FT-101E Tips QRHがある時の最初の確認事項

我が家のFT-101Eであるが、先日に送受信の周波数が数百Hz位ズレることが有った
偶々マーカの確認していたのであるが、ビート音が徐々にずれて行くのであった

マーカユニットが不調かなぁと思っていたのだが、繋いである周波数カウンタの表示でVFO周波数がズレている事が判明したのであった

今まで数年間このFT-101Eを使用して、VFOのQRHについては安定して使えており、交信中のQRHの指摘は受けたことは無かった
(但し現在の機械とは異なり10Hz程度は変動するが、実用上は問題はない)

VFO周波数のズレを発見して、とてもブルーな気持ちになったのである
様々な原因が頭によぎるのであるが、それを特定するための時間を考えると、暗澹な気持ちになってくる

気持ちを切り替えて簡単な切り分けをしてみた
まずは、クラリファイア(RIT)である
クラリファイアはVFO内部のバリキャップへの電圧を変えて、VFO発振周波数を微調整している
受信時のみ動作するのであるが、まずはこの機能の確認をしてみた
単にクラリファイアスイッチをON/OFFするだけである

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<FT-101Eのクラリファイア>

切替の回路は結構凝った回路ある、この切替SWに大きな接点抵抗が合った場合の動作を考えると
ON時もOFF時もクラリファイアの電圧に影響を与える

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<クラリファイアの切替部分 赤線がVFOへの経路>

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<VFOとクラリファイア入力部分>

40年以上も昔の機械であり、スイッチ等々はそれなりに劣化が進んでいる
本来であれば、修理時のこのスイッチを交換するのがベストであろう
しかし新品部品の入手が難しいのであれば、特性を理解して使い続けるしかない

FT-101E/ESでVFOのQRHが気になった場合、まずはクラリファイアスイッチのON/OFFを数回切替えしてみることをお勧めする

この辺りだと、VR4(半固定抵抗)とか弄りたくなるが、これを弄ると送受信周波数の整合が必要となり(鳴き合わせ等々)、面倒である

又、安易な接点復活剤のスプレーは絶対に避けるべきである

FT-101ZSDを数年使ってみた感想

このF-101ZSDはとあるOMさんに故障品を頂いたモノである
頂いた時の、不具合は送信が全く出来ない、IF WIDTHが異常である点であった
多分A3で多用していたと思われ、ドライバ管の12AY7のカットオフ回路の抵抗が焼損しており、その結果12BY7Aが送信時以外に、動作してしまい12AY7も不良となっていた

カットオフ回路の抵抗を交換しドライバのカットオフ回路の動作確認後に、12BY7Aを交換して送信はOKとなった
又、FT-101Zシリーズは、可変帯域機能が搭載されており、WIDTHというツマミがそれである
この調整がズレていたので、一通り取扱説明書に従って調整を行ってほぼOKである

元々、FT-101ZSDはデジタル周波数表示の10W機で、拙宅にあるのはWARCバンド対応の最終型である

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<FT-101ZSD 最終型>

送信管は6146Bであり、元来のFT-101シリーズの6JS6Cから変更されている
以前にも書いたが、構造的にFT-101Zシリーズは以前のFT-101シリーズとは全く別物であり、FT-901シリーズの兄弟機である
従ってオプションもFT-901との共用が多く、フロントパネルは非常に酷似している
FT-901と根本的に異なる点は、FT-901がPLL機であるのにFT-101ZはVFO機であることである

さて、実際に数年間使ってみた感想である
最初に全体の操作性である
真空管を出力管で使っている場合は殆どが、ファイナル調整機能としてバンド毎にPLATEとLOADINGの調整が必要である
FT-101ZはプリセレクタとPLATEツマミに減速機構がついており、減速機構での周波数表示がモダンでツマミは大きく軽く動作するので操作性は良い

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<操作性が良い PRESELECTとPLATE>

この辺り機構は真空管ファイナル機の最終世代だけあって良く出来ている
(FT-901はファイナル調整タイマーが搭載させている)
只、ファイナル調整時のSNEDスイッチが、VOXつまみと共用となっているのが使いづらい

