YAESU FT-101E で周波数カウンタを使ってみる (送信編)

ケースに入れた、直読型周波数カウンタをYAESU FT-101E で送信してみたのである

当然の事ながら、送信前のセレモニーでひと通りのファイナル調整を行う

送信してみると、ある程度の出力で表示周波数が変化してしまうのである

IMGP5693

<7.195MHzで送受信>

IMGP5694

<送信すると7.638MHzと表示される>

この周波数カウンタには、HOLDモードがあるので送信時に、HOLD端子をグランドレベルに落とす事で回避はされるのである

そうは言っても気になるのである

 

IMGP5695

<受信時の FT-101E のVFO出力のスペクトラム 入力は-30dBの外部アッテネショーンしてある>

9.005MHzのVFO周波数と約-40dBで内部IF周波数が乗っている

IMGP5696

<送信時の FT-101E のVFO出力のスペクトラム>

9.005MHzのVFO周波数と、-15dB位で7.195MHzの送信キャリアが乗っている

 

送信時については、周囲の配線の状況で、測定すべき周波数以外の信号がノイズとして乗って来るのであった

本来の解決方法としてはバンドパスフィルターを挿入するのが正攻法であるが、FT-101 の専用機となってしまうので、悩ましい所ではある

送信時にカウンターをHOLDモードにして、表示を固定してする事で、使ってみたいと思っている

(送信時のQRHはモニター出来なくなるが…)

 

 

 

 

YAESU FT-101E で周波数カウンタを使ってみる (受信編)

ケースに入れた、直読型周波数カウンタをYAESU FT-101E で使ってみたのである
FT-101E のリアバネルのVFO 出力端子に、VFOの発振出力が出力されている

FT-101 の送受信周波数計算は少し面倒ではある

ざっくり各バンド毎に表すと以下の通りである

  • 160m   10.7MHz  –  VFO発振周波数  (1.5MHz-2MHz)
  • 80m     12.7MHz  –  VFO発振周波数  (3.5MHz-4MHz)
  • 40m     16.2MHz  –  VFO発振周波数  (7MHz-7.5MHz)
  • 20m     23.2MHz  –  VFO発振周波数  (14MHz-14.5MHz)
  • 15m     30.2MHz  –  VFO発振周波数  (21MHz-21.5MHz)
  • 10m     37.2MHz  –  VFO発振周波数  (28MHz-28.5MHz)

 

ちなみに、VFOの発振周波数は 9.2MHz~8.7MHzであり、VFO発振周波数が9.2MHzの時がダイアル上では一番低いダイアル位置となる

例えば、7.195MHzを送受信する場合は、VFO発振周波数は9.005MHzである

上の表にから、 16.2MHz –  9.005MHz =  7.195MHz  となる

周波数カウンタで7MHzの受信周波数を直読する場合は、オフセット周波数の16.2MHzから測定周波数を減算する事で直読が出来る

この辺りのFT-101の仕組みは別の機会に書きたいと思っているのである

実際に使って見た写真である

IMGP5692

 

FT-101Eの場合もR-4Aと同様SSBを受信してゼロイン後に

表示周波数が受信周波数と同じになる様にオフセット調整を行う

FT-101E の場合、3.5MHz,7MHz,14MHz,21MHz,28MHzなどをバンドメモリにそれぞれオフセット周波数を登録し、バンド毎にメモリの切替が必要になる

純正品のYC-601でもこの仕様は変わらないのである、従ってYC-601の代わりに使う事は可能ではないかと思うのである

送信については別の問題が有るので次回に..

 

直読型周波数カウンタの制作 活用編1

部品の調達と組立

今回の直読周波数カウンタで、特別な部品は無いのである
只、この部品は最初からバンドメモリの切替に利用を前提としていた
12接点のロータリSWである、なおこのロータリSWは使用接点数でストッパーを掛ける事によって8接点で使用している
このロータリSWの代わりに普通のボリームでも使用出来るが、バンド切替であるのでやっぱりロータリSWの方が使い勝手は良い
このロータリSWの端子に抵抗を取付て、クリック付き8接点VRとして今回は用いている
その他のスイッチ類も一般的なものである

IMGP5679

 

水晶発振器は安かったので、10個パック300円の表面実装タイプを使用した
常温で使用するので、ゲートタイムの補正機能があれば十分と考える

アンプ回路も、一般的な2SK141と2SC1815である

 

ケースは色々と考えたのであるが、私の加工技術が未熟であるため、金属パネルを綺麗に直線に切り抜きが出来ない
従って、今回は安易に100均のミニカー等のディスプレイケースを用いた
自分用であるため、周波数測定入力は2系統とし、スイッチで切り替えられる様にした
電源は、9VのACアダプタのコネクタを付けて対応している

