届いた TS-520Xの整備

ざっくりと届いたTS-520Xの状態の確認したのであるが、まずは音声が出ない不具合の対処を実施してみる

IMGP6006

<届いたTS-520Xの裏面 とても綺麗である>

フロントパネルのヘッドフォン端子では聞こえるので、AF増幅回路は問題なしであろう
リアパネルの外部スピーカ端子にヘッドフォンを繫いでみると聞こえのである
次にスピーカ自体の抵抗を測ってみると、問題なしである
リアパネルの外部スピーカ端子の不良である
手持ちのミニジャックと交換して、この件は解決である

IMGP6007

<交換した ミニジャック>

バンド切替えスイッチと、モード切替えスイッチの接触不良であるが
接点洗浄剤と綿棒で接点を清掃していく、手の入らない箇所は洗浄剤をスブレーしながら接点を動かしてみる
お手軽メンテナンスである
本当であれば、ウェハーを外してイソプロピルアルコールで拭きたい所ではある

JJYとRITスイッチも接点から、洗浄剤をスブレーしながらスイッチを何度も動作させていく
接点洗浄剤は揮発性であるが、乾くまでは電源投入は避ける

ボリューム類は殆どガリ状態である
特に酷いのはRITのVRである、RITスイッチを押した途端に周波数が上下に変動するのである
これらのVRは古いタイプで端子とカバーの間に隙間のあるVRなので、隙間からピンセットで接点復活剤を極少量を流してからVRを何度も摺動させてみる

IMGP6008

<摺動ガリだらけのVR>

VFOの周波数ゲーシの動作不良は、単にVFOつまみの取付位置不良である
つまみを取り外して、再度組み付けでOKである
本来だと、ゲージとパネルの間はフェルトリングが入るのであるがこの機械には欠品だったので、また適当に探してみることにしたい
当面の動作には異常は無い

VFOの窓が内側から曇っているのと、白い100KHz単位のゲージも埃で汚れいており見苦しいので、これも拭き取ることとした
これはプラスチックの透明パネルであるが、FIXチャンネル切替えの取付ナットで共付けしてあるので、ナットを外して透明パネルを中性洗剤を染み込ませた布で拭く
VFOの白い100KHz単位のゲージも窓から綺麗に拭いて完了である
不具合があればVFOを取り外して対処したあとに清掃するであるが、不具合がないのに分解することは避けたい
(レストアであれば別であるが….)

IMGP6002

<アクリル板を外して、表示部分を拭く>

外観の整備は以上でおわりである
気合があれば、上ケースの塗装腐食点も乗り直すと見栄えがかなり違うと思われるが、まぁ今回は我慢である

さて内部調整であるが、一旦は受信も送信もほぼ正常そうである
只、内部は綺麗であるが内部の供給電圧電圧の確認と調整を行ってみる
9Vの電源はVFOなどの周波数精度に影響するので確認を行う、実測は9.05Vで問題なしである
次にAGC電圧の3.3Vであるが、実測3.4Vで高めなので3.3V±0.05程度に調整をする

本来であれば、この後BPFの調整から入るのであるが、現時点では触らないでおく
(触らぬ神に祟りなしである)

ここで受信感度の確認をしてみる
発振器で確認する周波数を出力して他の受信機との比較で感度を確認する
3.5MHz,7MHz14MHzは、ほぼ他の無線機と同等である
Sメータの振れが弱いので、メータ調整を行う(最大値でも少し弱いのでAGCの調整がまだ必要かも知れない)
21.MHz,28MHzは感度が若干落ちるようであるが、昔の使用感でもこんな感じだったので、まずは様子見とする

他の送信機からSSBでテスト信号をダミーロードに流して、それを受信をしてみる復調については問題は無いキャリアポイントの調整も様子見である
今度はTS-520XからSSBをダミーロードに流して他の受信機と鳴き合わせをしてる、この機械の変調も特に問題はない
送信周波数と受信周波数がズレの無いことも、相互の鳴き合わせで確認する
(PLL機だと基準周波数から周波数カウンタで調整が必要であるが、VFO機だと鳴き合わせが確実な気がする)

VFOの直線性について各バンドのバンドエッジとバンド中央値で確認を行う、これも良好である
再度送信出力について確認を行う、29.7MHzで100W,21MHzで110W,14MHzで120W,7MHzと3.5MHzで140W程度の出力が確認出来たのである
暫く受信状態でVFOのドリフトを確認してみる、1時間程度では受信音が変化する程のドリフトは無い

