TS-700GⅡ の修理にチャレンジ その2 VFOが発振停止する周波数への対応

シルバーウィークの2日目である
相変わらず、予定の無い私はボ○のTS-700GⅡを突いているのであった

さて、前回に続いて今回はVFOの修理にチャレンジすることとする
現象は、14X.4MHz以下と14X.6MHz以上でVFOの発振が停止することである

TS-700のVFOは8.200MHz~9.200MHzまでをカバーしている
(後、500KHz高ければFT-101のVFOと高低逆になるが互換性が有ったのに残念である)
症状として、8.600MHz付近から8.800MHz付近までしか発振していないのである

で、まずはバラシである
フロントのツマミ類とエスカッション類を取り外す
この機械は、移動運用等で水を被ったと思われる後がある
VFOのノブはサビで固着しており、取り外すのにCRC-556の助けを借りながら、小一時間も掛かってしまったのである

IMGP5791

<ツマミ類を外した写真>

その後、VFOの固定ネジ4箇所を外して、やっとVFO単体が取り外し出来る

IMGP5792

<VFOを取り外した所>

その後、VFO単体で動作確認を行う
この頃のVFOは単体で動作確認と調整が出来るので、この点は便利である

IMGP5793

<VFOの単体チェック>

その状態で、発振停止したVFOの回路をオシロスコープでチェックしていくと、Q1 3SK22が発振していない
オシロスコープのプローブであちこちを突いていると、一瞬発振する時があることを確認した
と言うことであれば、発振コイル・バリコンのどちらかの不具合と予想して、コイルを突いても状態が変化しない
バリコンを突いてみると、ロータ側の軸付近を突くと状態が変化するのである
機構を良くみると、板状のスプリングでロータのアースをしている
この板状の通電スプリングの接触不良である

IMGP5796

<通電スプリングの写真 ドライバの先端が通電スプリング>

で、対処として接点クリ-ナを掛けながら、細めのタコ糸で接点を清掃する
タコ糸を通す角度を変えながら、綿密に清掃をする
その結果は、8.2MH~9.2MHzまで全周波数問題無く発振することが確認出来た

その後、VFOのギアにごく少量のグリスでグリッスアップを行い、VFOのケースを取り付け発振レベルと発振周波数の確認を行った
周波数でのレベル変動は殆ど無く、周波数もピッタリである

IMGP5797

IMGP5802

とりあえず、本体と繋いで動作確認を行う
おぉ 問題なく全周波数の受信が出来るのである (^_^)v

この後は、フロントパネルの清掃やら、インジケータ球切れや、全体調整を行う予定である
まだまだ、道のりは遠そうなのである

固定チャンネル修理編に続く

 

TS-700GⅡ の修理にチャレンジ その1 FMが聞こえない

シルバーウィークの始まりである、私はこれといった予定が無いので先日 林大先輩から贈呈いただいた、TS-700GⅡの修理にチャレンジしてみることにした

不具合箇所は沢山あるが、まずFMが受信出来ない不具合を追ってみる事にしたのである
(VFOの修理はパネル分解が必要なので簡単な所からチャレンジしてみる)

TS-700_block
<TS-700のブロック図である>

ブロック図を見ると、FM受信の時は’FM IF UNIT’に10.7MHzに変換された信号が入力されて、10.7MHzセラミックフィルタ通過後に、455KHzに再度変換され、その後にFM検波となっている
この回路を追えば、この不具合は直りそうではある

で、近くのハンディ機で145.48KHz付近でFMを出してみる
なぜなら、VFOが145.40以下は発振していなさそうなので、受信が出来る所でテストしてみる

音声は聞こえないがSメータは振り切れているので、受信の基本機能は正常そうである,’FM IF UNIT’’の入力には10.7MHzの信号は入力されているのである
次に455KHzの変換出力を確認すると455KHzのIFが出ていないのであった…

そうなると当然、第2局部発振の10.245MHzの正常発振の確認が必要である
’FM IF UNIT’のQ7 2SC460のコレクタにオシロのプローブを当ててみる
ビンゴであった 10.245MHzが発振していないのである

