TS-520X のMAKER を較正してみる

件のTS-520Xのマーカ発信器を較正してみた
TS-520XはMKR-3と呼ばれる25KHzのマーカ発信器がオプションとして本体に内蔵が出来る
このTS-520Xは内蔵されていたが、この頃のVFO機は水晶発振子によるマーカ発信器が必要不可欠であった

送受信周波数の読取りはVFOダイアル外周部のゲージで読み取るのであるが、その位置をマーカで校正するのである
MKR-3は25KHzの発信器であり歪を多くした出力回路で、高調波成分を多く出力する様になっている
その高調波成分を25KHz刻みの信号を受信して、ダイアル位置を合わせるのである

周波数カウンタをMKR-3の出力端子に接続するも、上手く発振周波数を測定出来ないのであった
今回は直接、出力トランジスタのコレクタから信号を取り出しして周波数の測定をしてみた

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<TS-520Xの25KHzマーカ発信器 MKR-3>

今回のMKR-3の実測周波数は25.00109KHzであった、定格値は±1Hzなので要調整範囲であり
この場合10MHzでは436Hzのズレとなり、21MHzであれば約900Hzのズレとなってしまうのである

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<較正前は25.00109KHz>

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<較正後は25.00018KHz>
MKR-3のトリマコンデンサで調整を実施し、25.00048Hz位までトリマコンデンサで調整出来た

これ以上の調整を行う場合は、トリマコンデンサの容量を変える・インダンクタンスを挿入する・水晶を変える・の選択肢となる
今回は定格値に入っているので良しとするのである
この場合10MHzでは192Hzのズレで、21MHzであれば約400Hzのズレである

まぁ、アナログVFOのキャリブレーションとしてはOKである

ちなみに、マーカ発信器の校正は10MHzのJJY信号とのゼロビートを取ることで行ったのである (JJYも無くなり寂しい限りである)
従ってこの頃のマシンは10MHz帯が受信出来るようになっているのである

マーカ発信器はVFO機では欠かせない機能であった

FT-101E VS TS-520X その2

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<TS-520XのVFOダイアル LSB,中点,USBと3点の読取りポイント>

操作面ではTS-520はVFOダイアルの周波数表示に拘っており、-1.5kHzと中点そして-1.5Hzで周波数読取りポイントが設定されている、FT-101はそこの拘りはない
同じバンド無いでCWとSSBを交互に運用する場合は便利ではあるが、これもマーカでのキャリブレーションをどのポイントに合わせるかだけなので、個人的にはどちらでも大勢に影響は無いと思う

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<FT-101EのVFOダイアル 読取りポイントは一箇所>

PLATEノブについては圧倒的にTS-520Xは使いにくい、PLATEノブが同軸でFIX-CHと共用であるのと、ノブ位置表示が下側になっており非常に解りづらいのである
慣れれば問題は無いのであるが、初めてTS-520D/Xを使う場合は戸惑うであろう
これはTS-520S/Vで改善されている
FT-101は大体の周波数位置が表示されており、また減速機構も備わっていたので操作は快適である

VOXなどの調整はTS-520が横面に調整VRがまとめられており便利である、FT-101は上面のボンネットを開けての調整となる
後面の端子類はFT-101の方が多く、IF-OUTやアンテナトリップがあり拡張性は高い
以前にも書いたがTS-520XのSメータは秀逸でありS9以下は6dBで指針とほぼ同期している

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<秀逸なTS-520XのSメータ >

性能自体は色々と語り継がれているが一点だけ大きな違いがある
それは、プリセレクタである
FT-101はギロチン呼ばれるμ同調でコアをPRESECTノブで操作する、TS-520では同調バリコンをDRIVEノブで操作するのであるが、やっぱりプリセレクタの性能はQの高いμ同調に軍配があがる
具体的には、夜間の7MHz帯で近隣諸国の強大出力の放送が開始される場合である
TS-520Xのドライブ機能ではこの強大な電波の影響がSメータに出て来る
FT-101のプリセレクタでの目的外周波数の減衰量が大きく影響は少ない
シビアな条件ではFT-101のプリセレクタの性能が効いてくる

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<FT-101EのPRESELECT μ同調で切れが良い>

 

双方共に当時のメジャーマシンである
それぞれ設計思想が異なるマシンであるが、現在に於いても実用になるマシンである
現在の視点で双方を使い比べると楽しく遊べるし、当時の技術水準の高さを改めて実感出来ると思う