中々良好なコンディションまで復帰出来たのであった
(接点不良と各VRのガリは様子見であるが…)

これも、TSSへ保証認定の準備をしたい
変更申請が通れば、1970年代のビンテージマシンがFT-101EとFT-101ZSDそしてこのTS-520Xの3台となる
ビンテージマシンはとても素敵なデザインであるが問題はその大きさである

狭小住宅の我が家では場所の確保が課題である

ニューフェィス TS-520X である

オークションで落としたTS-520Xである
その昔、一時期所有していたこともあったTS-520であるが、縁有って再度我が家へやって来たのであった

このTS-520Xは、電源投入は確認済で・その他はNC/NRと言うものであった
決め手は、電源コネクタが付属していることである
この電源コネクタは最近入手が困難で代替品もそれなりに高価である
TS-520Xは定格が10Wなので、比較的安価で落札が出来たのであった

IMGP6001

<届いたTS-520X>

着荷したTS-520Xについて、一通りの状態確認をしてみた
まず外観であるが、ケース天板の一部が塗装が腐食している・後面は年相応でネジ類に錆がある程度である
操作パネルは比較的綺麗である
VFOダイアルを回すと周波数表示のスケールもダイアルと一緒に回転している
ケースを開けると内部は大変綺麗である
高電圧部分のコンデンサ等も外観には異常なさそうである

次に基本動作である
電源投入確認済とのことだったので電源を投入してみる、特に異臭・異音などはないので、しばらく通電後に受信確認を行ってみる

AF-GAINを回しても何の音もしないのであった
ヘッドフォン端子へヘッドフォンを繫いでみると受信ノイズは聞こえたので一安心である
この辺は簡単に修理出来そうである

但し、AF-GAINのガリは凄まじい、次にアンテナを繫いでJJYのSWを押してみた所、10MHzの基準放送が受信出来たのであった
受信が出来れば大部分は正常動作しているのである、少しホッとしたのであった
そのまま、パルス発振器で3.5,7,14,21,28,28.5,29.1を出力して受信確認を行う
すべてのバンドの受信はOKである

次にダミーロードを接続して送信試験である
モードをTUNE・メータ表示をIPに切り替えて恐る恐るヒータSWを入れて様子をみる、特に異臭・異音などはない
いよいよ、SEND SWをONにしてみる
IPが20mA程度である、LOADを浅くしてPLATEを回すとディップ点がある
ファイナル同調を取ると17W程度の出力が確認出来たのであった
全バンドをTUNEモードで送信を確認してみるとOKで29.7MHzでも15W程度の確認が出来た
基本動作は問題なさそうであるである

オークションで入手したビンテージマシンの場合、何らか手を入れられて可能性が高いので、ここまで動作の確認が出来るとまずは安心である

動作確認の最後にマイク端子から1KHzを入力しての確認を実施する
TUNEモード・14.2MHzで同調を取り、USBで送信テストを行ってみた

ここで異常を発見したのである
TS-520Xは10W機であるのに、この機械は30W程度の出力が出ているのである
異常発振か?
内蔵メータをHV(高圧電圧)に切換えると、なんと800Vである
IPは180mA ??

(本来は最初に確認すべきことであるが….)
であれば、単管50W仕様に改造の可能性もあるし、もしかして100W改造機かも知れない
この状態で、PLATEとLOADの微調整を行ってみた

なんと100Wあっさりと出力されたのであった
電源を切って、高圧部の上面パネルのメクラ板を外してみると、出力管が2本鎮座していたのであった

IMGP6003

<届いたTS-520Xは100W改造機であった…>

偶には良いことがあるのである \(^o^)/

後は一通り不具合箇所の対応をすれば、この機械も現役復帰出来ると思う

IMGP6005

<S2001を磨いてみた 気持ちが良いのである>

TS-700 無印を弄ってみた その3

内蔵電源が正常となったTS-700無印である
次にVFOの発振不良対策と受信調整を実施を行った

VFOの発振不良は、前回のTS-700GⅡと全く同様である
本体からVFOを取り外しして、バリコンのアース接点を接点洗浄剤で清掃する
私は、アース接点とバリコンのロータシャフトの間に木綿糸を通して清掃している
一通清掃して、全域で発振不良が無いことをオシロスコープで確認して、問題がなれば終了である