只この場合は10.245MHzの水晶発振子のアクティビティ低下も考えられるが、まずはQ7を換えてみることにしたのである

IMGP5804

<白丸部分が換えたトランジスタ>

2SC460なんて多分入手は難しいと思うので、手持ちの2SC2668を代用品で使ってみることにした
代用品を使う際に気を付ける事が一点ある
2SC460の足は、品種のプリント面の裏面から’E’,’C’,’B’の順となっているのである
最近の石で代用する場合は、取り付け方向には十分に注意すべきと思う

さて、トランジスタを換えてテストをしてみると,10.245MHzの発振が正常となったのである
この不具合については、FM IF UNITのQ7 2SC460の不良である

IMGP5789

<発振の確認画面>

ハンディー機で自分の声を送信してみると、音声の確認が出来たのである
この件の修理はOKそうである

IMGP5788

<動作不良の2SC460>

 

しかし、この後が大変(と言うか面倒)そうである

VFOの出力は、ピンコネクタなので簡単にチェックは出来る
オシロスコープで、VFO出力を確認してみる
やっぱり、VFOの周波数位置でVFOの発振が止まることが、確認出来た

VFOの修理編に続く

 

真空管 から トランジスタとIC化 そしてSDRのことをちょっぴり

増幅素子のミニ変遷である

この4つの部品は皆、増幅素子なのである
そもそも増幅素子とは、元の信号をより大きな信号や電力に変換する部品である

IMGP5786

写真の一番左は一般的な信号増幅用真空管である
真空管は、グリッドに加えられた入力電圧の変化が、プレートとカソード間の電気抵抗の変化となる
一般的にはプレートには200V位の電圧が印加されているので、グリッドに加えられた入力電圧の変化がプレート電圧の変化となり、増幅度は大きい
プレートへの印加電圧は高いが、電力増幅管以外では電流はあまり流せない

写真の左から2番目はゲルマニュウムトランジスタである
このタイプのトランジスタは、ゲルマニュウムを使用している初期の頃のトランジスタである
今のシリコントランジスタとは材料も作り方も価格も大きく異る
トランジスタは、ベースとエミッタ間の入力電流の変化が、コレクタとエミッタ間の電気抵抗の変化となる
ゲルマニュウムトランジスタはベースとエミッタ間の電流が流れ始める電圧値が約0.2Vと低い
従って、単純に現在のシリコントランジスタへの置き換えは簡単には出来ないことが多い

写真の左から3番目はシリコントランジスタである
このタイプのトランジタは非常にポピュラーなものである
材料の高純度なシリコンも安く量産され、技術の進歩で高い周波数まで対応が出来る
入力信号から出力信号の取り出し方は、ゲルマニュウムダイオードと同じである
但し、シリコントランジスタはベースとエミッタ間の電流が流れ始める電圧値が約0.6Vが標準的である
電力増幅用のトランジスタは、コレクタとエミッタ間の電流が多く流せる

一番右は電界効果トランジスタ(FET)である
この電界効果トランジタはゲートに加えられた入力電圧の変化が、ソースとドレイン間の電気抵抗の変化となる
一般的なトランジスタは入力は電流値なのに対して、電界効果トランジタは電圧値である
そのことは、真空管と同じく入力のインピーダンスを高く取れるため、高周波信号増幅によく用いられる

現在ではシリコンを材料としたIC化が進み、最近ではデジタル回路の高速化が著しくなりDSP(ディジタル信号処理)搭載のチップも多い
DSPでアナログで処理をしていた帯域フィルターや検波などがチップ内で処理が可能となっている
チップ内部のソフトウェアを書き換えると色々なフィルターや復調処理が可能であり、そのチップを使用した受信機をSDRと呼んだりしている
しかし、DSPのプログラミングは一般人には難しくチップの種類毎での互換性は殆どない、よく言われることにソフトを入替えて色々な受信機が出来るというのは嘘ではない、しかし一般人は神様が作ってくれるかも知れないソフトウェアのリリースを待つしかない (神様はアマチュアが好みそうなSSBとかよりも、需要が桁違いに多い携帯電話などのデジタル処理に興味がありそうであるし、神様も大変忙しそうである)

メーカの開発者であれば、部品点数が大幅に減らせるDSPを使ったSDRのアドバンテージは高いのであるが
量産をすることがない、一般人はディスクリート部品で遊んでいた方が自由度は高いと思う(2015現在)のである

 

スペアナ で聴くラジオ放送 (あんまり意味なし)

スペアナ で ラジオ を聴いてみたのである

昔の職場の同僚が、EMI(電子機器から発生する電界・磁界のノイズ)測定の順番待ちの時に、スペアナでラジオを聴いていたと話していたのを思い出したのであった

そう言えば、スペアナは確かに受信機ではある、それも超広帯域であり、受信帯域幅も自在なスーパマシンである (本当か?)