FT-101E VS TS-520X その1

全く私の主観である
この話題は40年程前に多くの方々が色々と語ったのであろう
双方共、当時のメジャーマシンである

両機種とも発売されたのは1970年代中旬の頃である
偶々、我が家に鎮座しているのがFT-101EとTS-520Xであるのであるが
TS-520Xと比較するのであればFT-101BSが適当であろう、従って比較の機能面ではFT-101BS比較をしたい

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<TS-520X と FT-101E 1970年代の代表的なマシンである>

送受信周波数はFT-101BSは160mバンドに対応している、TS-520Xはマイナーチェンジ後のTS-520S/Vで対応したのであった
送信モートではFT-101BSはAMが最初から用意されている、TS-520Xでは’SSB Transceiver’と名乗っておりAMには対応していない

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<AM モードの有無が諸元上の大きなポイント>

FT-101は元々、北米での販売を意識していたのであろう
FCC規格でのCB帯にQRV出来るポテンシャルをマーケティング的に活用したのではないかと、個人的には考えている
日本に於いても当時FT-101シリーズでCB帯にQRVしていた方々は多かったのではないだろうか?
アマチュア通信では、この頃は殆どSSB化しておりAMを使う事は無かったと思われる
従って、AMモードが必須の方は黙ってFT-101シリーズを選択したのであろう
但し搭載のフィルタはSSB用であり、AM受信の場合は音声帯域が狭くAMの受信音質は良くない
(当時AMフィルタもサードパーティから販売されており、現在はプレミア価格である)

双方共スピーチプロセッサは内蔵していないが、TS-520Xではマイクゲインのノブを引くとALCの定数を変えるDXスイッチが付いていた
これでSSBの尖頭電力リミットを軽減して少しでもパワーを絞り出すものである
(個人的には少し反則技な様な気がするが…)
双方共マイナーチェンジによりFT-101E/ES・TS-520S/Vからスピーチプロセッサが搭載される

続く…

OCXOの校正その4

我が家の基準信号として使用しているOCXOである
先日GPSからの10MHz基準信号と比較してので、それぞれの差分を再度確認してみる

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<2台のOCXOを比較してみる 電源投入後1時間以上してから比較を行う>

比較については、OCXO-Aの出力を周波数カウンタの基準信号として入力し、OCXO-Bの出力を周波数カウンタで測定するだけである
我が家で真面目に周波数測定(といってし大した確度ではないが)をする場合は、この比較を行って差が0.5Hz以内であることを確認した上で測定を行っている

水晶発振子には、エージングレートと呼ばれる発振周波数が時間とともに変化する特性がある
例えば、エージングレート±1×10^6 と書かれていれば10MHz発振子の場合で年間10Hz以下のズレが発生する可能性がある
従って水晶発振子を使用している場合は定期的に周波数の確認が必要となってくるのである
例え温度補償回路付きのTCXOであれ恒温槽入のOCXOであれ、水晶発振子を使用している以上は経時変化の確認は必要不可欠であろう

良くメーカオプションのTCXOを入れているから自分の送受信周波数は正確と仰っている方がいるが、仮に初期値は正確かも知れないが経年変化のズレに対しての確認は必要かと思う
HF帯域では数ppmのズレがあっても気づかないことの方が多いし、気にする必要も無いと思う

しかしUHF帯域以上でSSBやCWを行う場合は要注意であり、定期的に自分の無線機の送受信周波数の確認は必要かも知れない

と言うことで、先日校正した2つのOCXOを発振周波数を比較してみた

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<校正済のOCXOを比較 差は0.1Hz>

OCXO-A・Bの発振周波数の差は0.1Hz以下であった、さすがに校正したてである

我が家の標準周波数として、また暫くは活躍してもらうのである

Sメータ の確認をしてみた

Sメータの校正

最初に校正と較正の違いはであるが、ざっくりと’校正は基準との違いを確認すること’で’較正は基準に調整すること’である
なので、今回は基準との違いを確認したのであった

先日お借りしてきたスイーパ基準信号発生器でSメータの確認をしてみる

30MHz以下のSメータの基準はS9を指す状態が、コネクタへの入力電圧は100μV(EMF), 40dBμ(EMF)となり、アンテナ端子の入力インピーダンスは50Ωのため、終端時の電圧は50μV(PD)となり、測定基準電力は34dBμ(PD)となる