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<マイクのPTTを押せば済むが、本体でのSENDが使いにくい>

基本的にFT-101Zシリーズはシングルスーパ機であり、そのため受信音のノイズは少ない
音質も優しくこの機械は長く聴いていても疲れない機械の一つである

FT-101Zシリーズの特徴の一つにIF-WIDTH機能がある、この機能はIF信号の8.9875MHzを10.76MHzに再度変換する際の局発周波数調整で、2つのフィルタを利用して帯域幅を調整する機能である
(凝った回路である)
混んだ7MHz帯のCWでは結構この機能は使える けれどナローフィルタに慣れていると操作が面倒ではある
ノッチとしてAPF機能が用意されており混信除去として使えるが、これも操作が面倒ではある

VFOの操作感は、ノッペリした感覚でギア感は全くない
この辺りの操作感は好みが別れる点であるが、現代のPLL機のエンコーダに近い感覚である
FT-101ZSDは100Hz単位のデジタル周波数表示であり、この辺りの操作感は現代の機械とあまり変わらない

通常のSSBでの交信では、今なお十分使用出来る実力を持っている
但し真空管ファイナル機であるので、QRV周波数を変更した場合は必ずファイナル調整が必須であることを留意する位である

最後にAMの送受信であるが送信にはオプションのAMユニットが必要となる
AMの受信音はオプションのAMフィルタが無い場合は、SSBフィルタの帯域となるので当然音質は良くない
聴けないレベルでは無いが、AMメインでQRVするのであればAMフィルタは必要と思う
オプションのAMユニットが入手出来のであれば、AMフィルタとセットが望ましい

ビンテージマシンではあるが、現代のマシンに近い機械である

UNICOM UX-502 だと思うのであるが…

我が家のその辺に転がっている無線機である
多分1970年代の終わり頃の無線機と思われる10mFM機である
同時は145MHz帯は混み合っていて、433MHz帯に上がるか、51MHz帯か29MHz帯に下りるかの話題が多かった
アンテナが小さく済むことと145/433のデュアルバンド機が登場して433MHz帯とデュアル運用がメジャーとなった
それでも喧騒を嫌いメジャーな145/433MHz帯から29MHzに下りてQRVしている人も多かった
モービル運用だと29MHz帯はフェージングが柔らかく具合が良いと言う触れ込みで有った
現在でも29MHz帯FMの愛好者は以外と多い

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<UNICOM UX-502 と思われる10mFM機>

これは以前にOMさんから頂いたモノで、頂いた当初はフロントパネルがバラバラで
ダイアルは40CHのBCDエンコーダで、エンコーダと基板の間が折れていた
多分何らかの衝撃が加えられて、それを修理しようとしたのであろう
又、ファイナルが飛んで出力は殆ど出ないのであった

一応修復にチャレンジしてのであるが、40CHのエンコーダ内部の接点不良までは修復叶わずであった
PLLへの信号は修復出来たので、送受信は問題無い
但し、チャンネル表示の10の桁だけ表示不良である
部品が手に入らない以上、残念であるがこのまま使用するしかない

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<10の桁が表示不良なのは残念>

この機械は、数値表示と周波数が一致していない
表示される数値はチャンネル番号だそうである???
20と表示の場合29.30MHzなので、表示に10を足すと実際の周波数となる
もしかすると、ダイオード設定の技があるかもしれない
(誰かこの機械の回路図をお持ちの方いらっしゃいませんか?)

