12F509 を弄って遊んでみた

今年最後のお遊びである
一個50円で入手出来る8pinのマイクロコントローラチップである

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<@50円のチップ、コストパフォーマンス抜群である>

この12F509はプログラムエリアがフラッシュメモリ1024wordの容量である
メモリは41byteで、5つの入出力ポートと1つ入力専用ポートで計6ポートである
その中の3ポートを内部プルアップする事が出来るので、この手の変換には向いている

マイクロチップ社ではベースラインと位置づけれる、1命令12bitのCPUコアである
初めてベースラインのプラグラムをしてみたのであったが
以外と手強いのである….

普段使っているのは、ミッドレンジと呼ばれる1命令14bitのCPUコアなのであるが、微妙に色んな所が違うのであった
ポートの入出力設定のやり方や、メモリのマッピング等々詳細が違っている
大きな点は、ハードウェアスタックが2つしか無いので、2つ以上のネストは出来ないのと、割込みが無いのは承知であったが、微妙な所で時間が掛かってしまった

まぁ、そうは言っても@50円は魅力的である
約4MHzの内蔵RCクロックもあり、簡単な制御であれば最適のコントローラであろう (慣れないとプログラムが面倒であるが)
今回の工作は、BCDスイッチ入力を16段階でPWM出力する、PWMコンバータである
0-Fの入力で16段階でのPWM出力をするプログラムである

PWMなら12F683等のチップを使った方が効率的であるが、16段階なので手作りのソフトウェアPWMにしてみた、今回の内容はBCDスイッチの数値に合わせてPWMを出力するだけの制御である

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<でっち上げた、PWM評価ボード>

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<とりあえずは、BCDスイッチとデューティは同期OKである>

初めてのベースラインチップでのプログラムは慣れないことも有って、思った以上に時間が掛かってしまったが、とりあえずは動くモノは出来たので、ヨシとしよう

さらりと遊ぶ筈が、今年最後の嵌まりゴトになってしまったのであった

C701 いまだに現役の尖兵

トライバントハンディ機のC701である
この機械もその昔、新品で購入した数少ない機械の一つである

C701は144MHz、430MHz、1.2GHzの3バントを対応し、電源は単3電池2本で動作する
出力は低く144MHzと430MHzで0.28W,1.2GHzで0.1Wとなっているが、近隣での連絡用には十分である

この機械はローカル局との移動運用時は必ず持参している
場所も取らないし、何しろ手軽である
一番の利点は、単3電池2本で使える汎用性である
普段から使っているなら別であるが、偶にしか使わないハンディー機こそ乾電池が使えるメリットが大きい只、電池を入れてあると微弱なスタンバイ電力を消費するので、液漏れには十分に注意が必要である
私は、ニッケル水素電池で使っており、3ヶ月に一度の充電で快適に利用している

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<C701の電池ボックス>

C701の発売は、携帯電話の普及が一気に広まり出した頃である
その頃は、アナログレピータも数多くあり、特に1.2GHzのレピータは多かった
で、C701は特定レピータの待受に使用したものである
ローカルレピータが使える範囲だと携帯電話なみに、利便性は良かった

当時は出張が多かったので、鞄に潜ませて空港の待合時間にエアバンドを聴くのも楽しみの一つであった

この機械は、高地で遊ぶと色々と楽しめる
アンテナを少し工夫するだけで0.28Wでも十分に遊べる
又、出力自体が少ないので、アッテネータも入れやすく、1mWとか100μWとかのQRPで遊ぶ事も出来る
QRPベースの機械としてはとても便利である

現在でも、ちょっとした無線機の確認にはとても便利である
机の上に1台C701はとても便利な尖兵である

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<C701 現在に於いても便利な一台である>

 

FT-817NDを2年ほど使った感想

我が家ではとても珍しい新品購入機である
この機械は2年半ほど前に購入し、運用頻度は散発的であるが感想を書いてみたい

購入動機は単純で、5Wながら1.8MHz~430MHzまで一台で遊べるからであった
そして出張時に、密かにバッグに入れて出張先で遊べたらと言う下心もあったのである
出張時の密かな妄想は、出張時は夜まで色々と予定が入ってしまうことと、アンテナ等々の荷物を持ち運ぶのは中々厳しいので、結局叶っていない