S9以下の1目盛りのステップは-6dBとなる

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<14.2MHz -40dBμV(EMF)を受信した各機種のSメータ>

今までSメータの確度なんて、あまり気にしていなかったのである、と言うか受信機は測定器ではないので、この辺りは多分いい加減(良い加減です)でセッティングされている筈でSメータ自体の確度を気にする必要は無かったのである

しかし基準信号があると測りたくなるのは性なのであろう
と言うわけで、我が家のSメータの確度を測ってみた

受信機のマニュアル等をみると14MHz帯で校正しろと書いてある
実際に測ってみるとローバンドではゲインが上がるためバンド毎に差がある
きりがないので、14.2MHzで測定してみた

まずはDrake R-4Aであるが、S9の位置は少し9より上である
次にFT-101E であるがS9の位置はピッタリであった、FT-101ZではS9の位置でS8位である
ちなみにTS-520XではS9の位置でS8位であり、S9の位置には大きな狂いは無かったのである

次に各機械がS9になる信号から-24dBをアッテネ-タで減衰した信号を入力してみる

メータの指示はS5となるべき値なのであるが…

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<S9になる信号から-24dBのSメータ値>

素晴らしいのはTRIO TS-520Xであった、S9以下は規定通り6dB単位にS値が同期している。<これには本当に恐れいりました m(_ _)m>

次にDRAKE R-4Aである、バラツキはTS-520以上ではあるがS9以下は大体6dB単位にS値が同期していた

FT-101EとFT-101Zはちょっとリニアリティが怪しい、まあ難しい事を言ってはいけないのである 自分の修理時の較正が甘かったのであろう
クルマのスピードメータは車検毎に確度を確認されているが、Sメータは機械のAGC特性との関係もあり目安と考えるべきであろう
測定器は、表示がdBなのでログアンプと呼ばれる対数アンプで増幅するが、普通の受信機にはそんな機能は付いていない
Sメータは交信を楽しむためのモノであろう、特にSSB受信の場合は景気よく振れている方が感度がよさ気である

 

元祖 DC-DCコンバータ ??

現在は色々な回路で使用されているDC-DCコンバータである
昇圧型のDC-DCコンパータは、内部の発振器で発振させた信号を昇圧した電圧を利用している

約80年前にもDC-DCコンバータは存在していたのである
名称は回転式直流変圧器である

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<地三号受信機の回転式直流変圧器>

これは、直流モータでダイナモ発電機を回転させて発電する力技の、電力変換器である
入力がDC6V出力がDC200Vである

この回転式直流変圧器は、旧陸軍の地3型受信機に使われていた変圧器である
一般的に真空管を動作させる場合は、プレートに対して数100Vの電圧印加が必要であり、この変圧器は受信機のプレート電圧を確保するために使われている
交流電源が用意出来る場所であれば電源トランスで済むのであるが、交流電源が利用出来ない場所で使うために用意されている
元々真空管のヒータ電源として6.3Vが用いられていたのと、当時の自動車は6V電装が主流だったので入力電圧が6Vだったと思う

さてこの回転式直流変圧器であるが、大先輩の矢花氏から見てもらえないか とお預かりしたものである
内部のロータは固着しており、モータ部分の道通はあるがダイナモ発電機出力の道通は無かった
多分ブラシの接触不良であろう

70年以上前の貴重な重要文化財である、壊さないように慎重に作業を行う
まずネジは全て’―’ネジである 手持ちの工具箱から全てのマイナスドライバを取り出す
ネジ山にフィットするドライバを使用しないと、ネジ山を痛めるためである

電気回路修理には原則スプレー式の潤滑剤は使わないのであるが、長年の年月でネジは固着しているのでネジや接合部にスプレー式の潤滑剤を吹き付ける
1日以上置いておくと潤滑剤が浸透しネジの固着が緩和される

本来であれば全部を分解・洗浄・組立・再給脂となるのであるが、ベアリングを外す専用プーラが無いのでブラシ部分の清掃とベアリング部分の洗浄、電極接点磨きを試みてみる
一通り作業を行って、ダイナモ出力の抵抗値を見ると約600Ωと道通している

モータの電源にはCC制御が出来る電源を使用し電流制限値は3Aとしてみる
MAX電圧は3Vとして、まずは様子を見てみることにした
モータ入力にDCを印加すると、電流値はMAXの3Aとなりその時の電圧は約0.9Vであった
ロータを外から回してみると回転したのでユルユルと回転したのであった
モータ側のブラシ位置を調整してみたところ、きちんと回転を始めたのである
電流値は約2.5A、電圧値は3Vである