IMGP5684

<FRONT >

IMGP5681

<REAR>

フリーハンド加工であるため超適当ではあるが、何となくそれっぽい雰囲気にはなった

IMGP5683

R-4Aの上に載せた、周波数カウンタである

思ったほど、違和感は無い(自分的に)

 

次に続く…

直読型周波数カウンタの制作 要素開発編4

とりあえずの、ファームウェア概要である

最近の機器の場合は、商品なり制作物の仕様の大半が、搭載されるファームウェアによって実現される
そして開発費用のかなりの部分がファームウェア開発費となっていると思う
ファームウェアの開発規模も昔に比較すると巨大なものとなっており、その生産性と品質の向上にトップエンジニアが日夜努力をしている

この直読型周波数カウンタについては、自分が自分のために開発しているファームウェアである
従って、自由に仕様が決められるのであり、ファームウェア検査も自分自信が行う甘々の検査である

で、前置きはともかく本題に入ろう

最初に動作モードは以下の3点である
1.通常計測モード
a.電源を投入するとこのモードとなる
b.入力信号の周波数を計測し、選択されたバンドメモリのオフセット周波数と計測周波数を演算して表示をする
c.バンドメモリの0-7で8メモリである

<バンドメモリ0はオフセット周波数は0Hzで、計測周波数がそのまま表示される>

IMGP5675

写真は、10MHzを入力

・バンドメモリ7番の オフセット周波数は-455KHz

・表示周波数は 10MHz – 0.455MHz = 9.555MHz

 

2.較正モード
a.Funcボタンを押しながら電源を投入するとこのモードとなる
b.バンドメモリのオフセット周波数は演算されない
c.計測した周波数を選択したバンドメモリにオフセット周波数として登録できる
d.電源OFFで解除

IMGP5677

写真は、10MHzを入力

・バンドメモリ7番の オフセット周波数は-455KHz だがオフセット演算はしない

・表示周波数は 10MHz

・ここでFuncボタンを押すと、バンドメモリ7番に表示している周波数がメモリされる

 

3.オフセット修正モード
a.Modeボタンを押しながら電源を投入するとこのモードとなる
b.通常計測モードと同等であるが、FuncボタンとModeボタンでオフセット周波数を5Hz単位で加減出来る
c.電源OFFで解除
*古い無線機や受信機では第一局発の水晶発振周波数がズレている事が多いのでこのモードで調整を行う想定である

IMGP5678

写真は、10MHzを入力

・バンドメモリ7番の オフセット周波数は-455KHz

・表示周波数は 10MHz – 0.455MHz = 9.555MHz

・ここでFunc/Modeボタンで、バンドメモリに記録されているオフセット周波数を5Hzステップで修正出来る

 

 

実際にファームウェアを実装してみると、4Kwordでのプログラミングは厳しいのである
コードの共通化や、コードの見直しを行い4Kwrodに押し込める(なんか大昔を思い出してしまうのである)
今風のエレガントなコードからかけ離れてしまったコードが残念である 自分の非力さを改めて思い知ったのであった

直読型周波数カウンタの制作 活用編1へ続く

直読型周波数カウンタの制作 調査編2

仕様を決めるときは、要求仕様の検討が大切である

完成時の搭載機能を検討しないままで設計に入ると挫折するケースが多くなる、特にファームウェアについてはその可能性が高いのである (自分の経験的に..)

今回の仕様への要求は、平たく言うと自分が使用している、Drake R-4AYAESU FT-101Eの運用周波数がそれなりの精度と速度で直読出来れば良いのである

早い話が、YC-601BFR4を足して2で割った仕様である…

 

けれど、その要求分解を分解すると、様々なポイントが抽出される

一旦、出来上がったイメージを色々とフリーハンドで書いてみた

IMGP5669

(とても汚い字で申し訳無いのである..)
今回自作する、直読周波数カウンタの要求仕様の概要は以下の通りであった

a.部品点数が出来るだけ少なくする (実現性とコスト)
b.周波数カウンタとしてそれなりの精度があること
c.オフセット周波数をバンドメモリーとして複数登録出来て簡単に呼び出し出来ること (YC-601Bでのバンド切替のイメージ)
d.R-4Aのプリミックス端子(INJ端子)やFT-101のVFO出力の周波数をプラグインで計測出来ること
e.測定周波数の範囲は、100KHz~40MHzであること (Drake R-4Aで使用するため)
f.VFO操作の追従性を確保するため、ゲートタイムは0.1秒で測定結果の表示を含めたサイクルタイムは0.11秒以下であること (VFOを回した時に追従感が狂うと使う気になれない)
g. 周波数測定方法は、直接計測法としレシプトリカル方等の複雑な計測はしない、計測粒度はゲートタイム0.1秒時に10Hz単位とする
h.単体の周波数カウンタとしても使用するため、ゲートタイムは1秒と0.1秒の切替とする