使った事が無いメニューに、DETと言うモノが有った事を思い出したのである
とりあえず、スペアナの入力に適当にアンテナを繋いで、1242KHz付近をスキャンしてみる
ちゃんと、中波放送のスペクラムが出たので、スイープ(周波数のスキャン)をマニュアルに切替え、検波をAMにしてみた
帯域は3KHz


<日本放送をスペアナで聴いた所>

うーん 音が..悪いがとりあえず内容は出来るのであった

 

ラジオの方が遥かに選局や検波の操作が楽なのである

次に、FM放送を聴いてみた

<FM放送をスペアナで聴いた所>

85MHz帯をスキャンして、検波をFMにしてみた
帯域が広いので、AMよりは聴きやすいのであるが、決して好んで聴きたいと思う音質ではない
とりあえずは、音声かどうかを確認するレベルだと思うのである

普段はスペアナで音を出して見ようなんて思いもよらなかったが、変な事を思い出すモノである

メーカのEMI測定に使うスペアナはとても高価である、しかし超高価なスペアナでもラジオとしての音質は多分悪いと思うのである

やっぱり、この機械は混変調歪がとうしたこうしたとか、スプリアスがどうのこうのとかを呟くのが一番似合っている、汗臭い機械である

 

 

1970年代 の最新鋭機 FT-101Z

FT-101Zなのである

この機械はFT-101と名乗っているが、中身は全く違う機械である
(マーケティング上の配慮で、FT-101の名前が残されたと思う)

IMGP5779

この機械も、故障品の貰い物である (ZSDの100W改)
ある日、受信しか出来ないFT-101があるので、欲しかったら上げるとの申し出が有ったので、有り難く頂戴してきたマシンであった。
もう、かなり前なので、自分が手を加えた内容は忘れてしまったが
12BY7Aのカットオフ回路が焼けていて、12BY7Aがボケていた

IMGP5781

<その時の12BY7A  ゲッターの鏡面が白く濁っている>

焼けていた抵抗を修復し12BY7Aを交換した所で、送信が可能となったのである
>12BY7を快く恵んで頂いた 大先輩の矢花氏大変ありがとうございました

その後、取扱説明書に従って確認調整をした所、IF widthの周波数ズレとクラリファイアのズレ、終段の中和でほぼ所定以上の出力も出る様になったのであった

この機械は出力管が本流FT-101の6JS6Cから6146Bに変更されている
この頃の機械は28MHzが50Wに制限されている(本流FT-101には制限は無かった)
私の場合は28MHzで50Wも出れば実用上問題ないのであるが、取敢えず終段管へのスクリーングリッド電圧の制限を外して100W化とした (何故か回路図には記載されていない)
さすが6146Bである 29.7MHzで100W以上の出力が確認出来た

最近はあまり使用する機会が少ないが、WARCバンド対応機なので18MHz,24MHz,そして28MHz帯に出る時に使う程度である
(最近は根性無しで殆ど出ていない)

内部の周波数構成は本流FT-101と全く異なり、当時のフラグシップFT-901の兄弟機である
面白いのが、FMユニットとAMユニットがoptionでどちらかかを選択出来る
ちなみに私の機械はAMユニットが装着されている

更に私の機械は、周波数カウンタ付きのFT-101ZSDである
100Hz単位で送受信周波数の直読が出来る 素晴らしいことである

当時の高級機らしく機能てんこ盛りなのであるが、送信時の調整に使用する’MOX’-SWは都度VOXツマミを左に回し切る必要がある
どうしても、送信時のファイナル調整の時に違和感が残ってしまう
VFOの操作感は、ギア感がなく本流FT-101の操作感とは異なり、VFOの増減方向も本流FT-101と逆である

何気に気になるのが、マイク入力インピーダンスである、本流FT-101は50KΩだったのに600Ωに変更されている
本流FT-101のマイクがそのまま使えないのは残念である

