TS-700GⅡ の 感度

いままで余り気にしたことが無かったが、40年選手のこの機械の感度はいかほど?
確かに最近の機械と比較すると、なんとなく感度は悪いような気がする

交信は十分に楽しめるのであるが…

IMGP6264

スペックは以下の通り記載されている
FM Less then 1μV for 26dB S/N

うーん、今まで気にしたことが無かったので、解釈はノイズとの差が26dB以下、FM なので信号が聞こえればOKという意味ななのだろうか?   その時の電圧が1μV以下と解釈したのであった
ちなみに、その電圧値は解放端なのか終端なのか、うーん解らない

とりあえず1.0μV(PD)でFM変調信号を入れて変調音が聞こえればOKという意味でとらえてみたのである
(どなたか間違っていたら教えて下さい)

SSGで145MHz、1KHzのFM変調、1μVを出力してみた
結果は、ザラザラ感たっぷりであるが、とりあえずは変調を確実に確認出来たのである

と言うことは、これはこれで仕様の範囲なのであろう

ちなみに、そこら辺のPLL機で同じ条件で受信すると、きれいに復調するのであった
同じレベルまで10db位の差があったのであるが、こんなものであろう

普通に交信は問題ないのである、10dBのアッテネータ入りと思えば気持ちもすっきりである… やっぱり昔はこんな感じだったのである

そういえば、昔この機械向けの本体内蔵プリアンプが売ってて、ローカルが俺のマシンはスペシャルと騒いでいた記憶がある

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<この機械も Sメータの補正をしたい>

 

SSG が到着したのでお試し

SSG(標準信号発生器)が到着したのであった
この機械は、100KHz~2GMHzまで信号を発生することが出来、AMとFMそして位相変調が掛けられるのである

IMGP6218

<到着した標準信号発生器>

SSGは、特に微弱信号の発生には必需品である
普通の発信器や送信機の等を使う場合、どうしても漏れ電波で微弱信号の測定が難しい事が多い

特に、受信機の感度確認や、トラブルシュートをする時はとても重要である

私も、ハンディ機を缶の中に封入したりしたのであるが、私の技術では中々うまく行かなくなった

また正確なアッテネータによる出力レベルの確度を考えると、SSGは必須となってしまう

いかんせん、個人の趣味で使うものである
本来であれば、校正機関に校正してもらったあとに、使用するのが前提である’標準信号’であるが
そんな財力は無いので、自家で測れる範囲で動作の確認を行っている最中である

とりあえず確認してみた所、基本的な動作はOKである

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<1GHzでの出力レベル確認 良好である>

IMGP6220

<FM変調の確認 デビエーションは2.5KHz>

LSBとUSBの違い について

今更であるが、数式を使わないでを記載してみた
当たり前のことの復習記事なので、殆どの方々はパスして下さい…である

SSBとはLSBまたはUSBどちらかを使った変調のことである
LSBとはキャリア周波数から下側の側波帯のことである
USBとはキャリア周波数から上側の側波帯のことである
この辺りのことは、ネットや、無線技術の教科書に詳しく解説がしてある しかし眠気を誘うのも事実であろう…..実際私がそうである

例えば、そこら辺のHF無線機で3.925MHzを受信してみて欲しい
この周波数はラジオ日経の第1放送である

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<そこら辺のHF無線機で3.925MHz USBを受信している所>

殆どのデジタル表示の無線機であれば3.925MHzに合わせるだけで、受信モードがLSB、USBどちらでも、音声としては復調出来るハズである
モードを逆に切り替えても、音声として復調出来るハズである

アナログVFO機であっても、キャリアの0ビート付近で音声を復調出来るハズである
アナログ機の場合、LSBで完全に同調してあればUSBに切り替えて約2.6KHzずらすことで、音声を復調出来るハズである

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<DRAKE R-4Aで3.925MHz LSBを受信している所>

これらの操作はキャリア周波数を中心として、それぞれの側波帯を受信した操作である
AM変調は、LSB信号とUSB信号それぞれの成分を持っているので、原則としてLSBとUSBどちらでも復調出来るのである
(例外は、LSBまたはUSB信号にキャリアを加えたAMモドキの信号)

