方向性結合器を使ってみる

方向性結合器を無線機のオペレーションで使う事は殆ど無い
(少なくとも私は)

しかし高周波回路を測定する場合は、便利なグッズの一つである

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<この機種は結合端子の一つが正確な50Ωで終端されているタイプ >
方向性結合器は、この写真の機種を例にすると以下の通りである

1.矢印の方向に高周波信号を通した場合、この方結は-10dBの端子に1/10の電力が出力される

IMGP6213

<ダミーロードの逆の端子から電力を入れると10dBの端子に1/10の電力が出力される>
この機能は10dBのアッテネータ替わりに使うことが出来るが、方向性結合器自体の許容電力によるので注意が必要である
この方向性結合器は1W程度と考えられる

2.逆方向に高周波信号を通した場合、出力の反射に比例した電力が-10dBの端子に出力される

IMGP6214

 

この機能はとても大切である

写真のダミーロードの替わりにアンテナ等を接続するとある程度正確なリターンロスが測定出来る
ある程度と言うのは、方向性結合器自体のアイソレーション値以下の数値しか測定出来ないことである

この方向性結合器は1.2GHz用であるが1.2GHzで33db,430MHzで27dB,144MHzで25dB,50MHzで25dBの方向性あった
この方向性結合器では1.2GHzでVSWRが1.05の測定が限界であり、50MHzだとVSWRは1.12程度が測定限界となるのである

(VSWR1.1付近まで測れれば十分であろう、私の場合50MHz以上のアンテナはこの方向性結合器で測定してある)

アイソレーション値が40dB程度の方向性結合器を使用すれば、理論上1.02程度まで測定出来る事になり、もっと精密な測定を行う場合はネットワークアナライザを使用することになる

市販のアマチュア用VSWR計で測る場合は、正確なVSWRの測定については構造上無理が生じる
構造上の無理とは、反射電力が少ない時の指針が甘くなりがちであることである、VSWRが1.0~1.2位の指針はハッピーメータであることが多い

(その付近のVSWR値にはこだわらない方が良いと思うのであるがいかがだろうか?)