表示を除いて一通り動作はOKで、終段は2SC2509の10Wである
修理したのは良いが、変更申請をするのにこの機械はJARLの認定機種から外れてしまっている

TSSの保証認定を頂く為に、送信系統図を書かねばならない
当然の事ながらマイナー機種なのでマニュアルや資料は見つけられないのであった

回路を辿って、送信系統図を書けば良いのだが、PLL関係の所はオフバンドしない事を証明出来ないと通らなさそうである
面倒なので未だ送信系統図は手付かずで、変更申請は出せないのである
本当にその辺に転がっているだけの使えない機械である

11m機の貰いものもあり28.305MHz改造済みである、それと一緒に送信系統図を作成したいと思っている

いつになることやら

TS-520X コイルパックの調整

お正月休みである、正月早々せちがないのであるが、件のTS-520Xのコイルパックの調整をしてみた

TS-520D/Xのコイルパックは、3.5・7・14・21・28MHzそれぞれの帯域について、局部発振・混合・アンテナ同調・ドライブの4つから成り立っている
調整順は3.5,28,21,14,7MHzの順となり、それぞれバンドの中央で行う

なお、コイルパックは無線機の下蓋側である

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<TS-520のコイルパック 左から局発・混合・アンテナ・ドライブの順となる>

特には問題は無かったのであるが、強いて上げると7MHz帯の感度が若干低い感じがしたので、お休み中なので弄ってみることとした
最初は受信から行う、SGを接続してAGCをFASTでバンド順に最大感度にアンテナ同調と混合を調整して行く
一通り受信調整が終わった所で、送信ドライブの調整をバンド順に行うのである

受信については各バンドの感度は確認出来た、7MHz帯の若干の感度不足もコイルパック調整で各バンドとほぼ同等となった
送信については3.5MHz~21MHzまで100W、29MHzで90W弱の出力を確認した
28Mhz帯は当時は50Wの出力制限がされていた、機種の筈である
私は制限は外す処理はしていないが、100W化の時に一緒に処理されたのであろう

とりあえずは、S2001は健在そうである

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<妖しく光るS2001  フィラメントの明るさは6JS6Cの方が明るい>

やる事が無いと、こんなイタズラして時間を潰してしまうのであった

DRAKE R-4A を数年使用してみた感想

DRAKE R-4Aはかれこれ3年程使用している
我が家のメイン受信機である

購入した経緯は日頃お世話になっている、大先輩の矢花氏宅へお邪魔した時に、何気に置いてあったのであった
当初はそんなに興味も無かったのであるが、この機械は特に受信音を聴いて欲しいということで、アンテナに繋げで受信をしたみた

R-4シリーズには内蔵スピーカは無いので、16cmのスピーカを繋いで7MHzのSSBを受信した所、目からウロコが取れた感じであった
当時使っていた無線機とは雲泥の違いである、無音時のシャー音が無くとても聴きやすいのであった
コリンズの75S3 と聴き比べたのであったが、どちらも素晴らしいのである (コリンズは少し硬い感じだが、とても聴きやすい)
インスパイアを受けた私は、その時からR-4AかR-4Bを探し始めたのであった

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<DRAKE R-4A>

その後3ヶ月程で届いたのは、R-4Aである
R-4シリーズはR-4(無印)・R-4A・R-4B・R-4Cと4機種である (製造時期の違いで詳細が異なるバージョンも多い)
R-4Cは帯域フィルタにクリスタルフィルタを使う様に変更されている、R-4Cについてはオプションのフィルタが必須である
その他のR-4は帯域フィルタにLCフィルタを使用しているので、本体だけで使用出来る

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<PASSBANDノブ LSB,USBの切替は通過帯域を変更することで行う>

まずは、R-4C以外に搭載されているLCフィルタであるが、400Hz,1200Hz,2400Hz,4800Hzの帯域がノブで選択出来る
SSBなら2400Hz、7MHzのCWでは400Hz,A3は4800Hzを選択することになる
そのフィルタの切れは、LCフィルタとは思えない程、スッパリ切れる

またLCフィルタなので、PASSBANDのツマミがIF-SHIFTとなる
通常のアマ機のIF-SHIFTは局部発振周波数を移動させ、通過帯域自体は変化させないのであるが
しかし、R-4のPASSBANDは、局部発振周波数は固定で、通過帯域自体が変化するので近接の混信信号の除去高価は高い
LCで実現しQの高いLを使っているため、その特性は鋭いのである