ダイナモ側のブラシ位置の調整をした所、100V程度の電圧が確認出来た
この状態で、発熱・発煙・異臭・異音が無いことを確認して、徐々に電圧を上げて見る
出力は無負荷であるが、モータ電圧6Vで205V程度の出力を確認出来たのである

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<回転中の回転式直流変圧器 2次側無負荷で6V 2.7A程度の消費電力>

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<2次側無負荷の出力は 205V>

とりあえずは、この回転式直流変圧器の基本部分は動作している事を確認出来たのである
しかしOHは必要であるので、軸受け構造など確認の上でOHを考えてみたい

<試運転の動画である>

ocxo の較正 その3

久しぶりに大先輩のファクトリにお邪魔したのである

ご挨拶もそこそこに、さっそく件のOCXOの較正を実施してみる

GPSの規準信号発生器とOCXOを一時間ほど通電し動作安定させたあとに、それぞれの比較を実施する

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<計測した周波数は9,999,999.9Hz >

比較に使う周波数カウンタはADVANTEST RS-372を使用し、GATEタイムは10秒で測定を行う
我が家の10MHz基準信号のOCXOを2台とも計測を行う
一台は、-0.6Hzのズレ,もう一台はズレは0.1Hz以内であった

早速基準信号に合わせた較正を行う、周波数カウンタのゲートタイムは10秒なので、10秒毎のカウントとなり多少面倒ではある
前回の較正から約1年である、これで1年程度は安心して基準周波数として用いることが出来る

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<調整中のOCXO>

GPSの規準信号発生器は中古品の価格もこなれてきているので、良い機械があれば一台欲しいものである

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<GPS基準信号発生器>

ちなみに、大先輩が使用しているGPS信号の受信アンテナはダイポールであった

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<GPS受信用ダイポールアンテナ>

TRIO TS-520X で周波数カウンタを使ってみる

件の直読型周波数カウンタをTRIO TS-520X で使ってみたのである

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<TS-520X に接続した 直読型周波数カウンタ>
TS-520X のリアバネルの外部VFO端子 (MTジャック)に、内蔵VFOの発振出力が出力されている (MTジャックの1pinと2pin)

TS-520SとTS-520VはリアパネルにRCAピンジャックでDG-5用にVFO出力が有る
ちなみにTS-520DとTS-520XはDG-5を接続するときにはDK-520と言うインタフェイスユニットが必要である

今回はTS-520Xへの接続なので、外部VFO端子からVFOの出力を取ってみることにした
とりあえず、付属のMT9PINプラグにVFO出力端子を付けてみた

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<付属のMT9PINプラグの1,2PINにPIN JACKを付けてみる>

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<この様に取り付けると違和感は無い このジャックがVFO出力となる>

TS-520 の送受信周波数計算はざっくり各バンド毎に表すと以下の通りである
•160m 7.3MHz – VFO発振周波数 (1.8MHz-2.4MHz)
(TS-520X,TS-520Dは無し)
•80m 9.0MHz – VFO発振周波数 (3.5MHz-4.1MHz)
•40m 12.5MHz – VFO発振周波数 (7MHz-7.6MHz)
•20m 19.5MHz – VFO発振周波数 (14MHz-14.6MHz)
•15m 26.5MHz – VFO発振周波数 (21MHz-21.6MHz)
•10m 33.5MHz – VFO発振周波数 (28MHz-28.6MHz)

ちなみに、VFOの発振周波数は 5.5MHz~4.9MHzであり、VFO発振周波数が5.5MHzの時がダイアル上では一番低いダイアル位置となる
例えば、7.195MHzを送受信する場合は、VFO発振周波数は5.305MHzである
上の表から、 12.5MHz – 5.305MHz = 7.195MHz  となる
周波数カウンタで7MHzの受信周波数を直読する場合は、オフセット周波数の12.5MHzから測定周波数を減算する事で直読が出来る

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<実際に受信周波数を表示してみた>

TS-520の場合も 他の機種と同様SSBを受信してゼロイン後に表示周波数が受信周波数と同じになる様にオフセット調整を行う
TS-520 の場合も、3.5MHz,7MHz,14MHz,21MHz,28MHzなどをバンドメモリにそれぞれオフセット周波数を登録し、バンド毎にメモリの切替が必要になり、モード毎のオフセットが気になる場合はモード(USB,LSB,CW)の切替も必要となる

