SANWA CP-7D

このテスターは長い付き合いである
驚く事は、このCP-7Dは未だに現行機種だったりする 30年以上の超ロングセラーである

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<数十年来のお付き合いの CP-7D>

普段はディスクトップのDMMを使用しているのであるが、信号の変化等はアナログ針で見た方が確認しようと思い暫くは使っていなかったのであるがAF段のオーディオ出力信号を確認するために引きずり出して来たが、どのレンジでも動作しないのであった  (泣)

仕方無いので、まずは分解したみた

まずは、保護ヒューズの確認とメータ自体の導通である、共に問題無しであった

仕方無しに接点を外してみると、やっぱり接点がホルダーから外れている

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<接着が外れている、ホルダと接点>
とりあえず、プラのホルダーと接点をエポキシで接着してみる
完全に乾くまでの数時間はじっと我慢である

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<とりあえずエポキシで固めてみた接点>

今となってはDMMが主流となったテスタであるが、やっぱりアナログテスターも良い
このCP-7Dは、AC10Vレンジで600Ω出力の低周波レベルを測定出来る
1mW=0dBで表示されるので、オーディオ出力の確認に便利である

修復がイマイチだった場合は同機種に買い換えるか、上位機種に買い換えるか悩み所である

2016/02/10 追記

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<ホルダーを再度取り付けた所>

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<DC 6Vを測ってみた 取り敢えずは良さ気である>

 

菊水 7314A 直流安定化電源にデジタル電圧計を取付けてみた

普段、机の上で使っている安定化電源は菊水 7314Aである
この電源は0-16Vで0.5Aとちょっとした実験などには非常に便利に使っている
只、この電源はスイッチで電圧を切替える2レンジである
レンジは0-8Vと8-16Vとなる

私の注意力が散漫なのであるが、極たまに電圧レンジを間違ってしまう事がある
そうすると13.8Vの筈が6.9V位の電圧印加となり、暫くは無駄な時間を割いてしまうことも有った

偶々、秋月電子さんで250円の電圧計ユニットが有ったので、以前に購入してあった
今回はこれを、この電源に取付けてみた

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<秋月電子さんで250円のデジタル電圧計ユニット>

この電圧計ユニットは3.0V~18Vで、消費電流は10数mW程度で、このユニットを電源に取り付けるには、電流計の前に取り付ける必要がある

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<取付けて電圧表示の校正を行っている所 我が家の標準電圧計HIOKI 3287>

250円の電圧計恐るべしである
今回は安直加工で取付けてあるが、この電圧計でレンジの間違いをする事は無くなるであろう
(デジタル表示の安定化電源を使えばこんな事は無いのであるが、この大きさのモノが中々無い)

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<デジタル電圧表示となった菊水 7314A>

これで、古い菊水 7314Aもまだまだ使えるのであった

標準ケーブルを購入してみた

偶々、秋葉原に用事が有ったので、ふらっと計測器ランドさんに寄ってみたのであった
何気に店内を見ていた所、中古品でcandoxのケーブルが目についた
スペックは、標準周波数特性DC~30GHz 、標準減衰量0.40dB/m(@1GHz)とのことである
お店の人に聞いたら、当店では測定も出来ないし、スペックの保証も出来ません
それで良かったら、どうぞとのことだったので、購入してみた

(相変わらずチャレンジャーである)

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<Cadox 5b-045 >

長さが1.5mなので、0.4×1.5で1GHzの減衰量は-0.6dBとの単純計算となり、2GHzの時に約0.5dB/mなので0.5×1.5で減衰量は-0.75dBとの単純計算である

実際にSSGとスペアナで測ってみたのである
1GHz時は約0.5dB、1.8GHz時は0.7dBとスペック通りである
但し、スペアナとSSGの測定誤差は共に1dBなので、正直誤差の範囲内である
ちなみに、そこら辺に転がっていた1mのRG-58A/UのBNC端子付きだと1.8GHzで-2.5dBであった
(比べては行けないが….)

