1980年代の精密技術の結晶

今回も無線機以外のネタである
私が1980年代に憧れた機械の一つに銀塩カメラがあった
現代においては、デジタルカメラに移行して殆ど銀塩カメラを使う事は無くなった
しかし当時は銀塩一眼レフが多く販売されており、銀塩一眼レフもオートフォーカス化のされ始めた頃であった

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このCANON NewF-1は、AE制御がマイクロコンピュータ制御であり、シャッターは基本電子制御である
(電池切れの時は機械式で1/90でシャッターを切れる)

素晴らしいのは、ファインダーであった
このファインダーは当時オプションとして、多数のスクリーンが販売されておりマットスクリーンとの組合せで使っていた
ピントの山が解りやすく、とても感激したものであった

また基本はメカニカルカメラであり、その精密感は持っているだけでも幸せな気持ちになれる
レンズは古くからのマニュアルフォーカスレンズのFDレンズラインである
FDレンズラインも精密感が高く、私の能力からすると超オーバスペックであるFD50mm/1.2L,FD85mm/1.2L,FD24-35/3.5SSCをメイン使用していたのであった

これらのレンズは、単に欲しかっただけであり、その使いこなしは出来なかったと思う
けれど、超オーバスペックなレンズを欲しくさせる、魅力とマーケティングがその時代の牽引力になっていた思う

無線機であれカメラであれ欲しいモノは欲しかった、魅力がある製品が沢山あった良き時代であった

PICクラブの情報交換会に出席

先日、PICのオーソリティ後閑氏が主催している、PICクラブの情報交換会に出席してきた
USのMicroChip社からの情報が色々と聞くことが出来て、非常に有意義な会である

今回は主催の後閑氏から、クラウドを使ったIoTシステムの試作例の紹介があった
3ヶ月に一度の情報交換会であるが、MicroChip社の動向や情報を色々と教えて頂けるので非常に勉強になる

その他メンバーによる作品紹介があって、会員の方々のユニークな作品を拝見させて頂ける
作者がプレゼンするため、開発の苦労話が聞けて、これもためになる

今回は数人の方が、プリント基板を頒布してくれたので、有り難く頂いて来たのであった
素晴らしいのは、ご自分でハターン設計を行いCADデータを作成し、ガーバーデータを基板屋さんに出していることである
そうすることで、基板作成の費用を下げることが可能になるのであるが、皆様素晴らし過ぎます

私は、アートワークはやって貰った基板しか作ったことが無いので、ご自分で回路からアートワークを起こせる人は本当に凄いと思う

ましてや、マイクロコントローラに載せるソフトウェアまで作っているのだから恐れ入るのである

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<実装密度の高い基板まで、ご自分でアートワーク設計されているのが凄い>

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<こちらはメロディータイマ ファームは別途ダウンロード可能 完成度は高い>

私も精進に励みたいと思う

 

 

古い資料その2 広告編

前回の1969年発行の‘SSBハンドブック’ の今回はメジャーな広告を拾ってみた
1969年なので、私はまだ物心の付いた位の小児であった

なので、私はその頃のアマチュア無線なぞ知るよしもなかった
居間に置いてあった真空管式の白黒テレビで’おかあさんといっしょ’を観てた頃である

さて古い広告であるが、最初はTS-510とTX(JR)-310の広告である

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<TS-510と310ラインの広告 >

年次統計データによると当時の大卒初任給が34,100円との事の事なので、TS-510Xの価格は78,000円で初任給の2倍以上である
現在の価格にすると、40万円位となろうか
やっぱり、当時は高級品で垂涎のマシンであったと思う
TX(JR)-599のセバレート機は、送受信機セットで154,300円であり、大卒初任給換算で現在価格で90万位である
現在のTS-990と並ぶ超高級機である

次にFT-400Sであるが価格は89,000円となっており、大卒初任給換算で現在価格で50万位であろうか
流石に’趣味の王様’と言われるだけあって高価な商品であった

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<FT-400Sの広告>

この‘SSBハンドブック’ の記事の中で、世界著名SSB機紹介の記事がありコリンズやドレークがハリクラ等が紹介されている
当時は舶来物の高級品であったであろう、この高級機達はそれこそ夢のマシンだったのであろう

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<掲載記事 世界著名SSB機紹介>

これらモノが中古ではあるが、現実的な価格で入手出来る現在はとてもありがたい事とおもう

手持ちのビンテージマシンはこれからも大切に使い続けたい

新スプリアス規格対応の動き

JARD 日本アマチュア無線振興協会から、新たな動きが公表された
「JARDからのお知らせ」として2月5日に上協会のHPに文書が掲載されている
まずは、各自内容を確認して欲しい