IMGP5775

<写真は50KΩと600Ωの切替付きのYD-844A>

IMGP5778

<底面にもSWが有り、手で持つと送信され 倒れても送信される お茶目なマイクである>

 

全く個人的な考えであるが、この機械は古い機械を使っている感じがしないのである
それだけ完成度が高かった機械だと思うが、私的にはWARCバンドの専用機となってしまうのである

TRIO TS-700GⅡ いわゆるジャンク品

これまたズバリ1970年代の機械である

発売時期は1975年位であろうか、FT-101Eとほぼ同じ発売時期と思う
この機械は、友人がわざわざ仙台から発送してくれたのであった

発送の経緯は以下の通りである
そういえば使っていないTS-700あるけど、お前は古い機械が大好きだよな
電源コネクタ改造してあるけど、送るから遊ぶといいよ!

と言うことで、粗大○○がまた増えてしまったのである
(送って貰っておいて、我ながら失礼な言い方だと反省してます)

IMGP5763

<外観は年代相応って感じ>
さて、送って貰った TS-700 GⅡであるが外観は年代相応である
フロントパネルはツマミの止めネジのサビ以外は、特に問題なさげである
VFOの回転はスムースで違和感は無いし、各ツマミ類の操作も大丈夫そうである
リアパネルは、純正の100V/12Vのコネクタから100V専用のメガネコネクタに換装されている
カバーの内側は、比較的綺麗である
水晶発振子が32と48が2個搭載されていたのであるが、同じ48の水晶2個は何に使っていたのであろうか?

IMGP5764

<電源コネクタが換装されている>

送り主からは電源は入るよ!  とのことだったので、電源を入れて状態確認をしてみた

現在の時点でざっくりと確認した不具合は以下の通りである
・VFOの周波数ズレ
・VFOの位置によってVFOの発振停止
・FMが受信出来ない (Sメータは振るが、ザー音以外聞こえない)
・RITのインジケータが点かない
・送信出力が5W程度しか出ない

IMGP5765

<上面内部は比較的綺麗である>

IMGP5766

<下面内部も比較的綺麗である>

TS-700シリーズは、1970年代の垂涎マシンであった
当時は145MHzの利用者が急増していた時期で私みたいなプアマンは、中古の12CH機でFMの空きチャンネル探しで大変だったのである
TS-700はVFOでのバンド内全カバー and オールモード機でだったのでとても羨ましい限りであった
当時、アクティブに145MHz帯に出ていた方々は結構な割合で、TS-700を使っている人が多かったのである
TS-700シリーズはG,GⅡ,最終的に周波数デジタル表示のSにマイナーチェンジされた

まさか、あれから40年も経ってからTS-700GⅡがやって来るなんて夢にも思わなかった
まずは、TS-700を勉強しないといけないのである

送って頂いた林先輩、ありがとうございます 楽しく遊ばせて頂きます のである

 

PIC の入門を考えてみた

初歩の組込みシステムについて

PICなどのマイクロコントローラを実際に動かしてみることは以外と敷居が高いことかもしれないと思ったのである
今回は比較的世の中に広まっているPIC(12,16シリーズ)で考えてみる

経験者であれば、クロックは内蔵のCR発振器を使って、入力は何のpinからどの様に信号を受けて、出力は何のpinにどの様のタイミングで何を出力 とかのシナリオが湧いて出て来るのである

IMGP5759

<写真は12F1822 新世代の8Pin PIC 単価100円>

されど、PICと言えど小規模ながら立派な独立したコンピュータである
PICを含めマイクロコントローラは、何かを実現するための部品であり、作るモノによってはメインコンピュータであるが、実際に「PICを使ってみたいのですが? 」 「PICを勉強したいのですが何から勉強すれば?」 等のことを聞かれることがある

その昔1980年頃のマイコンブームの際に、’マイコン’を勉強したいのですが何から勉強すれば? と同じ様な感じがした
当時は、’BASIC言語でプログムすれば何でも出来ます’って雰囲気が世の中に蔓延し、巷のマイコンスクールが大繁盛したのであった
あれはあれで、コンピュータのリテラシを世の中に広めることになり、多数の技術者も当時のブームから育ったはずである
当時のマイコンってPC-8001,MZ-80,APPLEⅡ,FM-8などのパソコン元祖達が当時の金額で10数万以上価格でバカスカ売れまくったのであった
当時と現在が大きく違う点は、当時はそれらが最新のテクノロジーであったことで、現在の組込み系の最新テクノロジーは携帯電話やクルマの内部,そしてテレビ等のデジタル家電である

