後半の機械は、整備さえされていれば現代でも十分に使用出来る操作性を持っている

しかしながらである
趣味で使用する機械なので、自分の思い入れは大きいと思う
その昔、憧れていた機械を使ってみたいとか、あの頃の操作感が懐かしいとか色々とあると思うのである

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<FT-101E(上) FT-101ZSD(下)  同じ名前だが異なる別マシーン 1970年代の憧れマシンであった>
この辺は、オールドカーの趣味と似ているのではないだろうか
オールドカーも、現在のクルマからすると、エンジンを始動するのにチョークレバーを引いたり、窓だって手動で開け閉めしたり、走る際には常に水温等に気を配ったり、燃料にはバルブを保護するために有鉛ガソリンを入れたり、相当の手間がかかる
メンテナンスも、整備工場真っ青の設備を自分で保持してメンテナンスをしている人もいる
それでも自分の思い入れのあるクルマで走ることが喜びなのであろう

初代セリカ

<懐かしのセリカ 1970年代の憧れた旧車である>

古い無線機も同じで、VFOのQRH(送受信の周波数変動)や送信時の同調調整、自分の発射している電波の質など運用時に気にすることは多い
極めつけは不具合時の対応であり、メーカ修理は殆ど期待出来ないし、修理可能な業者にお願いした場合は結構な金額になったりする
そもそも、当時の設計者も40年以上も使われるなんてことは考えもしなかったと思う

さて、前置きが長くなったがメリット・デメリットを整理してみたい

メリット
1.思い出(思い入れ)がある機械を使える
2.機械のデザインが好き
3.それを持つことで優越感を味わえる
etc..

デメリット
1.機械自体の信頼性が乏しい
2.操作が面倒で機能が少ない
3.真空管使用機種は電源投入から運用まで時間がかかる
4.変更申請に保証認定が必要
5.メーカのメンテナンスを殆ど受けられない
6.純正補修部品の入手が難しい
7.運用とメンテナンスはそれなりの知識・技術が必要となる

正直言って、運用面だけ考えるとデメリットの方が多い
ビンテージマシンを使って、メジャーコンテスト等で上位を目指す等は厳しいと思う
最新の機械は、最新の技術を駆使されて開発されているので、操作性・選択度・感度・混信対策・不要輻射などの基本性能は比べるまでもない

逆に考えると、普段はそんなにシビアなことに勤しんでいる機会は少ないと思うのである

のんびりと、自分の気に入った、思い入れの深い機械で、遊ぶのも趣味としては悪くはないと思う
私も、まだまだ駆け出し者であるが古い機械を楽しんで行きたい1人である

このブログも、古い機械を楽しむ方々のコミニケーションの場となることを目指しているのである

今後も皆様のご支援をお願いいたします

昔の4pinマイクアダプタを作ってみる

本当に今更ながら、昔の4pin仕様のマイク変換アダプタを作ってみた
私の所にある1970年代の機械たちは、八重洲製が2台とその他2台であり、すべて4pinのマイク端子は八重洲仕様に統一してある

先日、件のTS-700GⅡが到着したのであるが、昔のTRIOの機械で使えるマイクが無いのであった
送信調整ではマイク端子にワニ口クリップで、発振器から信号を入力して計測していたが、実際の声を入力する手段が無い

1970年代の頃は4pinマイクが主流であり、モービル機までが4pinのマイク端子を備えていたのである
只、この頃は無線機自体のマイク入力のインピーダンスが従来の50KΩから600Ωに切り替わる頃だったので、マイク自体の出力インピーダンスが50KΩと600Ωの切替え式も多く存在した

まぁ冷静に考えて見ると、マイクの物理的な形状は全く同じなのに、動作しないのは複雑なことであった
我が家でも、同じ八重洲製なのに、FT-101Eは50KΩのマイク・FT-101Zは600Ωのマイクである

で、件のTS-700GⅡは600Ωのマイクなので、FT-101Zで使っているマイクと共用出来そうである

けれど、いちいちマイクコネクタのハンダ付けを変更するは、面倒極まりない
そこで、本当に今更ながらYASEUとTRIOの4pinマイクのアダプタをでっち上げてみた

マイクコネクタ
<YAESU と TRIO マイク端子比較>

図を見ていると、単に右に90度回転させると、端子が一致することに気付いたのである
この手のアダプタに手間を掛けたくないのと、シールド付きの4芯線の手持ちがないので
メスコネクタとオスコネクタを90度回転させてハンダ付けして、でっち上げたの下記の写真
メスコネクタの金属部をマイクのグランドに接続している

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<昔の機械用 YAESU→TRIO マイク変換アダプタ>

とりあえず問題無くは動作している

その後マイクの高機能化(UP-DOWN等)により、マイクコネクタの端子数は増えて専用化が進む
近年ではコンピュータ用RJ-45モジュラー端子となっている
いずれにしても、専用マイク以外はそのまま使えないことが多いのである
(アダプタも販売されているが....)

たかがマイク、されどマイクである 21世紀になってもやっぱり変わっていないと思うのであった