概要のポイントは以下の2点と思われる
1. 旧スプリアス規格の機械について実態調査を開始する件
2. 総務省において、アマチュア局独自の保証認定を活用した、より簡便な方法の追加が検討中であること

上記の実態調査に協力をした場合、送付したリグの測定結果が返送される
この測定結果が基準を満たしていれば、強度確認届出書として使用出来る
その費用は、なんと無料である (当然実態調査中だけと思われる)

2/13現在、調査機器を募集中であるが、調査申し込みを締めきっている機種もあるので、早めに..(まずはハンデイ機とモービル機とのこと)
ちなみに我が家のTM-455Sを調査提供使用と思ったが、もう募集終了であった(メジャーの機種は募集終了の可能性が高い)
内容はホームページを確認をお願いしたい

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<調査機器として締め切られていた TM-455S 残念…>

 

実態調査でサンプル数が揃えば保証認定作業もかなり効率化されると思う、また’製造業者等が測定したデータの活用’に該当するのではと勝手な期待をしている、但しJARL認定機初期のビンテージリグには無縁かも知れないのであるが….

アマチュア局独自の保証認定を活用した簡便な方法がとても気になる
規格の解釈と保証認定については、かなり現実的な路線になりそうな予感がする
この後も、きちんとウォッチをして行きたいと思う

やっと具体的な動きが感じられた感じがする

 

PICkit用ISCP書込アダプタとPICライタの比較

PICを使って、何かを行う場合は使用するPICにプログラムを書き込む必要がある
そのプログラムの書込に使用するのが、ISCP書込アダプタPICライタである

PICを使用する基板自体が、ISCP(In Circuit Serial Programming)に対応していれば、その基板にPICKitを接続れば書込出来るので、アダプタやライタは必要無い
これから基板を設計する場合はISCP対応で設計を行うべきと思う
(デバッグもICEライクで出来る)

まずはISCP書込アダプタであるが、書き込むPICの種類が一種類に限定している場合は、全く問題無く快適に利用出来る

このアダプタは、ISCPの配線をジャンパー接続が必要になるので、ピン数が異なるPICを書き込む際には、ジャンパー配線が都度必要になる
従って数種類のPICを定常的に使う場合は、ジャンパー配線済みのISCP書込アダプタを複数用意した方が、間違いが少ない
都度、ジャンパー接続を行うのは結構たいへんだったりするのであった
PICkitを使用するので、MPLABから直接書込出来るのは便利である

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<ISCP書込アダプタ ジャンパー線の変更が少し面倒ではある>

 

次に定番だったPICライタであるが、これはPIC毎のジャンパー配線は必要無く、使い勝手は良い
MPLABから直接書込出来ると良いのであるが、専用のライタソフトでの書込である
従って、ソフト開発時の頻繁に書き換えが発生する場合は、煩わしい
対応していないデバイスもあるので、使用する前には確認が必要である

それぞれ一長一短であるが冒頭で書いた様に、これから基板を設計する場合はISCP対応すべきであろう
デバッグ時のプログラムの書き換えは、効率的でプログラマの手順が少ない方が良い

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<定番だった PICライタ 使い勝手は良い>

SANWA CP-7D

このテスターは長い付き合いである
驚く事は、このCP-7Dは未だに現行機種だったりする 30年以上の超ロングセラーである

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<数十年来のお付き合いの CP-7D>

普段はディスクトップのDMMを使用しているのであるが、信号の変化等はアナログ針で見た方が確認しようと思い暫くは使っていなかったのであるがAF段のオーディオ出力信号を確認するために引きずり出して来たが、どのレンジでも動作しないのであった  (泣)

仕方無いので、まずは分解したみた

まずは、保護ヒューズの確認とメータ自体の導通である、共に問題無しであった

仕方無しに接点を外してみると、やっぱり接点がホルダーから外れている

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<接着が外れている、ホルダと接点>
とりあえず、プラのホルダーと接点をエポキシで接着してみる
完全に乾くまでの数時間はじっと我慢である

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<とりあえずエポキシで固めてみた接点>

今となってはDMMが主流となったテスタであるが、やっぱりアナログテスターも良い
このCP-7Dは、AC10Vレンジで600Ω出力の低周波レベルを測定出来る
1mW=0dBで表示されるので、オーディオ出力の確認に便利である

修復がイマイチだった場合は同機種に買い換えるか、上位機種に買い換えるか悩み所である

2016/02/10 追記

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<ホルダーを再度取り付けた所>

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<DC 6Vを測ってみた 取り敢えずは良さ気である>

 

こだわりガジェット

1994年に発売された、モバイルPCである
これは、PC-XT互換のDOS-PCであり、単3アリカリ電池で20時間位動作した
大きさは、いわゆるポケコンなのであるが、DOSマシンをポケットサイズにしたものである