さて、我々がPICを動かしてみる際の投資は僅かではある
(PCとネット環境は有るとして、PIC・評価基板・PICライタ位)
只、実際にPICを自力で動かすためには、いくら簡単になったとは言えどそれは、独立したコンピュータシステムをリセットから順を追って動作させるということである
なのでCPU(コンピュータの中心部分)の立ち振舞が理解出来ていないと何も出来ないことが多いと思う
そして、それなりに苦労してLEDの点滅をさせ配偶者や家族に見せたとしても、安易に想像出来るリアクションは、「ふーん それで...」となりがちではないだろうか

やっていることは、CPUの立ち振舞を理解して、電源投入時からの1ステップ1ステップを精魂込めて書いたハズなのであるが、そのことを理解してくれる人は実際に組込み系に携わったことのある人位であろう

話が逸れたが、これから始めるPICの勉強スタートには何から勉強すれば良いのであろうか?
私個人としては、PICの電源を入れてからの立ち振舞を理解するためにアセンブラの勉強は推奨したい
決してアセンブラで大きなソフトを書くのが目的では無く、CPUの立ち振舞を理解するためである
また、picのアセンブラ MPASMは過去の開発環境であるMPLABから現バージョンのMPLABXまでそのまま使えるのである
最低限の立ち振舞を理解した後に、C言語で取組むと良いのではと考えるのである

データシートを読める方はメーカのデータシートを読む事をお勧めする

下記のリンクも、アセンブラでのPIC動作を解説してあるので比較的わかりやすい
お勧めの本 

IMGP5762

<写真は12C509A 一度書込したら再書込出来ない @50円>

そして、PICを含むマイクロコントローラを動作させるためには、最低限のハードウェアの基礎知識も不可欠である

経験者にとっては安易であるが、初心者にとってPICの敷居は決して低くないと思う
是非敷居を超えて欲しい (私も精進が足らないのであるが..)

PICについては今後、超入門編を書いて行きたいと思っているのである (自分のためである)

 

BFO の実験 ホームセンタラジオ で SSBの受信 実験

AudioComm RAD-S512N でSSBを受信してみた

普段寝室に置いてある非常時受信用のラジオである
たまたま本日朝の5時過ぎに地震があったので朝に使用後そのまま机の上に置きっぱなしになっていた
ふっとこのラジオでSSBが受信出来ないかと妄想を抱いたのである
2千円と言えども、私ごときでは内部には手を入れ様が無いので外部からBFOの注入を実験してみた

とりあえずのSSB復調の実験である

とりあえず、聞き取れる位には復調は出来るようである

復調にあたって、BFOには手持ちのRC発信器を使ってみた

IMGP5757

発振周波数は455KHz付近で発振させて、ラジオのアンテナにクリップで繋いでみる
ラジオの受信音に、ビートが入った所がラジオ中間波周波数の付近なのでRC発振器の周波数を調整する
7MHzで受信出来る局を探し同調を取る

BFOの注入レベルとピッチ(周波数)を聞き取れる点に調整する
これで、とりあえずはSSBの復調は出来るが
再現性に難があるので、あくまでも実験なのである

IMGP5758

<こんな感じでRC発信器と接続する>
このラジオは7MHz帯は聞けるが、その他のハムバンドは微妙である

7.915MHzのAMは近隣にSSB局がいなければ、結構良い感じに受信出来る

ちなみに短波帯の受信範囲は以下の通りである
SW1 3.70 – 4,10MHz
SW2 4.65 – 5.15MHz
SW3 5.90 – 6.40MHz
SW4 6.90 – 7.35MHz
SW5 9.25 – 9.95MHz
SW6 11.55 – 12.05MHz
SW7 13.25 – 13.80MHz
SW8 15.00 – 15.75MHz
SW9 17.50 – 18.00MHz
SW10 21.25 – 21.95MHz

2000円のラジオで、ここまで聞ければ文句は言えないのである

このラジオ弄りの続編はこちら

盗聴発見器 と 周波数カウンタ の安直な実験

安直なのである
周波数カウンタにロッドアンテナが付いた、盗聴器発見器というモノがネットで販売されている
測定周波数は50MHz~2.4GHzまでと記載されている 分解能も100Hz単位である
うーむ 素晴らしい商品ではないか

