直読型周波数カウンタ の プリント基板 届く

件の周波数カウンタである
自分用にDRAKE R-4AとFT-101EでのQRV用に作成したのであったが、仲間にこの製作の話をすると ’じゃあ一枚作ってよ’ と製作を依頼されることがある

とりあえずユニバーサル基板に手配線で作成して、でっち上げたモノなので、すこぶる生産性が悪いのであった
1号機を作っているときは、気合が入っていて半日位はあっという間に過ぎるのであるが、同じモノを作れと言われると気持ちが萎えてしまうのは、私が根性なしだからであろう

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<記念すべき1号機の基板である>

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<基板の裏面は手配線での実装である>

結局、ブリント基板を作ろうかと言うことになったのである ここら辺の判断は’良い加減’である
72mm×42mmのユニバーサル基板と同じサイズで、この回路の実装は簡単だろうと思っていたのである
片面基板でアートワーク屋(パターンの設計者)さんと話したら、これは両面でお願いしますと言われてしまった
更に、リード部品で考えていたのであるが、この基板サイズならチップ部品でお願いしますとのこと
今回CRは1608サイズのチップ部品である

出来る限り基板面積を小さくしたかったのでチップ部品でのレイアウト設計を基板屋さんに発注したのである
とりあえず、1シート15枚

回路図をアートワーク屋さんに出図するときと、出来上がったプリント基板の確認がとても緊張する時である

基板が出来た後に回路図の間違いやコネクタ接続の間違いが見つかると、最悪やり直しであり、基板は単なるゴミになりかねないのである 趣味とは言え、ここはとても真剣である

そして本日、生基板が到着したのであった

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<直読型周波数カウンタ基板の表面>

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<直読型周波数カウンタ基板の裏面>

この後は実装して基板の動作確認である
今週はルーペとピンセットでチップ部品の実装にチャレンジである

基板よ一発で動いてくれ!! 

いや手直し出来る範囲で良いので動いて下さい m(_ _)m

 

 

 

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<チップ部品実装の必需品 ルーペとピンセットである>

今回の基板作成についても、大先輩の矢花氏に大変お世話になったのである

いつも本当にありがとうございます

TS-700GⅡ の FM検波トランス の交換

件のTS-700 GⅡであるがFM音声の歪感について対策を実施した
TS-700 GⅡのFM検波は、第2IFである455KHzをレシオ検波で音声を出力している

レシオ検波は同調点の異なる2つの共振回路にFM信号を通すことで、周波数変位分を音声に戻すのである
この機械では、FM IF UNIT内のT3,T4がレシオ検波専用コイルとなっており
このコアを調整する事で音声検波を調整している

(このコイルはディスクリミネータと呼ばれる部品で、近年ではセラミックの無調整が殆ど)

不具合の内容は音声の歪であるが周波数変位の片方が動作していない
とりあえずの音声にはなるが、アンプで言う所でのB級増幅と同じ感じとなっている

元々ドナー用にTS-700無印を入手していたので、今回はTS-700無印からFM検波コイルを移植してみる

本来はT3,T4と2個セットで交換するが普通と思うが、今回は切り分のためT4から交換を行ってみた

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<TS-700GⅡのFM IF UNIT 赤丸が交換したT4>

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<レシオ検波専用コイル T4>

交換後の結果はビンゴである
このT4の不具合である、交換後復調の調整を行った所
音声のひずみ感は無くなり復調はバッチリである、TS-700独自の太い受信音が戻って来たのである

この修復によって、センタメータの振れる範囲も正常となった(両側の位相分が正常出力されているので、当然ではある)

再度Sメータの調整を実施後に、センタメータの調整を行ってみる、センタメータの振れ幅が正常となっている

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<TS-700GⅡのセンタメータ>

これで件のTS-700GⅡは、ほぼ完動状態となったのである 部品取りしたTS-700無印も復帰を考えたい

 

 

本物のVT信管を初めて見た

先日、電通大の調布祭見学をしたのであった
その際に真空管の展示コーナで、VT信管を見せて頂いたのである

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<VT信管の電子回路部>

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<VT信管の電子回路部>

そもそもVT信管とは何か..
VariableTimerがVTと略されている、電波反射検知の近接信管である
自ら電波を発射し反射電波を捉えた際に、起爆をする信管である
当時は着弾点までの時間を信管にセットして、発射から着弾点の時間で起爆を制御していたが
電波反射検知の近接感知での起爆なので、VariableTimerと名称されているそうである