しかし、LSBの信号をUSBで受信すると、モガモガ状態となって音声とはならない、逆もそうであ

では、800Hzの一定信号をマイク端子から入力してLSBで送信してみる
これは単なるキャリア信号で、表示周波数から800Hzを引いた周波数のCWである

では、800Hzの一定信号をマイク端子から入力してUSBで送信してみる
これも単なるキャリア信号で、表示周波数から800Hzを足した周波数のCWである

音声信号は帯域約2.6KHz(殆どのフィルタの場合)の様々な周波数成分の寄せ集めと考えることが出来る
USBとUSBの違いのポイントは音声スベクトラムの高低が逆である点である

この辺りは、RC発信器の出力をマイクに入力して、色々と実験してみると楽しい
当然、出力はダミーロードである

 

PIC 16F88のPUSH POPについて

久しぶりのPICネタである

ミッドレンジのPICである16Fシリーズには、データスタックが無い
プログラムスタックは8段(最近のF1シリーズは拡張されている)となり、ネスティングが8段までとなり、プログラムスタックは、ソフトで読み書きは出来ないのである

PICでプログラムを書いていると、WレジスタがPUSH/POP出来るればと言う妄想が浮かんで来る、ついては、PUSH POPマクロをでっち上げてみた

マクロを使う場合、コードの中に以下のデータを定義する
.
.
dstack Udata_shr  h’78’
dstack_area res     8
;dstack_sp res  1
;dstack_fsr res 1
;dstack_w res  1
;dstack_data res 4
.
.

内容は Fレジスタの78番地からスタック用として8バイトを確保している
貴重な8バイトなのに、スタック出来るバイト数は4バイトなのは、愛嬌である

ちなみに70H~7FHのFレジスタは共用メモリとして重要である
メモリバンクがどこに設定されていても、必ず読めるアドレス空間である
従って、ここにスタックデータを置くことになる
以下がマクロである

;—————————————-
;Memory addrerss 00h-FFh 対応 (bank 0,1 only)
;PUSHW
;Wレジをスタックする
;78h dstack_sp データスタックポインタ
;79h dstack_w W reg save
;7ah dstack_fsr FSR save
;7bh-7fh dstack_data 5 level stack data
;

dstack_sp equ      h’80’-8
dstack_fsr equ     h’80’-7
dstack_w equ      h’80’-6
dstack_data equ  h’80’-5
;

;例: PUSHW
;—————————————-
PUSHW macro
movwf dstack_w    ;Wreg save
movfw FSR
movwf dstack_fsr   ;FSR save

movfw dstack_sp
addlw dstack_data   ;W=stack data offset
movwf FSR              ;FSR (stack_data)+sp

movfw dstack_w
movwf INDF            ;W → stack_data

incf dstack_sp,F        ;stack_sp ++

movfw dstack_fsr
movwf FSR               ;restore FSR
movfw dstack_w       ;restore W
endm

;—————————————-
;Memory addrerss 00h-FFh 対応 (bank 0,1 only)
;POPW
;スタックからWにデータをセットする
;78h dstack_sp データスタックポインタ
;79h dstack_w W reg save
;7ah dstack_fsr FSR save
;7bh-7fh dstack_data 5 level stack data
;
;例: POPW
;—————————————-
POPW macro
movwf dstack_w      ;Wreg save
movfw FSR
movwf dstack_fsr     ;FSR save

movfw dstack_sp       ;W=stack data offset
addlw dstack_data     ;W=stack data offset
movwf FSR
decf FSR,F                  ;FSR (stack_data)+sp-1

movfw INDF              ;stack_data → W

movwf dstack_w         ;Wreg save
movfw dstack_fsr
movwf FSR                  ;restore FSR
decf dstack_sp,F           ;stack_sp —
movfw dstack_w          ;restore W
endm

 

 

MPLABX

<MPLAB X IDE の画面>

デバッグはマダである
従って利用するには、大変な勇気が必要となると思われる
当然であるが、サポートは何も無いのである

実は少し使って見たので有ったが、WレジスタのPUSH/POPのために、貴重なプログラムエリアを無駄に消費してしまうのである

画期的と思ったのは私の妄想であった
。゚(゚´Д`゚)゚。

TS-700無印のディスクリミネータ

先日TS-700GⅡのFM復調の不調のため、TS-700無印からFM検波コイル(ディスクリミネータ)を移植したのであった
TS-700無印はセンタメータ機能が無いので、セラミックのディスクリミネータの移植を考えていたのである

