RC発信器 VP-7101A である

RC発信器と言ってもピンとこないかも知れない
早い話が、低周波数信号発生器である

現在であればパソコンとソフトウェアで大概の事が出来るし、2信号等々の出力や特殊波形も出力出来る
しかし私は、スタントアローンの機械が使いやすいのである

この低周波発信器は10Hz~1MHzまで周波数が可変出来る
当然、AF発信器なので出力インピーダンスは600Ωである
ちょっとしたオーディオ機器の確認には便利である、スイープも当然手動であるがダイアルを回すだけで済むので操作が楽である
耳のf特確認には特に便利である

送信機を弄っていると、連続信号の出力がどうしても必要となる
これにはパソコンで良いが、弄っている機械の側に、低周波数発振があると送信状態の確認に便利である

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<普段使用している National VP-7101A>

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<中身はこんな感じである>

元々はオーディオ機器の確認用であろう、特にこの機種は歪の無い正弦波が出力されている。 もし歪率計があれば一度測ってみたいものである

また本来の使い方ではないかも知れないが、455KHzの中間周波数の受信機に対して、簡易的にBFOの出力を作れ、強度が可変出来るので以外と使えたりする(ビッチの調整はバーニア機構が無いと少し厳しい)

最近オークションでも値がこなれているので、もし見つけたら入手して置くと色々と便利である

ステップアッテネータ

高周波信号で色々と遊んでいると必ずと言ってよい程、必要になって来るのがアッテネータだと思う
回路上では抵抗器の組み合わせで3dBアッテネータとか6dBアッテネータなどは、インピーダンス整合に何気に使ってしまうのであるが、
ステップアッテネータは0dBm等の基準信号に対して正確に電力を減衰させるために使用する
Sメータの較正等には便利である

例えば40dBμV(EMF)の信号は30MHz以下では,S9のレベルであるが、この信号に6×8=48dBのアッテネータを入れた信号がS1の基準値となる

ステップアッテネータがあれば、基準信号に対して減衰量が制御が出来るので、用途は幅広い

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<1dB~112dBまでのステップアッテネータ 0.1W>

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<ケースの中>

便利なステップアッテネータであるが、気を付けるポイントが3点ある

・定格電力量を絶対に超えないこと <中の抵抗が焼き切れる>

・-60dB位になるとケーブル等々からの漏れ電波があるので、高減衰の場合はその確度に気を付けること

・周波数帯域を超えると減衰量が変化するので、規定の帯域無いで使用する

またQRPの運用にも応用出来る、以前にハンディ機にパワーアッテネータと、このステップアッテネータを使用して、0.1mWで交信した事もあった <余分なパワーを熱として放出するので決してエコではないが…>

是非、実験室に一個は揃えたい便利グッズである

 

ビンテージマシン で アイコム社 AH-4 を使ってみる

ビンテージマシンでアイコム社 AH-4を使ってみる

注意!!
ここで記載している内容はメーカの動作保証範囲外となります
操作を誤るとAH-4を破損する可能性があります
この件についての動作検証は、読まれた方の自己責任にてお願いいたします
また著者は運用した結果については責任を負いません

<少し大げさであるが…..>
終段に真空管を使用しているビンテージマシンは、終段の後にπマッチ回路が搭載されているため空中線への適合範囲が広いのである
アンテナチューナ無しで色々なアンテナでQRVされた方も多いと思う
しかし伝送線路が50Ω系できっちりとしている現在では、ビンテージマシンでも殆どが出力インピーダンスを50Ωで運用していると思われる

さて、比較的新しい機械ではオートアンテナチューナが利用出来る
更にアンテナ直下型のアンテナチューナは様々なエレメントがアンテナとして使えるため、非常に便利である

私は狭小住宅に住んでおり、アンテナ環境はアパマンと同様でベランダの有効活用しかない
従って3.5MHz帯や7MHz帯でのフルサイズアンテナは物理的に厳しい
場所の制約でロングワイヤーとアンテナ直下型チューナの構成となってしまうのである