純正品のDG-5ではバンド設定は無線機内部の局発信号とキャリア周波数を演算しているので、無線機本体のUSB,LSBのモードとバンド切替は周波数カウンタの表示に反映されるのである (当時としては素晴らしい機能である)

しかし、これでもバンド切替をマニュアルで操作すれば、ほぼDG-5の代わりに使えるのである
やっぱりビンテージマシンは周波数直読が便利ではある

届いた TS-520Xの整備

ざっくりと届いたTS-520Xの状態の確認したのであるが、まずは音声が出ない不具合の対処を実施してみる

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<届いたTS-520Xの裏面 とても綺麗である>

フロントパネルのヘッドフォン端子では聞こえるので、AF増幅回路は問題なしであろう
リアパネルの外部スピーカ端子にヘッドフォンを繫いでみると聞こえのである
次にスピーカ自体の抵抗を測ってみると、問題なしである
リアパネルの外部スピーカ端子の不良である
手持ちのミニジャックと交換して、この件は解決である

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<交換した ミニジャック>

バンド切替えスイッチと、モード切替えスイッチの接触不良であるが
接点洗浄剤と綿棒で接点を清掃していく、手の入らない箇所は洗浄剤をスブレーしながら接点を動かしてみる
お手軽メンテナンスである
本当であれば、ウェハーを外してイソプロピルアルコールで拭きたい所ではある

JJYとRITスイッチも接点から、洗浄剤をスブレーしながらスイッチを何度も動作させていく
接点洗浄剤は揮発性であるが、乾くまでは電源投入は避ける

ボリューム類は殆どガリ状態である
特に酷いのはRITのVRである、RITスイッチを押した途端に周波数が上下に変動するのである
これらのVRは古いタイプで端子とカバーの間に隙間のあるVRなので、隙間からピンセットで接点復活剤を極少量を流してからVRを何度も摺動させてみる

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<摺動ガリだらけのVR>

VFOの周波数ゲーシの動作不良は、単にVFOつまみの取付位置不良である
つまみを取り外して、再度組み付けでOKである
本来だと、ゲージとパネルの間はフェルトリングが入るのであるがこの機械には欠品だったので、また適当に探してみることにしたい
当面の動作には異常は無い

VFOの窓が内側から曇っているのと、白い100KHz単位のゲージも埃で汚れいており見苦しいので、これも拭き取ることとした
これはプラスチックの透明パネルであるが、FIXチャンネル切替えの取付ナットで共付けしてあるので、ナットを外して透明パネルを中性洗剤を染み込ませた布で拭く
VFOの白い100KHz単位のゲージも窓から綺麗に拭いて完了である
不具合があればVFOを取り外して対処したあとに清掃するであるが、不具合がないのに分解することは避けたい
(レストアであれば別であるが….)

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<アクリル板を外して、表示部分を拭く>

外観の整備は以上でおわりである
気合があれば、上ケースの塗装腐食点も乗り直すと見栄えがかなり違うと思われるが、まぁ今回は我慢である

さて内部調整であるが、一旦は受信も送信もほぼ正常そうである
只、内部は綺麗であるが内部の供給電圧電圧の確認と調整を行ってみる
9Vの電源はVFOなどの周波数精度に影響するので確認を行う、実測は9.05Vで問題なしである
次にAGC電圧の3.3Vであるが、実測3.4Vで高めなので3.3V±0.05程度に調整をする

本来であれば、この後BPFの調整から入るのであるが、現時点では触らないでおく
(触らぬ神に祟りなしである)

ここで受信感度の確認をしてみる
発振器で確認する周波数を出力して他の受信機との比較で感度を確認する
3.5MHz,7MHz14MHzは、ほぼ他の無線機と同等である
Sメータの振れが弱いので、メータ調整を行う(最大値でも少し弱いのでAGCの調整がまだ必要かも知れない)
21.MHz,28MHzは感度が若干落ちるようであるが、昔の使用感でもこんな感じだったので、まずは様子見とする