IMGP6164

<ディスクリミネータ(T1,T2)を外したTS-700無印のFM IF UNIT>

TS-700無印とTS-700 GⅡ共にレシオ検波である、TS-700 GⅡは検波後の位相差をセンタメータに利用している

TS-7002_detector

<回路はTS-700 GⅡのもの T3,T4 は無印のT1,T2と同等>

今回は後段T2側の不具合だったので、T2の替わりにセラミックディスクリミネータを取り付ける計画であった (若干回路変更が必要なので小さな基板をでっち上げるつもりであった)
T1については検波前のトランジスタを動作せるために使う予定で考えていたのであるが
とりあえず、問題のT2を作業開始前に再度取付けて確認してみたら、正常動作していたのである

\(^o^)/

正常動作した原因で考えらる点は、前回取り外した後段のディスクリミネータを分解しようとして色々とコジッた位である
そこで、内部の接触不良が復帰した可能性が高いと思っている

これでTS-700無印も動作品に復帰してしまったのであった、暫くこれで様子見である

(部品が普通に購入出来るのであれば無条件で交換であるが….無い部品は大切である)

まぁ40年以上前の機械である、TS-700の設計者も、ディスクリミネータの設計者も40年経ってからも使われるなんて夢にも思っていなかったであろう

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<代替で使う予定だった 455KHzセラミックディスクリミネータ>

 

Drake R-4A に水晶を増設してみる その2

件のR-4Aである

今回は、HC-6Uの水晶を大先輩の矢花氏から有り難く頂いたのであった
その発振周波数も、37.77778MHzである
この水晶だと、26.687MHz付近~27.187MHz付近が受信出来るのである

HC-6Uタイプの水晶なので、そのまま取付けが出来る

IMGP6186

<HC-6U 水晶>

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<発振周波数は37.77778MHz>

 

IMGP6189

<R-4Aの水晶デッキに水晶を取付てみたところ>

11mバンドを聞くのも久しぶりである、以外と多くの交信が確認出来た
最近、これみよがしの11mアンテナを付けたトラックは見かけなくなった
それでも、自宅の近くでは、結構強いレベルでの交信が結構聞こえるのである
11mバンドもステルス化が進んでいるのだろうか?

LCフィルタによる4.8KHz帯域は、11m受信にとても快適である
11m帯はAMなのでやっぱり6KHzの帯域である
2.4KHzのSSBフィルタで暫定的に聞くのとは、音質が全然違うのであった

だから何なの? と言われると困るのであるが、単なる技術的興味だけである

それにしても、未だに11mの専用用語が聞き取れないのは、経験不足である

 

TS-700GⅡ の FM検波トランス の交換

件のTS-700 GⅡであるがFM音声の歪感について対策を実施した
TS-700 GⅡのFM検波は、第2IFである455KHzをレシオ検波で音声を出力している

レシオ検波は同調点の異なる2つの共振回路にFM信号を通すことで、周波数変位分を音声に戻すのである
この機械では、FM IF UNIT内のT3,T4がレシオ検波専用コイルとなっており
このコアを調整する事で音声検波を調整している

(このコイルはディスクリミネータと呼ばれる部品で、近年ではセラミックの無調整が殆ど)

不具合の内容は音声の歪であるが周波数変位の片方が動作していない
とりあえずの音声にはなるが、アンプで言う所でのB級増幅と同じ感じとなっている

元々ドナー用にTS-700無印を入手していたので、今回はTS-700無印からFM検波コイルを移植してみる

本来はT3,T4と2個セットで交換するが普通と思うが、今回は切り分のためT4から交換を行ってみた

IMGP6167

<TS-700GⅡのFM IF UNIT 赤丸が交換したT4>

IMGP6168

<レシオ検波専用コイル T4>

交換後の結果はビンゴである
このT4の不具合である、交換後復調の調整を行った所
音声のひずみ感は無くなり復調はバッチリである、TS-700独自の太い受信音が戻って来たのである

この修復によって、センタメータの振れる範囲も正常となった(両側の位相分が正常出力されているので、当然ではある)

再度Sメータの調整を実施後に、センタメータの調整を行ってみる、センタメータの振れ幅が正常となっている

151123201743

<TS-700GⅡのセンタメータ>

これで件のTS-700GⅡは、ほぼ完動状態となったのである 部品取りしたTS-700無印も復帰を考えたい

 

 

TS-700無印の デビエーション調整 と 搬送波抑圧比調整 をしてみる

件のTS-700無印である
今回思い切って、デビエーション調整と搬送波抑圧比調整をしてみたのである
まずは搬送波抑圧比の現状から

IMGP6119
<145MHz USBの搬送波抑圧比33dB>

あまり良くないのである

 