まぁ ざっとこんな所であろうか

これが実現出来れば、何とYC-601BER4を同時に入手したことと同等の価値である、この後の制作にも力が入っているのであった

仕様検討編に続く

直読型周波数カウンタの制作 調査編1

欲しいものは高価なのである
R-4AFT-101等で使用出来る、直読型周波数カウンタについて調べてみた
各機種専用のメーカ純正品や、サードパーティの専用品はオークションで偶に出品されている
しかし、コレクターズアイテム価格で、とても私ごときが、おいそれと購入は出来ないのである
そこで、諸先輩方の周波数カウンタの制作実例を拝見させて頂いた
皆様色々と工夫されているのである。

お手本として、16F88を使用した稲垣氏の周波数カウンタVer7をダウンロードして組立てて見た

シンプルな回路で、ここまで出来るのは凄いことである

稲垣氏のオリジナル
(稲垣氏開発のファームウェア、周波数カウンタV7)

一般的なラジオの中間周波数である455KHzをオフセットとして測定周波数に対して足して表示する周波数カウンタの作例は多い、それ以外のオフセットについては自分で、PICファームウェアの書き換えか、PICのEEPROMの書き換えが必要である
製作例によっては、オフセット周波数書換え専用ツールがあるが、出来ればパソコン無しでオフセット登録をしたい

YC-601みたいにバンド切替SWで、オフセット周波数とオフセット演算が選択出来て、主要なバンドの周波数が直読出来ればよいのである。

現時点での要求仕様では、市販品や諸先輩の作例をそのままの利用は難しい、との結論に至ったのであった。

ここで、R-4AとFT-101などで使える、直読型周波数カウンタの仕様検討を開始することにしたい

調査編2へ続く..

 

FT-101E その2 OptionのYC-601

YC-601B

YC-601B

かのFT-101シリーズ用の周波数カウンタ(周波数表示装置)である
(表示桁数は6桁で、1.5MHz~29.9999MHzまで100Hz単位で表示が可能)
YC-601Bは親機(FT-101)のVFO出力の周波数を計測して、各バンド毎にMHz帯の2桁表示をバンドSWで選択することで、オフセット周波数を見かけ上の演算を行い表示する
FT-101内蔵VFOの発振周波数は9.2MHz~8.7MHzの500KHzでありこの周波数を計測する
(注:ノイズ対策ため内部で13.5MHzor14.0MHzに変換して計測している)
YC-601Bの右側のバンドSWでMHz帯の2桁を選択して直読周波数としている

これを通常の周波数カウンタで表示するためには、オフセットの演算が必要である
7.1MHzの表示については以下の計算となる
VFOの発振周波数 9.1MHz
オフセットベースの周波数 16.2MHz
表示周波数=16.2MHz – 9.1MHz = 7.1MHz

往年の銘器であるFT-101も周波数が直読出来れば、現代でも活躍の場は拡がりそうではある
たまにYC-601がオークションに出品されているが、コレクションアイテム価格なのは残念である

 

FT-101E その1

FT-101E

アマチュア無線機ではメジャーな機種である

写真の機械は1977年頃の製造だと思われるが、40年経った今でも動作しているは立派である

モード切替やバンド切替のロータリSWの多少のガリについては、40年以上前の工業製品であり、致し方無いと思う

この頃の無線機で送信する場合は、バンド毎にチューニングが必要であり、現在のボタン一発の機械からすると面倒である

ヒータSWを入れて、アンテナをダミーロードに切り替え、所定の調整作業を行う

送信管のIPを確認しながら、PreSelecter,PLATE,LOADを最良値に追い込む

なんとも、アナログな儀式ではあるが、その儀式の意味はとても大切な事であった

それらの意味を現在で噛みしめながら儀式を行う事も、今となっては贅沢な遊びなのかもしれない。

偶々の個体かもしれないが、このFT-101EのVFOは比較的安定している 電源投入後30分以降の周波数変動は数Hz/h程度の安定度である

これも当時の凄い技術だと思う。

10Hz単位のアナログダイアルでの運用は、やっぱり最新の機械で周波数直読が便利ではあるが、昔のVFO操作感も触って楽しいものである

IMG00160