IMGP5992

<VFOのアース接点の清掃>

IMGP5993

<全域で発振不良が無いことをオシロスコープで確認する>

次に受信調整である

SGの替わりに、いつもの30MHzまでの矩形波発振器で29MHzを発振させて、その5倍波を受信信号としてテストする
とりあえずは一通りの受信が出来ている事を確認しているので、RX-NBユニットのコア調整である
これも、大きな狂いは無かったが調整する事でSメータ一個分位のゲイン向上となった

ここまでは順調である
さて電源を修理したことで、4W程度の送信出力がどこまで回復したのであろう
実測した所、7W程度は出ているが10Wまでは届かないのであった

と言うことで送信調整をやってみた
TS-700無印のファイナルユニットは裏面もシールドされている
(TS-700GⅡは剥き出しである)
で順を追ってトリマコンデンサの調整をしたのであるが、ファナル部分の調整でも8W程度である(SSB,FM共)

次にMIXユニットの調整を行う
ここのコアとトリマコンデンサの調整を行うのであるが、この基板のTC1-TC3の3個のトリマコンデンサの調整がシビアである
と言うより接触不良状態である
特にTC-2については回しても何の変化も無いのである
トリマコンデンサについては経年劣化での不良が多いと思う
手持ちの該当品は数が少ないので、TC-2だけまず交換して調整をしてみる

IMGP5995

<MIXユニットのトリマコンデンサ 経年変化で回すと不良となる確率が高い>

IMGP5994

<MIXユニットの裏面である ハンダ除去して折り曲げを元に戻す パターン剥離には十分に留意して作業を行う>

IMGP5997

<交換したトリマコンデンサ TC2>

 

交換後、再度調整で12Wの出力を確認したのであった
とりあえずは、この機械も何とか使えそうである

SSBのキャリアポイント調整とFMのデビエーション調整を行えば、一通りの確認は終わりそうである

 

TS-700 無印を弄ってみた その2

前回の続きのTS-700無印の電源不具合の追っかけである
不具合内容は、20V出力の電圧値が18V以下であり
強いて挙げると、通電中にキィーンと言う発振音が聞こえる事であった

私もサラリーマンなので、平日は普通に仕事である
平日だと中々この手を弄る時間が取れないのであるが、一日30分程度色々と弄っていたのである

故障箇所

<TS-700 電源部の回路 赤丸部分が今回不具合箇所>

この回路のミソはD2とD3の間である
DC入力の場合は13.8V、AC入力の時は整流後のDC電圧16.8VがD2のアノードに印加されている
Q1で発振したパルスをQ3.Q4-Q5.Q6で電力増幅して、そのプラス電圧分がD3のアノードに印加されて、電圧が倍圧される仕組みである
その倍圧した電圧をQ7.Q12で20Vに制限して安定化させている
当時としては凝った電源回路である

20Vを必要している理由は、終段の2N5642(元祖はモトローラ)の入力電圧を確保するためである
ちなみに、このトランジスタは125MHz~175MHzまで最大20Wを出力出来る(28V入力時)

前回も少し書いたのであるが、33μFのコンデンサの代わり10μFのコンデンサが3個並列に接続されていた
(回路図の赤丸のD9のとなりC18である)
この理由も分かったのであった

IMGP5989

<3個連結のコンデンサと故障していたダイオード>

結論は、回路図の赤丸のD9(1N60)がショートモードで破損していたのである、更にD9に接続される100Ωの電流制限抵抗がパスされていたのである
その結果、D3のアノードへ印加される倍圧されるパルス分がC18を通してグランドに短絡したため、20Vラインの電圧が低下していたのであった

この電源を以前に修理した人は、最初にC18パンクの対処をしたのち、Q7のベース電圧が上がらない(すなわち20Vが出ない)のでD9に繋がる100Ωの電流制限抵抗を外したのであろう
その処置後C18の発熱に気が付いて3個のコンデンサので発熱を吸収させたと考えられる、Q1とL1の負荷による発振音は目をつむったのであろう

数十年もの年月が経つ機械である、経年変化もあれば改造等々もあるであろう
幸せな事は、当時の技術資料がネットで簡単に入手出来ることである
とりあえず電源ユニットは正常となり、定格の電圧の確認が取れたのである