まずは全体の操作感であるが、ツマミと押しボタン全体が小さいので、操作は固定機同様ではない
また、表示が小さいのでモービル専用機としても厳しいかも知れない(視力が良い人は別である)
機能自体は現代機であるので豊富である
そのアクセスが、ボタンとサブダイアルの組合せが多いので、暫く使っていないと忘れる事が多い
特に、リアのMコネクタとフロントのBNCの切替えは、私の場合結構使うので、この点が面倒ではある

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<FT-817ND 430MHz動作>

内蔵電池であるが、ニッケル水素の電池パック1400mAが付属している
この電池の充電についても、メニーでボタンとサブダイアルの操作が必要となる
単3×8本での乾電池の使用も出来るが、私みたいに偶にしか使用しない人は運用後、電池パックを外して置くのが良いと思う
内蔵電池での運用は以外と直ぐに電池切れとなるので予備電池の持参が必要と思う

13.8Vの電源で5Wの出力となる、私は後面のDCジャックにシガープラグを接続して使用している
電流は430MHzFM 5Wで2A程度である

モービル専用機としては、表示が小さいため少し厳しいかも知れない
しかし、一時的なクルマでの運用は手軽で快適である (停車時運用)
出来れば、小さめなマイクだと更によかったかも知れない、またスピーカマイクの方が便利そうである
電流量も少ないのでシガープラグでも十分に使えるし、モービルアンテナに繋げれば十分に実用になる
但し、HF帯のローバンド特に3.5MHz帯で5W+モービルアンテナでは苦しいと思う

固定運用では、全体がコンパクトであるので各ボタンとノブの間隔狭いが、慣れれば問題ない
音質は少し固めの音であり了解度は良い
出力が5Wなのは仕方ないがフルサイズのアンテナが使える環境だと、思いの外飛ぶのでびっくりである
やっぱり、ロケーションとアンテナの力は大きい

FT-817NDは使ってみると、コンパクトな筐体での可搬性が一番大きなメリットではないだろうか
U/Vでの5Wは以外と使えるし、アンテナが良ければHF帯でも遊べる
アイディア次第で色々と楽しめる機械だと思う

私は普段はダミーロードを付けて、簡易の信号発生器と送信モニタ機として使うことが多い

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<ダミーロード付き FT817NDは色々と便利>

標準ケーブルを購入してみた

偶々、秋葉原に用事が有ったので、ふらっと計測器ランドさんに寄ってみたのであった
何気に店内を見ていた所、中古品でcandoxのケーブルが目についた
スペックは、標準周波数特性DC~30GHz 、標準減衰量0.40dB/m(@1GHz)とのことである
お店の人に聞いたら、当店では測定も出来ないし、スペックの保証も出来ません
それで良かったら、どうぞとのことだったので、購入してみた

(相変わらずチャレンジャーである)

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<Cadox 5b-045 >

長さが1.5mなので、0.4×1.5で1GHzの減衰量は-0.6dBとの単純計算となり、2GHzの時に約0.5dB/mなので0.5×1.5で減衰量は-0.75dBとの単純計算である

実際にSSGとスペアナで測ってみたのである
1GHz時は約0.5dB、1.8GHz時は0.7dBとスペック通りである
但し、スペアナとSSGの測定誤差は共に1dBなので、正直誤差の範囲内である
ちなみに、そこら辺に転がっていた1mのRG-58A/UのBNC端子付きだと1.8GHzで-2.5dBであった
(比べては行けないが….)

5b-045

<特性図>

標準ケーブルは前から購入したいと思っていたのであるが、測定データ付きは目玉が飛び出る程高価なのである
本来であれば、基準となるケーブルであるため測定データ付きを購入するのが筋であるが、趣味と言うことで、データ無しの中古品で我慢である

信頼出来る標準ケーブルと測定するケーブルやコネクタ類を比較することで、ある程度の測定値が把握出来る
較正済のトラジェネ付きスペアナが使える方は、あまり使う事は無いと思うが、贅沢を言えない我が家では必須のアイテムである

コネクタはN端子であるが、コネクタ自体の作りの精密感が高い
我が家で1GHz以上の電波を出せる機械は、無線LANと1.2GHzのハンディ機位であり、殆どこの辺りは弄ることは無い
しかし、ケーブルの特性など知っておきたいことを測れるので便利である

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<コネクタ部分>

 