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<特性図>

標準ケーブルは前から購入したいと思っていたのであるが、測定データ付きは目玉が飛び出る程高価なのである
本来であれば、基準となるケーブルであるため測定データ付きを購入するのが筋であるが、趣味と言うことで、データ無しの中古品で我慢である

信頼出来る標準ケーブルと測定するケーブルやコネクタ類を比較することで、ある程度の測定値が把握出来る
較正済のトラジェネ付きスペアナが使える方は、あまり使う事は無いと思うが、贅沢を言えない我が家では必須のアイテムである

コネクタはN端子であるが、コネクタ自体の作りの精密感が高い
我が家で1GHz以上の電波を出せる機械は、無線LANと1.2GHzのハンディ機位であり、殆どこの辺りは弄ることは無い
しかし、ケーブルの特性など知っておきたいことを測れるので便利である

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<コネクタ部分>

 

標準信号発生器 Anritsu MG3602A

標準信号発生器である

オークションで入手して以来、色々と試していたのであるが、今回の購入は成功との報告である

まずは、Anritsu MG3602A 定格の概要
周波数レンジ 0.1MHz~2080MHz
周波数分解能 10Hz  (1040MHz以上20Hz)
出力レンジ -133dBm ~13dBm  (1040MHz以上 -133dBm~7dBm)
出力レベル精度 ±1dB(1040MHz以上 ±1.5dB) *-10dBm以上の時

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<Anritsu MG3602A 全面>

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<Anritsu MG3602A 後面>

以下は実際に使用した感想である
周波数の設定 10キーかダイアルで設定が出来る、この辺りの操作感は問題無し
出力レベル設定 10キーかダイアルで設定が出来る、dBm⇔dBμ⇔μVの変換も操作性は良い

変調設定 変調モードはキーで選択、AM変調率とFMデビエーションは左右キーにて設定するが、解りやすく操作出来る

出力レベル電圧表示時のEMFとPDの切替えについては、マニュアルで確認して特に問題なく切換えることが出来た (慣れると簡単だが、これはマニュアル見ないと解らない)、特にアッテネータ関係の点は心配していたが、一通り動作させてみたが問題点は無く、-133dBm付近でも漏れ等は観測出来なかった

実際に出力をスペアナで確認してみた
スペアナ自体も入力電力の測定誤差が±1dBなので±2dBは誤差として考える必要があるが、スペアナでのレベル確認は問題無しであった
(古いスペアナなのでMAX 1.8GHz)

出力周波数についても問題無しである
通電4時間後1GHzで-700Hz程度である、周波数カウンタ自体の基準信号誤差を考えると問題はない

AM変調波形は、オシロスコープで確認したがとても綺麗である
キャリア出力で-50dB程度の高調波が確認出来たが、これも問題無いレベルである

更に、この標準信号発生器は出力端子に過大に入力を検知すると、プロテクトション機能が働くのである
前日、TS-700を弄っている時にCENTERスイッチとSENDスイッチを誤ってしまった際にも、
プロテクトション機能が動作し事無きを得た
有り難い機能である

この手の、測定器についてはオークションで入手するのに少し勇気が必要であるが
今回はとても良いモノを入手出来たのであった

大切に使って行きたいと思う

リターンロスブリッジ を試してみる

いつも大変お世話になっている、大先輩の矢花氏から、これ使ってみて!!と小包が届いたのであった
中身は、リターンロスブリッジ
訳ありだけど200MHz以下なら使える、とのことで早速有り難く使わせて頂くことにする

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<届いた、リターンロスブリッジ>

前回に、標準信号発生器(SSG)が届いているので、試験環境は大丈夫である

まずは、標準ダミーロードを測ってみた
145MHzでリターンロスの計測値は37dBである VSWR換算で約1.03である

次に、ハンディ機についている、ちっちゃなホイップアンテナを測ってみる
143.9MHzでMAXの17dB VSWR換算で約1.33である
146MHzで12dBのVSWR換算で約1.7である

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<とりあえず測ってみた 3BANDのハンディホイップ>

今回は、時間が取れていないのでお手軽ハンディホイップを測ってみたが、今度HFアンテナをゆっくりと測ってみたい
とりあえずは、50MHz以下のリターンロスも測れるようになったのである

だから何なの? と言わないで欲しい
とりあえず。今は実力値が判るだけで幸せなのである
私は単純なのである

方向性結合器を使ってみる

方向性結合器を無線機のオペレーションで使う事は殆ど無い
(少なくとも私は)

しかし高周波回路を測定する場合は、便利なグッズの一つである

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<この機種は結合端子の一つが正確な50Ωで終端されているタイプ >
方向性結合器は、この写真の機種を例にすると以下の通りである

1.矢印の方向に高周波信号を通した場合、この方結は-10dBの端子に1/10の電力が出力される

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<ダミーロードの逆の端子から電力を入れると10dBの端子に1/10の電力が出力される>
この機能は10dBのアッテネータ替わりに使うことが出来るが、方向性結合器自体の許容電力によるので注意が必要である
この方向性結合器は1W程度と考えられる