そのアンテナチューナであるが、私はアイコム社のAH-4を使用している
このアンテナ直下型チューナは100W(CW)までの耐入力であり、対応した無線機であればボタン一発でチューニングが取れる便利なグッズである

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<狭小住宅だとAH-4はとても重宝である>

このAH-4をビンテージマシンで使用するために、でっち上げてみたのが、このコントローラである
ポイントは対応機と非対応機の切替えスイッチであり、このスイッチを対応機側に切り替えれば今まで通り、対応機でボタン一発チューニングとなり
非対応機に切り替えた場合は定められた手順でのマニュアルチューニングとなる

 

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<TS-520Xの上に置いた AH-4外部コントローラ>

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<中身はこんな感じである>

非対応機でのマニュアルチューニングの手順は以下の通りである
①送信する周波数で送信機のチューニングを耐入力の余裕がある50Ωのダミーロードで行う
(送信インピーダンスを50Ωで送信機のチューニングをとるため)
②送信機をCWモードで10Wの出力に合わせる
(10W以上の電力でアンテナチューナのチューニングを行うと、チューナを破壊する恐れあり)
③コントローラのTUNEボタンを押下する
④SWR計でSWRが1.5以下である事を確認する
(チューニングのLEDはチューニング中に点滅するが、チューニングの成否表示はしないため)

ボタン一発の簡単チューニングから、複雑な手順を踏み更に操作を誤るとチューナを破壊する危険性のある操作が必須となる

<と言うか10W以上でチューニングをしなければ壊さないのである>

けれどビンテージマシンでAH-4が使えるのは非常に便利ではある
(ボタン一発の中で対応機はモード変更・出力制限・元のモードと出力に復帰を内部のマイクロコントローラがやってくれているのである)

冒頭にも記載したが、AH-4に未対応機を接続した場合はAH-4を破壊するリスクがある
ご自分でリスクを負える方だけ、回路を各自検索しチャレンジして欲しい

 

HP3336B Level Generator をお借りしてきた

先日は大先輩の矢花氏のお宅にお邪魔して来た

SSGの購入で色々と相談させて頂いたのであるが、まずはこれを使ってから、考えましょう と言うことで、HPの3336B Level Generatorをお借りしてきたのであった

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<HP 3336B Level Generator  である >

お借りする時に他のスペアナで電力レベルの確認をして来たので、電力レベルの基準としてまずは活用させて頂く

お借りして最初に確認したのは、我が家のスペアナの振幅レベルの絶対値確認である
我が家のスペアナはこの春に、レベルの確認を大先輩の矢花氏の測定器で行ったのであるが、まずその精度を確認である
10MHzで0dBmの信号をまずは確認してみたのである

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<HP3336Bの0dBm出力を測定>

0dBmの測定電力は0.3dBm、-40dBmの測定電力は-.39.4dBm、-70 dBmの測定電力は-.69.1dBmと良好である

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<HP3336Bの-40dBm出力を測定>

我が家で使っているスペアナの振幅解像度は1dbなのでますまずは十分な精度であろう

この3336B Level Generatorは出力周波数は約20MHzである
従って20MHz以上の基準とはならないが、元々スイーパ発振器(発振周波数を連続して変化させる)なので、フィルタ評価などには便利に使うそうである
TG(TrackingGenerator )が付いていない我が家のスペアナでは重要な機能である

お言葉に甘えて暫くは活用させて頂くつもりである

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<そうは言っても計測機器である、奥行が….>

 

実戦デビューの無いUHFプリアンプ

昔、偶々部品屋さんで24V仕様の同軸リレーを発見したのであった
値段が以外と安く売っていたので、2個GETしたのであった

その事を大先輩に話したら430MHz帯のプリアンプのキャビティ(シールドケースに入った増幅回路)を気前よく恵んでくれたたのである
普段はUHFなぞ私には敷居が高いので弄る事はないのだが、Gain 20dBのキャビティと同軸リレー2個あればプリアンフ出来るじゃんと、言うことででっち上げたのであった