第二次世界大戦中の超ハイテクであり、この信管の中に4本の真空管が搭載されている

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<内部に搭載されていたとされる4極管 大きさは小指大>

恐るべき技術は、この大きさの中に砲弾発射時の衝撃に耐える電子回路の搭載を、可能としたアメリカ合衆国の総合技術である

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<VT信管の構造概要である>

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<バッテリー部分と連結したVT信管>

このVT信管の現物を見ると色々と考えさせられるのである

TS-700無印の デビエーション調整 と 搬送波抑圧比調整 をしてみる

件のTS-700無印である
今回思い切って、デビエーション調整と搬送波抑圧比調整をしてみたのである
まずは搬送波抑圧比の現状から

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<145MHz USBの搬送波抑圧比33dB>

あまり良くないのである

 

いわゆる、少しキャリア漏れ状態である

色々と調整を追い込んでみるが、搬送波抑圧比は36dB位までしか追い込めないのである
本来であれば、もう少し追い込んで40dB以上の状態まで持って行きたい所である

ここはちょっと匂いがするかも知れないが、ほんの少しのキャリア漏れは愛嬌として誤魔化すってものであろう
もともと、SPOT-SWでキャリアを派手に出してガイトトーンを出す機能の付いている、TS-700無印である
また時間がある時にでも、また遊びながら追い込んでみたい
デビエーションについても測定してみた
この機械が販売されていた頃は、145MHz帯のFMセパレーションは40KHzのワイドであった
TS-700無印は内部のコネクタ変更で送信帯域を変更出来るのであるが、現在20KHzセパレーションの状態では、お隣さんへ混信してしまう状態である

多分この機械が現役だった頃は、となりの周波数ではザワザワ感がしたのであろうと予想する、古き良き時代であった

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<FMのデビエーション調整前はワイドモードである>

とりあえずは現行基準でデビエーションを4.8KHz程度に調整をしてみた
これでFMについては、周りにご迷惑を掛けることは無い

古い機械だからこそ、最低限の電波の質については気を遣いたいものである

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<FMのデビエーションを4.8KHzで調整する>

TS-520X の Sメータ その2

件のTS-520XのSメータであるが少し較正してみた
前回の確認でも殆ど問題無かったのであるが、気持ちのズレ分の較正を行ったのである

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<調整箇所は2つVRで行う>

調整は0点調整と感度調整となっているが微妙であり、それぞれが影響し合うのでじっくりと向き合いたい

厳密にSメータの調整をする場合は、それなり精度の基準信号が必要である
較正の基準信号は14.2MHz・100μV(EMF) [40dBμ(EMF)/-73dBm]の信号をアンテナ端子から入力しS9のレベルを合わせる

-73dBmから-6dBずつ下がった所がS8~S1の位置となる様に調整を行う
S9~S1については大体6dBステップに調整が出来ていたのであるが、再度の確認を行う

今回はS9+10dB,20dB,30dB,40dBの位置も測ってみた
+10dB以上になると少しズレも出るが、これはもう誤差の範囲であろう

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< S9+10dB,20dB,30dB,40dB のメータ位置>

バンド毎の違いについても測ってみた

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<左上から21MHz,14MHz,下左7MHz,3.5MHz>

7MHzだけS指針1目盛り分(-6dB)程度のズレがあるが、他のバンドはS9の位置は変わらない

今更Sメータにこだわっても仕方が無いのであるが、やっぱりSメータは有るべき姿で指針を指すべきであろう

TS-520X(多分Dも同様)のSメータ精度は素晴らしい精度である
ここにTRIOの心意気を今更に感じてしまうのである

電圧給電アンテナの給電部を作ってみた

電圧給電アンテナいわゆるツェップアンテナである

普通のダイポールアンテナは1/4λのエレメントを対称に配置し、それぞれのエレメントに給電を行う
一般的にその給電インピーダンスは75Ωとされる
(エレメントの地上高や周囲の構造物等で給電インピーダンスは変化する)

電圧給電アンテナは1/2λのエレメントが一つだけで構成され、何よりも高周波部分の接地が不必要なことが大きなメリットである

拙宅のベランダでは中々有効な高周波グランドが取れないので、とりあえず29MHz帯での給電部を試作してみたのであった

電圧給電アンテナの詳細な動作原理は興味があれば各々調べて欲しい
ダイポールアンテナは低いインピーダンスで電流を流し込むのであるが、電圧給電アンテナは、その名通り高いインピーダンスの給電点に高電圧を印加することで給電を行う
従って給電部は送信周波数に同調する同調回路でインピーダンス変換を行うモノである

最初に作ってみるのが、コイルとコンデンサでの同調回路である
但し両端には高電圧がかかるのでコンデンサの耐圧には注意が必要である
今回の耐圧3.3KVなので数10W程度の耐入力になる

