TS-700無印のディスクリミネータ

先日TS-700GⅡのFM復調の不調のため、TS-700無印からFM検波コイル(ディスクリミネータ)を移植したのであった
TS-700無印はセンタメータ機能が無いので、セラミックのディスクリミネータの移植を考えていたのである

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<ディスクリミネータ(T1,T2)を外したTS-700無印のFM IF UNIT>

TS-700無印とTS-700 GⅡ共にレシオ検波である、TS-700 GⅡは検波後の位相差をセンタメータに利用している

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<回路はTS-700 GⅡのもの T3,T4 は無印のT1,T2と同等>

今回は後段T2側の不具合だったので、T2の替わりにセラミックディスクリミネータを取り付ける計画であった (若干回路変更が必要なので小さな基板をでっち上げるつもりであった)
T1については検波前のトランジスタを動作せるために使う予定で考えていたのであるが
とりあえず、問題のT2を作業開始前に再度取付けて確認してみたら、正常動作していたのである

\(^o^)/

正常動作した原因で考えらる点は、前回取り外した後段のディスクリミネータを分解しようとして色々とコジッた位である
そこで、内部の接触不良が復帰した可能性が高いと思っている

これでTS-700無印も動作品に復帰してしまったのであった、暫くこれで様子見である

(部品が普通に購入出来るのであれば無条件で交換であるが….無い部品は大切である)

まぁ40年以上前の機械である、TS-700の設計者も、ディスクリミネータの設計者も40年経ってからも使われるなんて夢にも思っていなかったであろう

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<代替で使う予定だった 455KHzセラミックディスクリミネータ>

 

TS-700GⅡ の FM検波トランス の交換

件のTS-700 GⅡであるがFM音声の歪感について対策を実施した
TS-700 GⅡのFM検波は、第2IFである455KHzをレシオ検波で音声を出力している

レシオ検波は同調点の異なる2つの共振回路にFM信号を通すことで、周波数変位分を音声に戻すのである
この機械では、FM IF UNIT内のT3,T4がレシオ検波専用コイルとなっており
このコアを調整する事で音声検波を調整している

(このコイルはディスクリミネータと呼ばれる部品で、近年ではセラミックの無調整が殆ど)

不具合の内容は音声の歪であるが周波数変位の片方が動作していない
とりあえずの音声にはなるが、アンプで言う所でのB級増幅と同じ感じとなっている

元々ドナー用にTS-700無印を入手していたので、今回はTS-700無印からFM検波コイルを移植してみる

本来はT3,T4と2個セットで交換するが普通と思うが、今回は切り分のためT4から交換を行ってみた

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<TS-700GⅡのFM IF UNIT 赤丸が交換したT4>

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<レシオ検波専用コイル T4>

交換後の結果はビンゴである
このT4の不具合である、交換後復調の調整を行った所
音声のひずみ感は無くなり復調はバッチリである、TS-700独自の太い受信音が戻って来たのである

この修復によって、センタメータの振れる範囲も正常となった(両側の位相分が正常出力されているので、当然ではある)

再度Sメータの調整を実施後に、センタメータの調整を行ってみる、センタメータの振れ幅が正常となっている

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<TS-700GⅡのセンタメータ>

これで件のTS-700GⅡは、ほぼ完動状態となったのである 部品取りしたTS-700無印も復帰を考えたい