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<同軸リレー2個大奮発のプリアンプである>

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<SMAコネクタも大奮発である>

素人細工で、ましてやUHF帯である
なんだかんだで中に使っているコネクタが数が多いので一番高いのであった
(入出力もNコネクタにしろ! と言われそうである)

24V同軸リレーは12V-24VのDC-DCコンバータで無理矢理ドライブしている
使っている430MHz帯の無線機はPTT出力が無いので、マイクのPTTからドライブ出来る様に細工をした

とりあえすプアーなアンテナに繋げても、プリアンプをONにすると信号がノイズから浮かぶのであった
流石、大先輩の矢花氏製作のキャビティである NFも非常に良い

ところが、折角でっち上げたこのプリアンフであるが、家で数回使っただけである
UHF帯でアクティプに活動するわけでも無く、相変わらずアンテナはプアである
何やら変なモノを弄って遊んでいると、でっち上げただけで終わってしまう事が多い(自作したモノも数局と交信出来れば満足してしまう幸せものである)

このプリアンプは移動運用と称する野外BBQ大会のときでも、実戦投入して効果を確かめてみたいものである

ちなみに144MHz帯のキャビティも頂いているのである
Gain22dBである、これは件のTS-700の中にビルトインを考えている

しかしUHF帯域で、きちんとしたプリアンプを創れるのは凄い技術である、板金から含めて機械加工が多くなる(SHF帯域だと削り出しである) 、それを手際よくまとめて素晴らしい特性を出しているのである

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<この精度での板金加工は私には無理 さすが大先輩である>

 

オーソドックスなアンテナカプラなのである

DAIWA の CL-64である

これは、出力のアンテナ切替が出来ること以外に付加機能が付いていないオーソドックスなアンテナカプラである
200WPEPまでの耐入力なので100W局であれば何ら問題なく使うことが出来る

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<DAIWA CL-64 アンテナカプラ>

アンテナカプラとアンテナチューナは同義語である
私が開局した1970年代はアンテナカプラと呼ばれていた

さて、アンテナカプラであるが、中身は2つのバリコンとバンド毎にタップが付いたコイルだけである
コイルのタップでバンドを確定して、入力側と出力側のバリコンを調整をするのである
バリコンの調整はコツがいるが慣れれば問題は無い、SWR計が付いていないカプラは、別途入力側(送信機側)で測る必要がある

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<アンテナカプラの内部 バリコン2つとタップ付きコイルだけである>

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<裏面は出力が3系等の切替が出来る パススルーがあるともっと良かったが…>

カプラはπマッチ回路そのもので、入力側のインピーダンス変換と出力側のインピーダンス変換が出来る
通常は入力側のインピーダンスは50Ω固定なので、出力側のインピーダンス変換が主な仕事となる

現在のボタン一発のアンテナチューナも原理は全く一緒である
ただ、バリコンの代わりに高耐圧のコンデンサの容量をリレーで高速に切り替え、バンド設定のコイルの代わりに複数のコイルをリレーで高速切り替えている、そして人間が読んでいたSWR計の指針をマイクロコントローラが判断して素早く、同調を取っている

ビンテージマシンとカプラを併用するには少し注意が必要なのである
終段が真空管の送信機はPLATEとLOADの調整が必要であるが、この回路はπマッチ回路である

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<LOAD,PLATEもπマッチ回路>

従ってアンテナの整合範囲が現在の50Ω固定はでは無く35Ω程度から100Ω程度位まではマッチングするのである
今で言う所の、アンテナチューナ内蔵である
(操作は大変面倒であるが)

前回に紹介した、CAN-2002 オートアンテナチューナも原理は全く一緒である
2つのバリコンの位置関係がギアで操作されているものである

最近はアンテナチューナが内蔵されている無線機も多いが、無線機内蔵タイプや無線機の近くに配置するアンテナチューナやカプラは万能ではない

何故なら、カプラ(チューナ)からの出力とアンテナの給電点との伝送経路の特性インピーダンスが50Ωだからである ハンドの中央に調整しているアンテナでバンドエッジで運用する時位と使用に留めた方が安全である