2.逆方向に高周波信号を通した場合、出力の反射に比例した電力が-10dBの端子に出力される

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この機能はとても大切である

写真のダミーロードの替わりにアンテナ等を接続するとある程度正確なリターンロスが測定出来る
ある程度と言うのは、方向性結合器自体のアイソレーション値以下の数値しか測定出来ないことである

この方向性結合器は1.2GHz用であるが1.2GHzで33db,430MHzで27dB,144MHzで25dB,50MHzで25dBの方向性あった
この方向性結合器では1.2GHzでVSWRが1.05の測定が限界であり、50MHzだとVSWRは1.12程度が測定限界となるのである

(VSWR1.1付近まで測れれば十分であろう、私の場合50MHz以上のアンテナはこの方向性結合器で測定してある)

アイソレーション値が40dB程度の方向性結合器を使用すれば、理論上1.02程度まで測定出来る事になり、もっと精密な測定を行う場合はネットワークアナライザを使用することになる

市販のアマチュア用VSWR計で測る場合は、正確なVSWRの測定については構造上無理が生じる
構造上の無理とは、反射電力が少ない時の指針が甘くなりがちであることである、VSWRが1.0~1.2位の指針はハッピーメータであることが多い

(その付近のVSWR値にはこだわらない方が良いと思うのであるがいかがだろうか?)

 

RC発信器 VP-7101A である

RC発信器と言ってもピンとこないかも知れない
早い話が、低周波数信号発生器である

現在であればパソコンとソフトウェアで大概の事が出来るし、2信号等々の出力や特殊波形も出力出来る
しかし私は、スタントアローンの機械が使いやすいのである

この低周波発信器は10Hz~1MHzまで周波数が可変出来る
当然、AF発信器なので出力インピーダンスは600Ωである
ちょっとしたオーディオ機器の確認には便利である、スイープも当然手動であるがダイアルを回すだけで済むので操作が楽である
耳のf特確認には特に便利である

送信機を弄っていると、連続信号の出力がどうしても必要となる
これにはパソコンで良いが、弄っている機械の側に、低周波数発振があると送信状態の確認に便利である

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<普段使用している National VP-7101A>

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<中身はこんな感じである>

元々はオーディオ機器の確認用であろう、特にこの機種は歪の無い正弦波が出力されている。 もし歪率計があれば一度測ってみたいものである

また本来の使い方ではないかも知れないが、455KHzの中間周波数の受信機に対して、簡易的にBFOの出力を作れ、強度が可変出来るので以外と使えたりする(ビッチの調整はバーニア機構が無いと少し厳しい)

最近オークションでも値がこなれているので、もし見つけたら入手して置くと色々と便利である

ステップアッテネータ

高周波信号で色々と遊んでいると必ずと言ってよい程、必要になって来るのがアッテネータだと思う
回路上では抵抗器の組み合わせで3dBアッテネータとか6dBアッテネータなどは、インピーダンス整合に何気に使ってしまうのであるが、
ステップアッテネータは0dBm等の基準信号に対して正確に電力を減衰させるために使用する
Sメータの較正等には便利である

例えば40dBμV(EMF)の信号は30MHz以下では,S9のレベルであるが、この信号に6×8=48dBのアッテネータを入れた信号がS1の基準値となる

ステップアッテネータがあれば、基準信号に対して減衰量が制御が出来るので、用途は幅広い

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<1dB~112dBまでのステップアッテネータ 0.1W>

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<ケースの中>

便利なステップアッテネータであるが、気を付けるポイントが3点ある

・定格電力量を絶対に超えないこと <中の抵抗が焼き切れる>

・-60dB位になるとケーブル等々からの漏れ電波があるので、高減衰の場合はその確度に気を付けること

・周波数帯域を超えると減衰量が変化するので、規定の帯域無いで使用する

またQRPの運用にも応用出来る、以前にハンディ機にパワーアッテネータと、このステップアッテネータを使用して、0.1mWで交信した事もあった <余分なパワーを熱として放出するので決してエコではないが…>

是非、実験室に一個は揃えたい便利グッズである

 

HP3336B Level Generator をお借りしてきた

先日は大先輩の矢花氏のお宅にお邪魔して来た

SSGの購入で色々と相談させて頂いたのであるが、まずはこれを使ってから、考えましょう と言うことで、HPの3336B Level Generatorをお借りしてきたのであった

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<HP 3336B Level Generator  である >