共振回路

<巻いたコイルと3.3KVコンデンサで並列同調回路をでっち上げる>

デップ点を測る

<共振点をデップメータで測り、コイルを調整して共振点を29MHzに合わせる>

共振点を測る

<アナライザでのインピーダンスグラフ>

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<実際にケースに入れて、コイルをエポキシで固定する>

動作試験中

<実際にエレメントを接続してのテスト>

色々とテストしてみたが給電部のインピーダンスが高いため、給電部の近くに金属があると特性がかなり変化する
ベランダ中央部で、29.26MHzでリターンロス約15dBとまずまずであるが、給電部のQが比較的高いので帯域は29.2MHz~29.3MHz程度である

移動運用等で給電部を他の金属から離せるなら十分に実用にはなると思うが、給電部が高インピーダンスであるので周囲の影響を受けやすい
我が狭小住宅のベランダだと手すり部分の影響があり、ベランダ中央部だと家族の洗濯業務が停止してしまう
従って29MHzの空中線は変形ダイポールのままである

ちなみにアンテナチューナで同調出来ないエレメント長が1/2であるのは、電圧給電での同調が出来ないためである

ビンテージマシン で アイコム社 AH-4 を使ってみる

ビンテージマシンでアイコム社 AH-4を使ってみる

注意!!
ここで記載している内容はメーカの動作保証範囲外となります
操作を誤るとAH-4を破損する可能性があります
この件についての動作検証は、読まれた方の自己責任にてお願いいたします
また著者は運用した結果については責任を負いません

<少し大げさであるが…..>
終段に真空管を使用しているビンテージマシンは、終段の後にπマッチ回路が搭載されているため空中線への適合範囲が広いのである
アンテナチューナ無しで色々なアンテナでQRVされた方も多いと思う
しかし伝送線路が50Ω系できっちりとしている現在では、ビンテージマシンでも殆どが出力インピーダンスを50Ωで運用していると思われる

さて、比較的新しい機械ではオートアンテナチューナが利用出来る
更にアンテナ直下型のアンテナチューナは様々なエレメントがアンテナとして使えるため、非常に便利である

私は狭小住宅に住んでおり、アンテナ環境はアパマンと同様でベランダの有効活用しかない
従って3.5MHz帯や7MHz帯でのフルサイズアンテナは物理的に厳しい
場所の制約でロングワイヤーとアンテナ直下型チューナの構成となってしまうのである

そのアンテナチューナであるが、私はアイコム社のAH-4を使用している
このアンテナ直下型チューナは100W(CW)までの耐入力であり、対応した無線機であればボタン一発でチューニングが取れる便利なグッズである

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<狭小住宅だとAH-4はとても重宝である>

このAH-4をビンテージマシンで使用するために、でっち上げてみたのが、このコントローラである
ポイントは対応機と非対応機の切替えスイッチであり、このスイッチを対応機側に切り替えれば今まで通り、対応機でボタン一発チューニングとなり
非対応機に切り替えた場合は定められた手順でのマニュアルチューニングとなる

 

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<TS-520Xの上に置いた AH-4外部コントローラ>

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<中身はこんな感じである>

非対応機でのマニュアルチューニングの手順は以下の通りである
①送信する周波数で送信機のチューニングを耐入力の余裕がある50Ωのダミーロードで行う
(送信インピーダンスを50Ωで送信機のチューニングをとるため)
②送信機をCWモードで10Wの出力に合わせる
(10W以上の電力でアンテナチューナのチューニングを行うと、チューナを破壊する恐れあり)
③コントローラのTUNEボタンを押下する
④SWR計でSWRが1.5以下である事を確認する
(チューニングのLEDはチューニング中に点滅するが、チューニングの成否表示はしないため)

ボタン一発の簡単チューニングから、複雑な手順を踏み更に操作を誤るとチューナを破壊する危険性のある操作が必須となる

<と言うか10W以上でチューニングをしなければ壊さないのである>

けれどビンテージマシンでAH-4が使えるのは非常に便利ではある
(ボタン一発の中で対応機はモード変更・出力制限・元のモードと出力に復帰を内部のマイクロコントローラがやってくれているのである)

冒頭にも記載したが、AH-4に未対応機を接続した場合はAH-4を破壊するリスクがある
ご自分でリスクを負える方だけ、回路を各自検索しチャレンジして欲しい

 

TS-520X (100W改造機)の 搬送波抑圧比 の確認

件のTS-520X(100W改造機)のキャリアサプレッションレベルを確認してみたのである

キャリアポイントは他の無線機で送受信を確認した所、ほぼ良好なので今回は全く手を入れていない
今回はキャリア漏れ(キャリア抑制)の確認である

まずTS-520Xとスペアナの接続であるが、件のCMカップラを使用して出力分の約-20dBのみ測定側へ電力を取り出す (勿論残りの電力はダミーロードで熱に変える)