整合されていないアンテナをこのタイプのカプラやチューナで無理矢理運用するのは避けるべきかと思う

この辺りは別途

コネクタ と アダプタ いろいろ

無線機を弄って遊んでいると、コネクタと同軸ケーブルが色々と必要になってくる
普通はVHF以下の周波数の無線機はM型コネクタが使用されている

ハンディ機はSMAコネクタ、FT-817のパネル面にはBNCコネクタが付いている
周波数帯が1.2GになるとNコネクタとなる
アマチュア無線機だけでざっくり、Mコネクタ・Nコネクタ・BNCコネクタ・SMAコネクタの4種類である

測定器についてもスペアナはNコネクタ、周波数カウンタとオシロスコープはBNCである
但しスペアナは扱う周波数がGHz単位となるためであり、周波数カウンタとオシロスコープも終端でターミネイトした伝送系の測定を行うことを意識しているためである

そもそも、扱う周波数が低ければMコネクタだろうが、RCAピンコネクタだろうが問題は無い
周波数が高くなるとコネクタ自体の特性インピーダンスが50Ωを保つのが難しくなる

ちなみに、一般的なコネクタで使える周波数の上限目安は、一般のNコネクタで4GHz・Precisionタイプで18GHz・BNCコネクタで4GHz・SMAコネクタで26GHzとなっている
実は一番多く使われているM型コネクタについては特性インピーダンスは規定されていないのである
そのために比較的安価に出回っているが、一般のM型コネクタはVHF帯域が上限と考えるべきである

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<-20dBパワーアッテネータ 1GHz 5Wまで入力可能>

測定器に用いる終端器(ターミネータ)も50Ωの1W程度のダミーロードである
但し測定範囲の周波数では特定インピーダンスが確保されており精密に作成されている
測定に使用するアダプタは、測定範囲でのリターンロスを実測してから使用しないと、何を測っているか解らなくなので注意が必要である

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<我が家の50Ω標準終端抵抗 1.3GHzでリターンロス 33dB(SWR 1.05)>

我が家では弄る機械の上限も145MHzなのでその辺の管理は比較的ラクである
但し、方向性結合器などや一部のGHz測定治具については使用ケーブルはすべて測定済である
GHz帯域を弄る、猛者の方々はその辺りでも大変な努力が必要と思う

費用対効果の問題と今までの流通量が多いので、これからもM型コネクタは使われ続けるであろう
私なぞに至っては弄る周波数も電力も低いので十分であるのだが、測定をする段になるとコネクタの知恵の輪をする事が多い
CMカップラやパワーアッテネータ等々はBNCで、ジャックとプラグで頭を悩ましたりする

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<なんだかんだで、アダプタが沢山集まってくる>

これもこの手の遊びをしている楽しみではある

 

ユニバーサルカウンタ TR5823

私が普段使用している、周波数カウンタはアドバンテストのTR5823である

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<ADVANTEST TR5823>

この周波数カウンタは、シリーズとしてTR5821,TR5822,TR5823の3機種ある
TR5821とTR5822の違いは本体にGPIB等の外部I/Fの内蔵可否である(5821は内蔵不可)
この2機種は入力端子が2系統あり、INPUT Aでは直接計数方式で10Hz~120MHzまで測定が出来る
INPUT Bではレシプロカル方式で、0.001Hz~50MHzが測定出来る

ちなみに直接計数方式とは、一定時間中(ゲートタイムと呼ばれる)のパルス数をカウントするので、周波数が低くなると測定桁数が少なくなる
レシプロカル方式は、パルス間隔を測定してその逆数を計算して周波数として表示する、但しパルス間隔の測定には限界あるので高い周波数の計測には用いられない

TR5823は入力系統が1系統増えてINPUT Cが加わり100MHz~1.3GMHzまで測定が可能となる
後、稀ではあるがタイムベースにOCXOを内蔵したTR5823Hも流通していた