TS-700GⅡでの運用報告

一通りの整備が終了し、TS-700GⅡにて運用をしてみた
そもそも、TS-700GⅡは1975年の発売で、現在(2015年)から40年前の機械である
当時は開局して2mバンドからQRVする局が多く、2mバンドはメインストリートであった
多くの屋根の上にも、2mのスタックアンテナが上がっていた記憶がある
当時の私のイメージは、スタックアンテナにTS-700と言う組合せが、2m高級局って感じであった
なにせ、SSBも出れるオールモード機である 当時としては高級感抜群であった

当時はモービル機に2段GPの組合せでQRVしている局が多かったと記憶している
私も近くOMから譲ってもらった12チャンネルのモービル機と1/4λホイップが開局時の設備である

さて当時の記憶をもとに、TS-700GⅡを現代で運用してみた

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<懐かしのTS-700GⅡ >

FMでの運用であるが、メインチャンネルワッチは特に問題はない
以前に書いたが、FMの運用は144MHz帯と145MHz帯を跨いでいるため、例えば144.96MHzから145.08MHzへの移動が大変面倒である
現代の機械であれば周波数ツマミを6ステップを回せば済むことであるが、VFO機の場合はバンドを144MHzから145MHzに切り替えて、VFOを0.96MHz~0.08MHzまで、ほぼ端から端まで回転させる必要がある
バンド内のワッチも面倒と言えば面倒である、それ以外は時に問題無く交信出来る

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<144,145MHzは切替が必要である>

受信音は中低域が太い独特の音質である、この機械はの場合は内蔵スピーカでも十分な音質である
感度は現代の機械と比べると若干低いが、それもシビアの条件以外では問題は無い範囲である

固定チャンネルの増設については、VFOの周波数を水晶発振子で代替する方式である
従って水晶で対応出来るのは144.00MHz~146.00MHzの範囲であり、PLL機みたいなバンド外の対応は、TS-700では出来ない

呼出周波数の水晶は有っても良いと思うので、手頃に入手出来れば欲しい一品である
(特注してまで必要なモノではない)

SSBの交信についての操作性については、現代の機械と差異は無い
TS-700の場合はVFOの操作感が若干ゴリコリ感があるが、私はメカ感が有って良い感じと思う
ギア比の問題があって、SSBのゼロインは若干シビアではある
SSBの音質は、ニュートラルな感じである
感度については、FM同様現代機と比較すると若干低いので、シビアな運用は現代機を使用するべきであろう

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<メカ感のある、VFOの操作感覚>

 

FT-101Eを使ってみて思うこと

のHF帯でのメイン送信機は件のFT-101Eである
普段使用して思ったことを書いてみたい

1.受信音質
当然受信は電源ONで即座に受信出来る、内蔵スピーカはキャビネットの上側に取り付けられており、このスピーカでの受信音はあまり良くない (中音が強調された感じ、またビビリ音もする)
大きめの外付けのスピーカを使うと、比較的良い感じではある
S/Nは悪くは無い、内蔵アッテネータとRFゲインを活用することで、忠実度は向上出来る
また、周波数構成が単純なビンテージ機であるため、シャーといった受信ノイズが少なく、BGM代わりに聞いていても疲れない

AM受信については2.4KHzのSSBフィルタ共通での受信であり、帯域が狭くその分音質は良くない
昔は11mバンドをこの機械で使用した人が多かったと思うが、CWフィルタの代わりに6Kフィルターを取付て、本体を改造して使っていたのでは思う
聞きづらい点を我慢すれば、使えないことはない

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<最初から11mバンドが用意されている 水晶を入れるとQRV出来るのは凄い>

2.混信特性等
現代の機械と違って、IFシフトや帯域切替えなどの機能はない
フィルターは一般的な帯域の2.4kHzであり、3KHz間隔であれば問題無いが、休日の7MHzなど混んでいる時は正直厳しい
コンテストやQRMが酷い時は現代の機械を使う方が、精神衛生上良いと思う
きちんとしたプリセレクタが搭載されているので、バンド外からのの混信除去は問題無いレベルと思う

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<現代からすると必要最低限の機能であるが、シビアな条件外だと今でも十分>