この後暫くすると、Windows95を搭載したモバイル機が登場するのたが、今になってもこの200LXの方がまともに使えるのであった

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<HP-200LX>

当時は、PCMCIAのモデムカードと出たばかりのデジタル携帯電話で、メール端末として非常に役立った
偶々会社でcc:MAILサーバを導入していた時期であったので、出張には欠かせないグッズであった
搭載メモリが少ないので、多少無理が有ったが空港のロビーで、緊急のFAXを受信したこともあった

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<標準アプリで、ロータス123,cc:MAIL等が付いていた>

ポイントは単3電池で動くので、バッテリ切れになっても何とかなるのが強みであった
当時のモバイルPCは2時間程度しか電池が持たなかった
サードパーティ製の日本語化キットが発売されていて、一通り日本語での使用は出来た

この機械の凄いのは標準装備の電卓機能である
HP-200LXの電卓を使ってしまうと他の電卓は使えなくなってしまう
Solver機能で計算式を登録しておくと、求めたいパラメータ値以外を入力することで一発で計算してくれる
今のEXCELよりも、一個だけの計算ならこの電卓の方が便利である
それは、電源を入れるだけで動くからである

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<電卓内のアブリ選択 金融電卓は未だに訳がわからない事がある…>

未だに、この機械を使っているのは替わりなる機械がないからであった
この機械が発売されてから20年以上の時間が経っており、メール等々の機能はケータイやスマホの方が便利である
しかし、この電卓だけは代替が無いののが困り者である 操作を覚えるまでが大変であるが、操作の規則性を覚えてしまうと他が使えなくなるであった

ちなみに、このHP-200LXであるが当時のDOS版HAM-LOGが動作していた
移動運用の時は、コレを使ってログを取っていた
(但し、字が小さすぎて今は見えない…)

モノ持ちだけは異様に良いのであった

デュプレクサの特性を測ってみた

ずっと前にジャンクで購入した145MHz・430MHzのデュプレクサである
偶々、そこら辺に転がっていたのでアイソレーションを測ってみた

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<デュプレクサ CF-4160無印>

我が家みたいに、145MHz機と430MHz機が別々の機械を使ってデュアルバンドのアンテナを使う場合は必要になるアクセサリである
このデュプレクサはアンテナ端子がM型メスケーブルが付いた、昔のモービル機を意識して作られたモノであろう
固定機で使うには、延長ケーブルが必要となるので使いづらい
だから、破格の値段だったのであろう

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<蓋を外した CF-4160>
そうは言っても、実際の特性を測ってみる事にした
実際の挿入損失は430MHzで約1dB程度、145MHzで0.5dB程度あった
十分な性能である

145MHzを430MHz帯のポートに入力した時・その逆のアイソレーション(分離)特性はざっくりと50dB程度であった
2つのポート間のアイソレーション(分離)特性もざっくりと50dBであり、十分な分離特性である

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<2つのポート間のアイソレーションを測ってみる>

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<入力が-10dBなのでアイソレーションは約50dB>

今回はお手軽に145MHzと430MHzの決め打ち周波数で測ってみたので、上下についての特性も時間が有った時でも調べてみたい

とりあえずは、その辺に転がっていたデュプレクサも十分に使えそうな事は判明したのであった

古い資料その1

この資料は、1969年発行の‘SSBハンドブック’である
その頃のSSB機の製作記事等を纏めたものであるが、とても勉強になる

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<CQ出版 1969年発行 SSBハンドブック>

当時はAMからSSBへの移行期と思われ、自作機でSSBへの以降をチャレンジされた諸先輩方の知見を勉強するにはとても良い資料である
無線工学A等の教科書にも解説はされているが、理論だけでは無く実際の回路実装などの工夫が素晴らしい
この当時は、大学の研究室や大手メーカでないとシンクロスコープやSG等の測定器は使える人は少なかったと思うが、諸先輩方は色々な工夫とノウハウでモノにしていたと思う

又、今更ながら勉強となるのはSSB信号の電力測定であった
一定のAF信号をマイクコネクタから入力し、その出力を測れば飽和電力は測定出来る
この場合は結局CW出力を測る事と同じではある
AF信号発生器の替わりに、口笛で代用出来ますとの記述があったりするが、私の口笛は技量不足である

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<SSBの電力測定解説記事>

実装の尖頭電力の測り方やその意味の解説があり、尖頭電力とALCの関係などの解説もされている
この辺りの解説資料は、今では殆ど見かけることは無い

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<2トーン波形の解説記事>

普段のオペレーションでは何も考える必要は無く快適に操作が出来る様になっている
けれど、たまには原点について考えて見るのも楽しいと思う
その時に役立つのは、諸先輩の知見であり、古い書籍だったりする