お借りする時に他のスペアナで電力レベルの確認をして来たので、電力レベルの基準としてまずは活用させて頂く

お借りして最初に確認したのは、我が家のスペアナの振幅レベルの絶対値確認である
我が家のスペアナはこの春に、レベルの確認を大先輩の矢花氏の測定器で行ったのであるが、まずその精度を確認である
10MHzで0dBmの信号をまずは確認してみたのである

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<HP3336Bの0dBm出力を測定>

0dBmの測定電力は0.3dBm、-40dBmの測定電力は-.39.4dBm、-70 dBmの測定電力は-.69.1dBmと良好である

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<HP3336Bの-40dBm出力を測定>

我が家で使っているスペアナの振幅解像度は1dbなのでますまずは十分な精度であろう

この3336B Level Generatorは出力周波数は約20MHzである
従って20MHz以上の基準とはならないが、元々スイーパ発振器(発振周波数を連続して変化させる)なので、フィルタ評価などには便利に使うそうである
TG(TrackingGenerator )が付いていない我が家のスペアナでは重要な機能である

お言葉に甘えて暫くは活用させて頂くつもりである

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<そうは言っても計測機器である、奥行が….>

 

ユニバーサルカウンタ TR5823

私が普段使用している、周波数カウンタはアドバンテストのTR5823である

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<ADVANTEST TR5823>

この周波数カウンタは、シリーズとしてTR5821,TR5822,TR5823の3機種ある
TR5821とTR5822の違いは本体にGPIB等の外部I/Fの内蔵可否である(5821は内蔵不可)
この2機種は入力端子が2系統あり、INPUT Aでは直接計数方式で10Hz~120MHzまで測定が出来る
INPUT Bではレシプロカル方式で、0.001Hz~50MHzが測定出来る

ちなみに直接計数方式とは、一定時間中(ゲートタイムと呼ばれる)のパルス数をカウントするので、周波数が低くなると測定桁数が少なくなる
レシプロカル方式は、パルス間隔を測定してその逆数を計算して周波数として表示する、但しパルス間隔の測定には限界あるので高い周波数の計測には用いられない

TR5823は入力系統が1系統増えてINPUT Cが加わり100MHz~1.3GMHzまで測定が可能となる
後、稀ではあるがタイムベースにOCXOを内蔵したTR5823Hも流通していた

いずれにせよ古い機械である、これらの機械を使って測定する場合は較正が問題となる
TR5323H以外のタイムベースは10MHzのTCXOを使用しており、その周波数較正は裏面から調整が可能である
(このトリマ調整もかなりシビアなので正確な基準が無い場合は触らないほうがよい)
確実なのは、GPSによる10MHzの周波数基準器の信号を測定することである

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<TR5823の後部パネル面 電源ケーブルの近くの穴がタイムベースのTC>

これらの機種は直接計数方式で測定した場合、ゲートタイム10秒時に8桁の精度で測定が出来る
これは10MHz測定時に0.1Hz単位での表示となり、測定精度を仮に0.1Hz単位まで求める場合は、タイムベースの較正は0.05Hzまで追い込む必要がある
10MHzでの0.05Hzは5×0.001PPMとなり、この精度での基準信号を出力出来るのは我々が入手出来る範囲ではルビジューム発振器かGPS周波数基準器位である

時計の精度に変換すると、ざっくりと年差0.1秒以下となる

何を測定するかは利用者に異なると思うが、例えば1.2GHz帯SSBの周波数誤差を120Hz以下にしたい場合は、0.01PPM単位での測定が必要になり、タイムベースは上記の例の通り5×0.001PPM以下に較正が必要となる

当然のことながら、各機種とも内蔵されているTCXOのタイムベースではそこまでの精度は厳しい
外部から基準信号が入力出来その周波数が10MHzであれば、GPSなどの基準信号を簡単に利用出来る
しかし0.5PPM程度まであれば内部タイムベースでも、較正用に周波数基準信号さえ用意出来れば十分に使える精度の確保は可能と思う

これらの機種は、電源コンセントに通電しておけば、本体の電源を切ってあってもタイムベースには通電されているため、ウォーミングアップ不要となる

程度の良い中古があればお勧めである、もしユニバーサルカウンタ(周波数カウンタ)の購入を考える場合は外部の基準信号の入力可否とその基準周波数は必ず確認すべきである
10MHzの基準信号を入力出来れば、基準信号の精度を高めることによりカウンタの精度確保が出来るからである

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<較正されたOCXOが、タイムベースとして便利>