3.操作性
VFOの回転方向が現代の機械とは逆方向の回転となる
慣れれば問題無いが、普段使用している機械と逆方向になるので違和感はあると思う

基本的な機能しか搭載されていないので、VFOの回転方向以外に違和感は無い
但し、各バンドごとでのファイル調整とVFOの校正は、ビンテージマシンを使用する際の約束事である
特にファイル調整をサボって離調状態で電波を出すと、高価な6JS6Cを痛めることになるので注意

マイク端子は50KΩの高インピーダンスである、現在の600Ωのマイクは使えないことはないが、インピーダンス変換をしないとマイクゲインと音質が劣化する

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<標準マイクである>

4.QRH
電源投入後30分もすれば受信時は殆どQRHは無い
送信時に熱がこもると若干のQRHが発生する、ヘビーデューティな使用についてはQRHを把握する必要がある

5.送信
LOWバンドの方がパワーが出る、3.5MHz辺りでのんびり夜のQSOをするのが良いと思っている
パイルでない限り21MHzや14Mhzでも十分に使えるし、調整がとれていれば28MHzでも使えないことはない
しかし28MHzで少し使うと熱ダレでパワーが80W以下に下がるので、この機械ではあんまり無茶はさせない様にしている
送信音質は低中域が太い感じである(YD-844の特性かも知れない)

負荷とのは整合範囲は比較的広いので、LOADとPLATEのファイナル調整で結構遊べるが、伝送線路が50Ω系の場合は注意が必要である
送信の前に、100Wを吸収出来るダミロードを用いてファイナル調整後に、電波を出す機械である
この機械を使う場合は、100Wダミロードは必須である

6.その他
入手する場合、リアパネルの11PINのプラグが欠品していることが多い、このプラグが無いと終段管のヒータが通電しないので送信出来ない、更にこのプラグの入手は難しいのである (但しショート線を作れば問題なし)
又電源プラグも欠品の可能性あるので注意してほしい

メンテナンスについては取扱説明書を熟読した上で検討すべきである、メンテナンス本を参照して安易に弄るべき機械ではない
取扱説明書に回路の説明と調整箇所の解説がされており、調整箇所の意味を知った上で行ってほしい
なお、英文であるがネットでServiceManualをダウンロードして確認することも有用である
ビンテージマシンとは言え、メンテナンスには最低限の設備とノウハウは必要である

標準信号発生器 Anritsu MG3602A

標準信号発生器である

オークションで入手して以来、色々と試していたのであるが、今回の購入は成功との報告である

まずは、Anritsu MG3602A 定格の概要
周波数レンジ 0.1MHz~2080MHz
周波数分解能 10Hz  (1040MHz以上20Hz)
出力レンジ -133dBm ~13dBm  (1040MHz以上 -133dBm~7dBm)
出力レベル精度 ±1dB(1040MHz以上 ±1.5dB) *-10dBm以上の時

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<Anritsu MG3602A 全面>

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<Anritsu MG3602A 後面>

以下は実際に使用した感想である
周波数の設定 10キーかダイアルで設定が出来る、この辺りの操作感は問題無し
出力レベル設定 10キーかダイアルで設定が出来る、dBm⇔dBμ⇔μVの変換も操作性は良い

変調設定 変調モードはキーで選択、AM変調率とFMデビエーションは左右キーにて設定するが、解りやすく操作出来る

出力レベル電圧表示時のEMFとPDの切替えについては、マニュアルで確認して特に問題なく切換えることが出来た (慣れると簡単だが、これはマニュアル見ないと解らない)、特にアッテネータ関係の点は心配していたが、一通り動作させてみたが問題点は無く、-133dBm付近でも漏れ等は観測出来なかった

実際に出力をスペアナで確認してみた
スペアナ自体も入力電力の測定誤差が±1dBなので±2dBは誤差として考える必要があるが、スペアナでのレベル確認は問題無しであった
(古いスペアナなのでMAX 1.8GHz)

出力周波数についても問題無しである
通電4時間後1GHzで-700Hz程度である、周波数カウンタ自体の基準信号誤差を考えると問題はない

AM変調波形は、オシロスコープで確認したがとても綺麗である
キャリア出力で-50dB程度の高調波が確認出来たが、これも問題無いレベルである

更に、この標準信号発生器は出力端子に過大に入力を検知すると、プロテクトション機能が働くのである
前日、TS-700を弄っている時にCENTERスイッチとSENDスイッチを誤ってしまった際にも、
プロテクトション機能が動作し事無きを得た
有り難い機能である