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<秀逸なプリセレクタ>

次にPRESELECTORであるが、このプリセレクタは秀逸である
受信機として、受信帯域以外の信号は前段で排除する思想をそのまま実現している
この辺りは、現在の送受信機は広帯域受信を必要とされるので、構造的に厳しいと思う
プリセレクタはQの高いコイルに、ダストコアを抜き差しでのμ同調を3段として、第1IF出力も連動しているため、プリセレクタの切れは素晴らしい特性となっている
この辺りは、やっぱりQの高いLCでの同調に適うモノは無いと思ってしまう

音質については、柔らかい音で長時間聴いていて疲れない音である、しかし了解度はすこぶる高いのである
CWについても、低いビート音で聴いていると、とても心地が良い

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<優れもののノッチフィルタ>

更に、もう一つのポイントはノッチである、このノッチも極めてノイズ除去効果が高く、最近のDSPによるノイズ除去と勝るとも劣らぬ性能である

使っていて気になる点はQRHである
電源投入後1時間程度は、数百Hz程度のズレが発生する
真空管の受信機なのでVFOの温度変化に対して当然変動が発生すると思う
この辺りは、分かって使うのが一番である

感度については、当然のことであるが28MHz帯まできちんと受信が出来る
但し、R-4シリーズはゼネカバ受信機ではないので、中波放送とIF帯域(5MHz~6MHz)は受信出来ない
アマチュアバンド以外を受信するためには、リアバネルの水晶デッキに水晶を増設する必要がある
私は、9.5MHz帯と27MHz帯の水晶を増設しているが、海外放送受信やその他のA3信号受信はとても快適である

安定度はともかくとして、この性能が50年前に実現していたのだから、本当に恐れ入るのである、この機械を使っていると受信機は新旧はあまり関係なさそうである

TS-700GⅡでの運用報告

一通りの整備が終了し、TS-700GⅡにて運用をしてみた
そもそも、TS-700GⅡは1975年の発売で、現在(2015年)から40年前の機械である
当時は開局して2mバンドからQRVする局が多く、2mバンドはメインストリートであった
多くの屋根の上にも、2mのスタックアンテナが上がっていた記憶がある
当時の私のイメージは、スタックアンテナにTS-700と言う組合せが、2m高級局って感じであった
なにせ、SSBも出れるオールモード機である 当時としては高級感抜群であった

当時はモービル機に2段GPの組合せでQRVしている局が多かったと記憶している
私も近くOMから譲ってもらった12チャンネルのモービル機と1/4λホイップが開局時の設備である

さて当時の記憶をもとに、TS-700GⅡを現代で運用してみた

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<懐かしのTS-700GⅡ >

FMでの運用であるが、メインチャンネルワッチは特に問題はない
以前に書いたが、FMの運用は144MHz帯と145MHz帯を跨いでいるため、例えば144.96MHzから145.08MHzへの移動が大変面倒である
現代の機械であれば周波数ツマミを6ステップを回せば済むことであるが、VFO機の場合はバンドを144MHzから145MHzに切り替えて、VFOを0.96MHz~0.08MHzまで、ほぼ端から端まで回転させる必要がある
バンド内のワッチも面倒と言えば面倒である、それ以外は時に問題無く交信出来る

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<144,145MHzは切替が必要である>

受信音は中低域が太い独特の音質である、この機械はの場合は内蔵スピーカでも十分な音質である
感度は現代の機械と比べると若干低いが、それもシビアの条件以外では問題は無い範囲である

固定チャンネルの増設については、VFOの周波数を水晶発振子で代替する方式である
従って水晶で対応出来るのは144.00MHz~146.00MHzの範囲であり、PLL機みたいなバンド外の対応は、TS-700では出来ない

呼出周波数の水晶は有っても良いと思うので、手頃に入手出来れば欲しい一品である
(特注してまで必要なモノではない)

SSBの交信についての操作性については、現代の機械と差異は無い
TS-700の場合はVFOの操作感が若干ゴリコリ感があるが、私はメカ感が有って良い感じと思う
ギア比の問題があって、SSBのゼロインは若干シビアではある
SSBの音質は、ニュートラルな感じである
感度については、FM同様現代機と比較すると若干低いので、シビアな運用は現代機を使用するべきであろう

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<メカ感のある、VFOの操作感覚>

 