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<CM型カップラで-20dBの電力を取り出し、更にパワーアッテネータで減衰させる>

100Wの-20dBだと1Wになるので、更に-20dBのパワーアッテネータとステップアッテネータを組み合わせる
スペアナの入力電力を-10dBm程度まで減衰させる

スペアナの耐入力は20dBm程度はあるが、当然の事ながら歪が発生してしまい何を測定しているか分からなくなる、基本は-10dBm程度と考えたい

AF信号はマイク端子から1.5KHzの信号を入力する、マイクゲインはALCが振れ始める位置とした

入力の準備が出来た所で、今回は14.2MHzでのUSBとLSB双方の確認をしてみた

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<14.2MHz AF 1.5KHz  USBのスペクトラム>

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<14.2MHz  AF 1.5KHz LSBのスペクトラム>

それぞれのキャリアレベルは-43dBであり全く問題ない範囲である、少し前までは大体の機械が-40dB以下としていたレベルなのである

もし40年間無調整でこの値なのであれば、とても素晴らしい機械である

このTS-520Xもまだまだ十分に現役で活躍出来そうな機材である

 

Collins 75S3Bで直読型周波数カウンタを試してみる

以前KWM-2にて直読型周波数カウンタををテストして受信については問題無かったので、今回は75S3Bで試してみた

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<Collins 75S3B ロックグラスを片手に白熱灯の下で聴いていたい機械である>

75S3Bは受信機であるが、KWM-2とPTO(VFO)は同じである
従って、周波数カウンタにセットするオフセット周波数もKWM-2と同じである

接続は上面カバーを開けて、シャシに付いているVFO OUTPUT端子に接続する

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<Collins 75S3BのVFO出力に接続するだけてある>

実際に使ってみると、KWM-2と同様に違和感は無い
強いて言うと、重厚なCollinsだと直読型周波数カウンタの外装に拘りたいのである

直読型周波数カウンタの話はさておき
これも全く個人の主観である

CollinsのKWM-2もそうであるが、75S3Bも受信していて非常に心地よい音である
最近の無線機の受信音と異なり、BGMの替わりに聴いていても疲れないのである
DRAKEのR-4Aよりカッチリとした音質であるが、さりとてS/Nはとても良い
この辺りの音造りもさすがと思ってしまう

実際に手元に置いて置きたい、良い機械である
いつかはコリンズ様を手に入れたいと思わせる魔力が潜んでいる

 

TS-520X のMAKER を較正してみる

件のTS-520Xのマーカ発信器を較正してみた
TS-520XはMKR-3と呼ばれる25KHzのマーカ発信器がオプションとして本体に内蔵が出来る
このTS-520Xは内蔵されていたが、この頃のVFO機は水晶発振子によるマーカ発信器が必要不可欠であった

送受信周波数の読取りはVFOダイアル外周部のゲージで読み取るのであるが、その位置をマーカで校正するのである
MKR-3は25KHzの発信器であり歪を多くした出力回路で、高調波成分を多く出力する様になっている
その高調波成分を25KHz刻みの信号を受信して、ダイアル位置を合わせるのである

周波数カウンタをMKR-3の出力端子に接続するも、上手く発振周波数を測定出来ないのであった
今回は直接、出力トランジスタのコレクタから信号を取り出しして周波数の測定をしてみた

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<TS-520Xの25KHzマーカ発信器 MKR-3>

今回のMKR-3の実測周波数は25.00109KHzであった、定格値は±1Hzなので要調整範囲であり
この場合10MHzでは436Hzのズレとなり、21MHzであれば約900Hzのズレとなってしまうのである

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<較正前は25.00109KHz>

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<較正後は25.00018KHz>
MKR-3のトリマコンデンサで調整を実施し、25.00048Hz位までトリマコンデンサで調整出来た

これ以上の調整を行う場合は、トリマコンデンサの容量を変える・インダンクタンスを挿入する・水晶を変える・の選択肢となる
今回は定格値に入っているので良しとするのである
この場合10MHzでは192Hzのズレで、21MHzであれば約400Hzのズレである

まぁ、アナログVFOのキャリブレーションとしてはOKである

ちなみに、マーカ発信器の校正は10MHzのJJY信号とのゼロビートを取ることで行ったのである (JJYも無くなり寂しい限りである)
従ってこの頃のマシンは10MHz帯が受信出来るようになっているのである

マーカ発信器はVFO機では欠かせない機能であった