この手の、測定器についてはオークションで入手するのに少し勇気が必要であるが
今回はとても良いモノを入手出来たのであった

大切に使って行きたいと思う

気になる機械その2

気になる機械の二つ目は、八重洲無線株式会社さんのFTM-10Sである
この機械は、バイクモービル向けである
私も多少バイクには乗るので、非常に興味がある

バイクで複数人と遊ぶと、他のバイクとの意思疎通が課題となる
Bluetoothのインカム通信で、試してみたが数十m位が限界である
これだと、少し離れると通信不能でバイク間での通信には、厳しいのであった

特小でも良いのだが、インカムとの取付けが面倒である
只これもアンテナは本体固定であり、出力が10mWなので見通し1Km位までしか通信出来ない

そこで、FTM-10Sである
本体及びフロントパネルは防水であり、Bluetoothに対応しているので、インカム接続も楽である
良く考えられている点は、外部入力とAM・FMのレシーバ機能の搭載されている点である
とりあえずは、この一台でバイクでのオーディオ環境を作ることが出来る

ftm_10_2

<145MHz帯10W,430MHz帯7Wと出力も十分である>

img07

<バイクにピッタリビルトイン>

問題が一点だけ
それは、アマチュア免許を持っているバイク仲間がいない事である
一人だけこれを付けて、バイクモービルでCQを出のも良いが、バイクでは厳しいような気がする
やっぱり、仲間で遊ぶのが良さそうである

当然この機械をバイクに取付けての交信内容は、峠を挟んだ地形での伝搬特性の確認や、短いアンテナでの伝搬特性の確認などのアマチュア業務になるであろう (本当か?)
コールも言わずに、「皆さぁん次の集合場所は○○の道の駅ですよぉ♪」等々は、色々と物議を醸し出すと思う

個人的には、通信内容に制限が無いデシタル簡易無線でこんな機械が出てくれれば良いと思っている
ツーリング中に、「○○局メリット5、峠の影でメリット3まで低下、こちらはJ○1☓△□」なんて、無粋だと思う

新スプリアス規定の技術的概要

前回に続き、今回はアマチュア局の新旧スプリアス規定の技術要件の概要について書いてみた
詳細は個々に総務省資料を確認して下さい

1. スプリアス発射の定義

必要周波数帯外における一又は二以上の周波数の電波の発射であつて、そのレベルを情報の伝送に影響を与えないで低減することができるものをいい、高調波発射、低調波発射、寄生発射及び相互変調を含み、帯域外発射を含まないものとする。

なんのこっちゃ..?? なのであるが早い話’ 帯域外発射’を含まない周波数成分のことである

2.帯域外発射とは

必要周波数帯に近接する周波数の電波の発射で情報の伝送のための変調の過程において生ずるものをいう。

これは例えばSSBの帯域幅は3KHz(電波法では6KHz)でなので、その帯域外に放射される周波数成分のことである
具体的に7.1MHzの場合7.097MHz~7.103MHzが電波法として帯域とされる、それ以外の近接に発生する周波数成分のことである

3.旧スブリアス規定の規制概要

・30MHz以下
50mW以下で平均電力の40dB低い値 (電力の1万分の1 *100Wの場合10mW)

・50MHz以上440MHz以下
1mW以下で平均電力の60dB低い値(電力の100万分の1 *100Wの場合100μW)

・1.2GHzを超えるもの
平均電力が10ワット以下の送信設備は、100μW以下
・アマチュア局では帯域外発射の規定が無い

スブリアス規定改正

<総務省の資料抜粋 帯域外発射について記載>

–新スプリアス規定の概要–

1.帯域外発射を定義し、この帯域での規制が追加された
帯域外領域を帯域幅の±2.5倍の幅として、その領域への不要輻射を規制

上記の7.1MHzのLSBの場合、7.9925MHz~7.1075MHzまでが帯域外領域となり、その帯域への放射が規制される (スプラッタはダメですよ)

2.測定時の変調状態が規定され、変調状態で測定される

今までは測定時の変調の規定は無かったが、新スプリアス規定では変調時の不要輻射が規定されているので、実使用状態での高調波はNGとなる

この部分がフォーカスされて、旧規格品は使えないとされる事が多いが、冷静な判断が必要なのではないだろうか?