FT-101Eを使ってみて思うこと

のHF帯でのメイン送信機は件のFT-101Eである
普段使用して思ったことを書いてみたい

1.受信音質
当然受信は電源ONで即座に受信出来る、内蔵スピーカはキャビネットの上側に取り付けられており、このスピーカでの受信音はあまり良くない (中音が強調された感じ、またビビリ音もする)
大きめの外付けのスピーカを使うと、比較的良い感じではある
S/Nは悪くは無い、内蔵アッテネータとRFゲインを活用することで、忠実度は向上出来る
また、周波数構成が単純なビンテージ機であるため、シャーといった受信ノイズが少なく、BGM代わりに聞いていても疲れない

AM受信については2.4KHzのSSBフィルタ共通での受信であり、帯域が狭くその分音質は良くない
昔は11mバンドをこの機械で使用した人が多かったと思うが、CWフィルタの代わりに6Kフィルターを取付て、本体を改造して使っていたのでは思う
聞きづらい点を我慢すれば、使えないことはない

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<最初から11mバンドが用意されている 水晶を入れるとQRV出来るのは凄い>

2.混信特性等
現代の機械と違って、IFシフトや帯域切替えなどの機能はない
フィルターは一般的な帯域の2.4kHzであり、3KHz間隔であれば問題無いが、休日の7MHzなど混んでいる時は正直厳しい
コンテストやQRMが酷い時は現代の機械を使う方が、精神衛生上良いと思う
きちんとしたプリセレクタが搭載されているので、バンド外からのの混信除去は問題無いレベルと思う

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<現代からすると必要最低限の機能であるが、シビアな条件外だと今でも十分>

3.操作性
VFOの回転方向が現代の機械とは逆方向の回転となる
慣れれば問題無いが、普段使用している機械と逆方向になるので違和感はあると思う

基本的な機能しか搭載されていないので、VFOの回転方向以外に違和感は無い
但し、各バンドごとでのファイル調整とVFOの校正は、ビンテージマシンを使用する際の約束事である
特にファイル調整をサボって離調状態で電波を出すと、高価な6JS6Cを痛めることになるので注意

マイク端子は50KΩの高インピーダンスである、現在の600Ωのマイクは使えないことはないが、インピーダンス変換をしないとマイクゲインと音質が劣化する

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<標準マイクである>

4.QRH
電源投入後30分もすれば受信時は殆どQRHは無い
送信時に熱がこもると若干のQRHが発生する、ヘビーデューティな使用についてはQRHを把握する必要がある

5.送信
LOWバンドの方がパワーが出る、3.5MHz辺りでのんびり夜のQSOをするのが良いと思っている
パイルでない限り21MHzや14Mhzでも十分に使えるし、調整がとれていれば28MHzでも使えないことはない
しかし28MHzで少し使うと熱ダレでパワーが80W以下に下がるので、この機械ではあんまり無茶はさせない様にしている
送信音質は低中域が太い感じである(YD-844の特性かも知れない)

負荷とのは整合範囲は比較的広いので、LOADとPLATEのファイナル調整で結構遊べるが、伝送線路が50Ω系の場合は注意が必要である
送信の前に、100Wを吸収出来るダミロードを用いてファイナル調整後に、電波を出す機械である
この機械を使う場合は、100Wダミロードは必須である

6.その他
入手する場合、リアパネルの11PINのプラグが欠品していることが多い、このプラグが無いと終段管のヒータが通電しないので送信出来ない、更にこのプラグの入手は難しいのである (但しショート線を作れば問題なし)
又電源プラグも欠品の可能性あるので注意してほしい

メンテナンスについては取扱説明書を熟読した上で検討すべきである、メンテナンス本を参照して安易に弄るべき機械ではない
取扱説明書に回路の説明と調整箇所の解説がされており、調整箇所の意味を知った上で行ってほしい
なお、英文であるがネットでServiceManualをダウンロードして確認することも有用である
ビンテージマシンとは言え、メンテナンスには最低限の設備とノウハウは必要である