いわゆる、少しキャリア漏れ状態である

色々と調整を追い込んでみるが、搬送波抑圧比は36dB位までしか追い込めないのである
本来であれば、もう少し追い込んで40dB以上の状態まで持って行きたい所である

ここはちょっと匂いがするかも知れないが、ほんの少しのキャリア漏れは愛嬌として誤魔化すってものであろう
もともと、SPOT-SWでキャリアを派手に出してガイトトーンを出す機能の付いている、TS-700無印である
また時間がある時にでも、また遊びながら追い込んでみたい
デビエーションについても測定してみた
この機械が販売されていた頃は、145MHz帯のFMセパレーションは40KHzのワイドであった
TS-700無印は内部のコネクタ変更で送信帯域を変更出来るのであるが、現在20KHzセパレーションの状態では、お隣さんへ混信してしまう状態である

多分この機械が現役だった頃は、となりの周波数ではザワザワ感がしたのであろうと予想する、古き良き時代であった

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<FMのデビエーション調整前はワイドモードである>

とりあえずは現行基準でデビエーションを4.8KHz程度に調整をしてみた
これでFMについては、周りにご迷惑を掛けることは無い

古い機械だからこそ、最低限の電波の質については気を遣いたいものである

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<FMのデビエーションを4.8KHzで調整する>

TS-520X の Sメータ その2

件のTS-520XのSメータであるが少し較正してみた
前回の確認でも殆ど問題無かったのであるが、気持ちのズレ分の較正を行ったのである

IMGP6112

<調整箇所は2つVRで行う>

調整は0点調整と感度調整となっているが微妙であり、それぞれが影響し合うのでじっくりと向き合いたい

厳密にSメータの調整をする場合は、それなり精度の基準信号が必要である
較正の基準信号は14.2MHz・100μV(EMF) [40dBμ(EMF)/-73dBm]の信号をアンテナ端子から入力しS9のレベルを合わせる

-73dBmから-6dBずつ下がった所がS8~S1の位置となる様に調整を行う
S9~S1については大体6dBステップに調整が出来ていたのであるが、再度の確認を行う

今回はS9+10dB,20dB,30dB,40dBの位置も測ってみた
+10dB以上になると少しズレも出るが、これはもう誤差の範囲であろう

151120221731
< S9+10dB,20dB,30dB,40dB のメータ位置>

バンド毎の違いについても測ってみた

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<左上から21MHz,14MHz,下左7MHz,3.5MHz>

7MHzだけS指針1目盛り分(-6dB)程度のズレがあるが、他のバンドはS9の位置は変わらない

今更Sメータにこだわっても仕方が無いのであるが、やっぱりSメータは有るべき姿で指針を指すべきであろう

TS-520X(多分Dも同様)のSメータ精度は素晴らしい精度である
ここにTRIOの心意気を今更に感じてしまうのである

TS-520X (100W改造機)の 搬送波抑圧比 の確認

件のTS-520X(100W改造機)のキャリアサプレッションレベルを確認してみたのである

キャリアポイントは他の無線機で送受信を確認した所、ほぼ良好なので今回は全く手を入れていない
今回はキャリア漏れ(キャリア抑制)の確認である

まずTS-520Xとスペアナの接続であるが、件のCMカップラを使用して出力分の約-20dBのみ測定側へ電力を取り出す (勿論残りの電力はダミーロードで熱に変える)

IMGP6101IMGP6102

<CM型カップラで-20dBの電力を取り出し、更にパワーアッテネータで減衰させる>

100Wの-20dBだと1Wになるので、更に-20dBのパワーアッテネータとステップアッテネータを組み合わせる
スペアナの入力電力を-10dBm程度まで減衰させる

スペアナの耐入力は20dBm程度はあるが、当然の事ながら歪が発生してしまい何を測定しているか分からなくなる、基本は-10dBm程度と考えたい

AF信号はマイク端子から1.5KHzの信号を入力する、マイクゲインはALCが振れ始める位置とした

入力の準備が出来た所で、今回は14.2MHzでのUSBとLSB双方の確認をしてみた

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<14.2MHz AF 1.5KHz  USBのスペクトラム>

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<14.2MHz  AF 1.5KHz LSBのスペクトラム>

それぞれのキャリアレベルは-43dBであり全く問題ない範囲である、少し前までは大体の機械が-40dB以下としていたレベルなのである

もし40年間無調整でこの値なのであれば、とても素晴らしい機械である

このTS-520Xもまだまだ十分に現役で活躍出来そうな機材である