いずれにせよ古い機械である、これらの機械を使って測定する場合は較正が問題となる
TR5323H以外のタイムベースは10MHzのTCXOを使用しており、その周波数較正は裏面から調整が可能である
(このトリマ調整もかなりシビアなので正確な基準が無い場合は触らないほうがよい)
確実なのは、GPSによる10MHzの周波数基準器の信号を測定することである

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<TR5823の後部パネル面 電源ケーブルの近くの穴がタイムベースのTC>

これらの機種は直接計数方式で測定した場合、ゲートタイム10秒時に8桁の精度で測定が出来る
これは10MHz測定時に0.1Hz単位での表示となり、測定精度を仮に0.1Hz単位まで求める場合は、タイムベースの較正は0.05Hzまで追い込む必要がある
10MHzでの0.05Hzは5×0.001PPMとなり、この精度での基準信号を出力出来るのは我々が入手出来る範囲ではルビジューム発振器かGPS周波数基準器位である

時計の精度に変換すると、ざっくりと年差0.1秒以下となる

何を測定するかは利用者に異なると思うが、例えば1.2GHz帯SSBの周波数誤差を120Hz以下にしたい場合は、0.01PPM単位での測定が必要になり、タイムベースは上記の例の通り5×0.001PPM以下に較正が必要となる

当然のことながら、各機種とも内蔵されているTCXOのタイムベースではそこまでの精度は厳しい
外部から基準信号が入力出来その周波数が10MHzであれば、GPSなどの基準信号を簡単に利用出来る
しかし0.5PPM程度まであれば内部タイムベースでも、較正用に周波数基準信号さえ用意出来れば十分に使える精度の確保は可能と思う

これらの機種は、電源コンセントに通電しておけば、本体の電源を切ってあってもタイムベースには通電されているため、ウォーミングアップ不要となる

程度の良い中古があればお勧めである、もしユニバーサルカウンタ(周波数カウンタ)の購入を考える場合は外部の基準信号の入力可否とその基準周波数は必ず確認すべきである
10MHzの基準信号を入力出来れば、基準信号の精度を高めることによりカウンタの精度確保が出来るからである

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<較正されたOCXOが、タイムベースとして便利>

LCRメータ

その昔は、メーカの実験室や大学などの研究室位でしか、お目にかかれない測定器であった
コイル自体の断線確認と電解コンデンサの簡易確認は普通のテスターで出来るが、
アマチュアの場合は、インダクタンス値とかキャパシテンス値の測定は、標準コイルや標準コンデンサを用意し、それを基準に共振させて共振周波数から逆算して目的のインダクタンス値やキャパシタンス値を求めていたのである
近年、アマチュアでも手が届くLCRメータが安価で入手出来るようなった
それも8千円程度でである

これは、ある意味大きなイノベーションだと思う
測定器が高価で入手出来なかった、アマチュアレベルである程度の精度で、インダクタンス値やキャパシタンス値が測れるのである
高周波回路を弄る場合、どうしてもコイルやコンデンサが付き物である
色々な制作事例とかは、昔の雑誌やらインタネットに掲載されているであるが、市販以外のコイルについては再現性が乏しいことが多かったのである
アミドン社のフェライトコアを使用し巻線の指定があるものは再現性が高いが、空芯の場合はコイルの径や巻き方でインダクタンスは変化してしまう

自分でコイルを巻いた時に、そのインダクタンス値が解るのは大きな変化である
LCRメータも高価なモノは測定周波数を高く設定出来、更にコイルのQ値まで測れるモノがある
しかし、一万円以下のLCRメータも中々素晴らしいのである
私が使用しているものは、測定最大周波数は100KHzであるが十分である
(Q値の測定はちょっと100KHzだと厳しい)