懐かしき2716

机の引き出しを整理していたら、何と懐かしき部品が出て来たのであった
昔懐かしきEP-ROMである

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<富士通製の2716 懐かしい>
紫外線に窓部分を当てる事によって記録された情報を消去して、再度書き込むことが出来る
当時はROM WRITERとROM ERASERはセットで、組込み系の仕事場には必ず置いてあったものである

この2716は8bit幅のデータが2K番地まで記録出来る読出し専用メモリ(ROM)であり、8×2048で16Kbitの容量である
27**と言うシリーズの**は記録出来るビット数の事であった

当時は、CPUとしてZ80が全盛期の頃であり、8085や6800などのシステムも存在していた
いわゆる、マイコンと呼ばれた世代である
プログラミング言語は殆どアセンブラであり2Kbyteの空間にどうやって、コードを押込めるか悩んだものである
(この後すぐに2732や2764が実用化されたので、一時的にサイズ不足は解消されるのであるが、その分仕様が膨らむので結局、コード圧縮の仕事は無くならなかった)

今やEP-ROMを書くことも無くなった
マイクロコントローラにはフラッシュメモリが搭載され、そのサイズも大きくなっている
Raspberry Pi等のワンボードからすると、隔世の感である

妄想としては、Z-80CPUや8255などを集めてワンボードを作ったら十分に懐かしさを味わえる
70年代終盤から80年代前半のシステムであろうとも、手間は一緒…いや今以上に大変かもしれない
アナログ系のものは古い機械でもフォーマットが変わらない限り使えるが、デジタル系の古い機械は
単なる産廃である…

この2716は今現在、どの様な使いみちがあるのだろう

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<ガラスパッケージが時代を感じる 昔は高価な部品だったのである>

 

TS-700GⅡ再度のFM復調確認

前回のFMユニットのディスクリミネータを交換して以来特に問題は無かったのであるが、SSGが入手出来たので正規の信号での復調を確認してみた

サービスマニュアルを見てみると、1KHz(ナロー)デビエーションの145MHzの信号でFM-IF-UNITのT3,T4を音声出力MAXにすると記載されている

まずはオシロを音声出力に接続して、SSGの信号をアンテナに入力する

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<調整箇所はいつものFM IF UNIT>

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<復調は上側と下側もほぼ対象で問題ない、歪を確認しながらMAXに調整する>

SSG(標準信号発生器)があると、必要な周波数と変調と信号強度を即座に設定出来る、とても便利であることを再認識である

また今回確認中に、CENTERメータ切替と間違えてSENDスイッチに触れてしまったのであった

SSGの保護回路が瞬時に働き、出力が表示’OFF’となり、警告アラームが鳴るのである

一瞬、壊したか? と焦ったのであるが、復帰処理で問題無しである

今まではSSGに外部から信号入ることは無いと、多寡を踏んでいたのであったが、身に沁みて保護機能の有り難さを知ったのであった

(やっぱり、私もやらかしてしまったのである)

SSGの保護機能の動作確認も同時に行った、FM復調確認であった

 

昔の同軸切替器の挿入損失を測ってみた

最近、ヒマがあればそこいら辺のモノを測って遊んでいるのである
今回は、昔の同軸切換器である

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<測ったモノはコレ Mコネクタなので高い周波数でのロスの原因はコネクタかも…>

 

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<ダイキャストのキャビティ構造である>

実際測ってみたが、600MHzで約-2dB程度、430MHzで-1.5dB程度、150MHzで-1.5dB程度、50MHz以下で0.5dB以下って感じであるHF帯では十分に使えそうであるが、U/Vだとちょっと厳しい感じである

*もしかして、この切替器は清掃が必要なのかも…
特に400MHzからの落ち込みは、M型コネクタの特性が足を引っ張っていると思う

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<1dB/100MHz  0.1MHz~1Gまで手動スイープした画像 >

いつもの通り、1MHzステップの手動スイープで特性のエンベローブはピークホールド機能で記録したものである

SSGがあるとこんな遊びも出来て大変楽しい
(こんな遊びをしているとTG付きのスペアナが欲しいのであるが、まだまだ我慢)