3.不要輻射電力改定

a. 30MHz以下
43+10 log (PEP)又は50dB以下いずれか小さい減衰量
(100Wの場合43+20=63dB  = 50μW) 旧規定の1/200となる

b.上記以外
43+10 log (P)又は70dBcのいずれか小さい減衰量。
(100Wの場合43+20=63dB  = 50μW)だが、70dBcの方が小さいので 10μW) 旧規定の1/10となる

4.測定ポイント
アンテナの入力部分と定義 不要輻射対策についてはバンドパスフィルタ等での対策が可能となる

5.測定の周波数範囲

a.下限周波数 300MHzまでの場合は測定下限周波数は9KHz、300MHz以上は測定下限周波数は30MHz

b.上限周波数 100MHzまでの場合は1GHz,100以上300MHz未満は10倍、300以上600MHz未満は3GHz、600以上5.2GHz未満は5倍となる

HF機であっても9KHz~1GHzまでは測定が必要となり、430MHz機は3GHzまでの測定が必要となることである

6.新スプリアスの対応ポイント

・帯域外領域への対策について

帯域外領域は無変調での測定となる、周波数ミキサーの周波数設計がきちんしていれば問題なのではないかと思われる

・不要輻射電力改正への対応

スプリアスも旧規格より厳しい値となっている 30MHz以下で-23dB(1/200)となり、それ以外で-10dB(1/10)となる
帯域外領域以外の対応についてはアンテナ入力部分での測定なので、フィルターでの対策は可能と思われる

測定は1年未満に校正されたスペアナが必要であり、U/V機の場合は3GHz対応のスペアナが必要となる
この部分はアマチュア局が自分で測定した場合にどの様に適応になるのかは不明、何らかの測定結果を元に保証認定か?

いずれにせよ技術的な概要は理解が必要であり、技術要件から客観的に対策を検討すべきかと思うのである

単なる予想だが暫くすると各バンドのバンドパスフィルタが沢山発売されて、最初のリグの買換え騒ぎに続く対策需要喚起が始まる可能性もある

慌てず騒がずに、2017年11月30日までに今のビンテージマシンを追加申請すれば、5年間は使えるのである

2016/01/23 一部修正

2017/03/12 一部修正

 

気になる機械その1

アルインコさんの、デジタル変調ユニットである

4_EJ-47U_01

<デジタル音声変調用ユニット EJ-47U>

この基板はアルインコさんのトランシーバーに組み込むことで、デジタルの復変調が出来るオプションユニット
何故に気になるかというと、このユニットを入れたトランシーバー同士のみ交信が出来る点で、変調方式はGMSKと呼ばれるデジタル変調方式である

元々MSKと呼ばるデジタル変調方式は、占有帯域を狭くするために周波数変調でのシフト量を少なくするために考案された方式であり、その成り立ちは古い
その後、高調波成分を効率的に落とすフィルターと、信号変化のシフト時の周波数変位をゆっくりと変位させるる事で、帯域を狭めた方法がGMSKだそうである

GMSK変調での通信実験用に、オプションで販売されているのである

その昔、パソコン通信で使用したモデムが、QAMと呼ばれる位相差と振幅差を組合わせたものだった
位相と振幅の組み合わせで、16値・64値・256値等の種類があったが、組合せ値が上がると変調速度は上がるが、高品質な回線が要求された
パケット通信もQAMであった

デジタルでの通信の場合、相手先が同じ方式でないと通信出来ない
このユニットを付けると、通信相手が特定出来る素晴らしいユニットである

当然、総合通信局ではこの変調のモニタはしていると思うので、これを使っての違法行為は当然出来ない
けれど、これを使った交信をモニタ出来るアマ局は限られるはずである

これはこれでニッチマーケットをきちん意識している、アルインコさんのマーケティングは素晴らしいと思う

お空で熱弁をふるう相手がいれば、私も個人的に2セット欲しくなってくるのである

ちなみに、自作でのデジタル変調は、現在免許がかなり厳しいらしい
昔に自作デジタル変調を色々と妄想したのであるが、その辺りの価値を追求するとケータイの方が遥かに便利である

逆に、JT65などの低変調速度で到達距離を伸ばす技術の方が、アマチュアのデジタル技術としては面白いし健全だとは思う

JT65は素晴らしいです