また、キャパシタンスの測定もテスターとは雲泥の差である
pF単位のコンデンサの容量も直読出来る
コンデンサの場合、殆どの場合は既成品を使用していると思うので、測る必要あるの?
と言われる方もいらっしゃるとは思う
全くその通りであるが一番役にに立つのは、ジャンク品から外したバリコンの測定である
一発で最小容量と最大容量が判別するのである
また、古い機械をお持ちの方々も多いかと思う、よく言われる電解コンデンサの容量抜けについては、外した電解コンデンサの容量がチェック出来るのである

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<バリコンの最大容量を測ってみる これは460pF>

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<バリコンの最小容量を測ってみる これは22pF>
測定器も価格破壊がここまで進んでしまったようである
けれど、アマチュアには今まで出来なかったことを、実行できるチャンス到来である
Tektronix様のデジタルオシロスコープも50MHz・FFT付きが新品5.2万円で購入可能であり、リーダ電子で販売しているスペクトルアナライザもTG付きで19万で購入可能である

今まで言い訳としていた、測れない…が無くなりつつある
折角の機会である、私はまだまだ入門者であるが測定器を使いこなすスキルを勉強して行きたいのである

PIC の水晶発振子入力で VXO を試してみる

ふっとした思いつきである
PICでマーカ発信器が出来れば、超安く出来るのでは? と妄想を抱いたのであった
冷静に色々と考えた所、クロック入力の補正はソフトウェアでの補正は無理なのである

例えば、周波数カウンタではゲートタイムの値を正確に補正すれば良い
ゲートタイムは1/100秒とか1/10秒の単位なので、正確な基準信号があれば補正も可能である
しかし、マーカ発信器として使うには、ソフトウェアでの補正は実行命令ステップ単位で4クロックなので、低い周波数であれば可能性はあるが周波数が高くなると実質的に不可能である

で、考えた結論はPICの水晶発振子の入力に、LとCを付けてVXOを構成してみる実験をしてみた
今回は部品箱に転がっている12F675で実験してみる
まずは素の水晶でPICと接続して発振させてみる
水晶も貰い物なので想定負荷容量などは不明である、発振周波数は2KHz程高く発振していたのである

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<必殺 空中配線で水晶を繋ぐ>

さてPIC + VXOの実験である
まずは発振コイルを作る 私は10Kボビンが転がっていたので、それに巻いてみた
一旦の想定インダンクタンスは10μHである
コイルが組み上がったところで、仮組みで実験してみる
素晴らしい…. 約19.999…MHz
発振周波数が3KHz低く発振出来たのである

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<このボビンを使用する>

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<分解して 元に巻いてある線をほどく>

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<今回は上段8T 中段8T 下段8T 計24Tを巻いた 9μH~14μHとなった>

気を良くして、基板に実装してみる
元々の発振周波数が高い水晶なので、コンデンサの容量は小さめに15pFとしてみた

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これで、発振周波数の変化範囲は、19.995MHz~20.004MHzと約10KHz程度の幅が確認出来た
PICは発信器としても使えるではないか…
但し、クロック発振周波数20MHzの数10Hz単位で安定しないのである 全体をシールドしてしまえば安定度は増すと思うが、そこまでする程のモノではない

また、データシートだと水晶の両端をコンデンサでグランドに落とすのが正当だと思うが、その部分にL・Cを付けても上手く変動しなかったのである 究極の力技でLCをぶち込んだが、回路的に水晶のグランドがフローティング状態なので、不安定の理由はそこらへんかも知れない

PIC_Marker

<回路は簡単であるが、発振コイルと水晶・C2の配線は最短かつ発振コイルと水晶の筐体はアースが必要である>

今回は、マーカのテストなので、500MHzのマーカをでっち上げてみた
発振コイルのコアで、20.000.000MHzにHz単位で合わせる
あとは、超簡単な手抜きファームを入れ込むだけである
(超短いので500KHz版のソースを掲載する 当然ノンサポートである)

好きな人は、ソースを変更して100KHzなり25KHzなりのマーカに仕上げれば良いと思う

ちなみに、PICでVXOなんてマイクロチップ社は想定もしていないと思うので、当然誰も動作保証なぞしてくれないのである

超手抜きであるがソースは以下のリンクで

PIC_MARKER