他の送信機からSSBでテスト信号をダミーロードに流して、それを受信をしてみる復調については問題は無いキャリアポイントの調整も様子見である
今度はTS-520XからSSBをダミーロードに流して他の受信機と鳴き合わせをしてる、この機械の変調も特に問題はない
送信周波数と受信周波数がズレの無いことも、相互の鳴き合わせで確認する
(PLL機だと基準周波数から周波数カウンタで調整が必要であるが、VFO機だと鳴き合わせが確実な気がする)

VFOの直線性について各バンドのバンドエッジとバンド中央値で確認を行う、これも良好である
再度送信出力について確認を行う、29.7MHzで100W,21MHzで110W,14MHzで120W,7MHzと3.5MHzで140W程度の出力が確認出来たのである
暫く受信状態でVFOのドリフトを確認してみる、1時間程度では受信音が変化する程のドリフトは無い

中々良好なコンディションまで復帰出来たのであった
(接点不良と各VRのガリは様子見であるが…)

これも、TSSへ保証認定の準備をしたい
変更申請が通れば、1970年代のビンテージマシンがFT-101EとFT-101ZSDそしてこのTS-520Xの3台となる
ビンテージマシンはとても素敵なデザインであるが問題はその大きさである

狭小住宅の我が家では場所の確保が課題である

ニューフェィス TS-520X である

オークションで落としたTS-520Xである
その昔、一時期所有していたこともあったTS-520であるが、縁有って再度我が家へやって来たのであった

このTS-520Xは、電源投入は確認済で・その他はNC/NRと言うものであった
決め手は、電源コネクタが付属していることである
この電源コネクタは最近入手が困難で代替品もそれなりに高価である
TS-520Xは定格が10Wなので、比較的安価で落札が出来たのであった

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<届いたTS-520X>

着荷したTS-520Xについて、一通りの状態確認をしてみた
まず外観であるが、ケース天板の一部が塗装が腐食している・後面は年相応でネジ類に錆がある程度である
操作パネルは比較的綺麗である
VFOダイアルを回すと周波数表示のスケールもダイアルと一緒に回転している
ケースを開けると内部は大変綺麗である
高電圧部分のコンデンサ等も外観には異常なさそうである

次に基本動作である
電源投入確認済とのことだったので電源を投入してみる、特に異臭・異音などはないので、しばらく通電後に受信確認を行ってみる

AF-GAINを回しても何の音もしないのであった
ヘッドフォン端子へヘッドフォンを繫いでみると受信ノイズは聞こえたので一安心である
この辺は簡単に修理出来そうである

但し、AF-GAINのガリは凄まじい、次にアンテナを繫いでJJYのSWを押してみた所、10MHzの基準放送が受信出来たのであった
受信が出来れば大部分は正常動作しているのである、少しホッとしたのであった
そのまま、パルス発振器で3.5,7,14,21,28,28.5,29.1を出力して受信確認を行う
すべてのバンドの受信はOKである

次にダミーロードを接続して送信試験である
モードをTUNE・メータ表示をIPに切り替えて恐る恐るヒータSWを入れて様子をみる、特に異臭・異音などはない
いよいよ、SEND SWをONにしてみる
IPが20mA程度である、LOADを浅くしてPLATEを回すとディップ点がある
ファイナル同調を取ると17W程度の出力が確認出来たのであった
全バンドをTUNEモードで送信を確認してみるとOKで29.7MHzでも15W程度の確認が出来た
基本動作は問題なさそうであるである

オークションで入手したビンテージマシンの場合、何らか手を入れられて可能性が高いので、ここまで動作の確認が出来るとまずは安心である

動作確認の最後にマイク端子から1KHzを入力しての確認を実施する
TUNEモード・14.2MHzで同調を取り、USBで送信テストを行ってみた

ここで異常を発見したのである
TS-520Xは10W機であるのに、この機械は30W程度の出力が出ているのである
異常発振か?
内蔵メータをHV(高圧電圧)に切換えると、なんと800Vである
IPは180mA ??

(本来は最初に確認すべきことであるが….)
であれば、単管50W仕様に改造の可能性もあるし、もしかして100W改造機かも知れない
この状態で、PLATEとLOADの微調整を行ってみた

なんと100Wあっさりと出力されたのであった
電源を切って、高圧部の上面パネルのメクラ板を外してみると、出力管が2本鎮座していたのであった

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<届いたTS-520Xは100W改造機であった…>

偶には良いことがあるのである \(^o^)/

後は一通り不具合箇所の対応をすれば、この機械も現役復帰出来ると思う

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<S2001を磨いてみた 気持ちが良いのである>