であれば、件の周波数カウンタにロッドアンテナを付けて測ってみたら、どんな振る舞いをするかを実験してみたのである

IMGP5748

<写真は件の周波数カウンタにロッドアンテナを取り付けたモノである>

先日も書いたように、周波数の計測は信号源から出力されている周波数を正確に測るのがポイントである
しかし、綺麗な正弦波以外の信号は、様々に周波数成分を含んでいるのである
この辺りは、機会があれば別途書きたいのである
なので、周波数カウンタと信号源を繋ぐ減衰器などは周波数特性がフラットである必要があるのである

さて、今回は固い話を抜きにして、件の周波数カウンタで遊んでみたのである

IMGP5753

<FT-101Eで7.020MHz SWを送信してみた所>

とりあえずFT-101Eで7.020MHz-CWを出してみる
ダミーロードだと、当然の事ながら周波数カウンタは反応しない

アンテナに切替え、混信妨害の確認後に試験電波を出してみる
おぉ、周波数が測定出来ているのである
同調回路も何も無い、インピーダンスの整合だって不明なのであるが、近距離なら図れるものである
自分でもビックリである

IMGP5752

<送信周波数の7.020MHzが表示されている>

ちなみに3.5MHz,7MHz,14MHz,21MHz,28MHzまで試してみたが、21MHz以上の測定が出来なかった
アンテナとカウンタのマッチングが取れていないのであろうか
実験としては面白かった

2000円ちょいで、売っている盗聴発見器は試してみたいものである
部材しても非常に興味がある、個人で自作したらとても部品代が2000円で収まる事はないであろう
大量生産のなせる技である

アナログ ストレージ オシロスコープ

懐かしき アナログストレージオシロスコープ

知る人ぞ知る、懐かしきストレージオシロスコープなのである
それも天下の Tektronix 様である

多分これも、1970年代モノかと思われるのである (詳細は不明)

そもそもストレージオシロスコープとは、ブラウン管の蛍光塗料面に波形を記憶させてしまう力技の持ち主である
当時は単なるオシロスコープ自体でも高価だったのに、ポータブル型で更にストレージオシロである
とても、高価だったものに違いないのである

私がまだ若人だった頃、鬼みたいな先輩たちにオシロスコープの使い方を叩きこまれたのであった このオシロスコープではなく“シンクロスコープ”でしごかれたのある
(本当に設定等々を間違うと本気で小突かれた….)
当時は管面リードアウトなんて便利なものは存在しないのである
スケールの読み方、プローブの対比確認そして設定面ではVOL-DEVのVERが回っていたりしたら偉い剣幕で怒られた
“てめぇ.. カス!!  何測るつもりだぁ 基本出来ない奴には触らせん“ って感じなのである
まぁ、先輩方々の愛情でオシロスコープの使い方を優しく覚えられたのであった

IMGP5739

<2現象の通常の表示>

IMGP5740

<操作バネルは横にある>

とは言え、ストレージオシロスコープで波形を”管面”に記憶させるためには、トリガのかけ方やら色々と悩んだものである
最近のデジタルオシロなら、巨大なメモリにデータを残せるのであるが、管面”に記憶なのでその瞬間がすべてである
諸先輩方の愛で(しつこい..)トリガのかけ方を教わったのであるが、今となっても重要な経験である

IMGP5741

<ブラウン管に波形を記憶させた所、プローブを外しても波形はそのままである >

デシタルオシロで膨大なメモリも良いのだが、やっぱりトリガの工夫に勝るものは無いと思う
(デジタル回路のデバックならばデジタルオシロにかなわないし、FFT変換はこの上なく便利である デジタルオシロを買えない負け惜しみである)

とまぁそんな事を思い出せてくれる、往年のアナログのストレージオシロスコープなのである
ちなみにこのオシロスコープは最大周波数500KHzであり、500KHz付近では電圧値が250KHz付近の半分近くになってしまう
昔、諸先輩の方々に愛で仕込まれた言葉を思い出すのである
「最大周波数付近の電圧値は信用出来ない,電圧値がマトモなのは最大周波数値の半分以下」

確かにそうだったのであった

諸先輩の方々、沢山の愛をありがとうございました