まだまだ先は長そうである

伝送経路 と 給電ケーブル の長さ

偶に聞かれる時があるアンテナからの給電ケーブルの長さである
この事については、いろんな説が巷にあふれているのである

IMGP5984

<3D2V同軸ケーブル lowバンドでは便利である>

結論から先にに言うと、最低限必要な長さで構わないのである
但しアンテナの入力インピーダンスが50Ωに調整されている事が前提であり、当然のことながら長くなる程伝送経路の減衰量が大きくなり周波数が高いと顕著である

良く言われるのには給電ケーブルの長さを変えたらSWRが下がった、従ってSWRが一番下がる位置に給電ケーブルを調整しなさいとの説である

私は数学が苦手なので数式では説明出来ないが、伝送経路は出力インピーダンスと負荷インピーダンスが同じ場合は伝送線路の長さによってインピーダンスは変化しない
但し、、出力インピーダンスと負荷インピーダンスが不一致の場合は給電ケーブルの長さによって出力側からみた見た目のインピーダンスは変化する

よく言われる説の一つして送信周波数の波長/2にするのがベストの根拠は、1/2波長の給電ケーブルの場合は理論上アンテナ側がインピーダンスがそのまま出力側のインピーダンスと同じになるからである (実際には短縮係数があるので少し短めとなるが)
これはHF帯のアンテナ調整時に活用出来るノウハウである

しかし昨今は給電ケーブルにマルチバンドで電力を通過させるのが普通であるので、例えば1.8MHz~51MHzまで各バンド毎に波長/2の倍数を長さを給電ケーブルは作れない

結局は、負荷であるアンテナのインピーダンスを各バンド毎に50Ωに合わせることになる、そうすると給電ケーブルの長さは任意長で問題無しとなる

そうは言ってもアンテナの調整は周囲の環境などの条件で50Ωのアンテナには調整出来ないことが多い
ではと言うことでアンテナチューナを入れると、アンテナチューナの入力端子でインピーダンス50Ωとなり送信側はすこぶる快調と言うことになる

しかしチューナの出力以降は伝送路とアンテナを総合したインピーダンスになる
もしアンテナのインピーダンスが大きく50Ωから外れていた場合は、本来特性インピーダンスが50Ωに設計されている伝送経路の条件も外れてしまうのである

その場合は、アンテナへ給電する電力が想定外の経路を流れる場合も発生することになり、給電ケーブルもアンテナとして電波を発射しインタフェアの原因ともなる
安易なアンテナチューナ利用は避けるか、同調しない長さでしかアンテナを張れない場合は、アンテナ直下型のアンテナチューナを使用すべきである

いずれにしても、アンテナ給電点のインピーダンスと出力インピーダンスが合っていれば、給電ケーブルの長さは任意長で問題ないのである
アンテナ給電点のインピーダンスが大きくズレていたらエレメント調整か整合回路(アンテナ直下型のチューナ含む)で調整する

ちなみに、50Ωに対してSWR値1.5以下なら問題無しとすべきである

<ダイポールアンテナの理論インピーダンスは75ΩなのでSWR1.5である>

IMGP5983

 

オーソドックスなアンテナカプラなのである

DAIWA の CL-64である

これは、出力のアンテナ切替が出来ること以外に付加機能が付いていないオーソドックスなアンテナカプラである
200WPEPまでの耐入力なので100W局であれば何ら問題なく使うことが出来る

IMGP5979

<DAIWA CL-64 アンテナカプラ>

アンテナカプラとアンテナチューナは同義語である
私が開局した1970年代はアンテナカプラと呼ばれていた

さて、アンテナカプラであるが、中身は2つのバリコンとバンド毎にタップが付いたコイルだけである
コイルのタップでバンドを確定して、入力側と出力側のバリコンを調整をするのである
バリコンの調整はコツがいるが慣れれば問題は無い、SWR計が付いていないカプラは、別途入力側(送信機側)で測る必要がある

IMGP5981

<アンテナカプラの内部 バリコン2つとタップ付きコイルだけである>

IMGP5980

<裏面は出力が3系等の切替が出来る パススルーがあるともっと良かったが…>

カプラはπマッチ回路そのもので、入力側のインピーダンス変換と出力側のインピーダンス変換が出来る
通常は入力側のインピーダンスは50Ω固定なので、出力側のインピーダンス変換が主な仕事となる

現在のボタン一発のアンテナチューナも原理は全く一緒である
ただ、バリコンの代わりに高耐圧のコンデンサの容量をリレーで高速に切り替え、バンド設定のコイルの代わりに複数のコイルをリレーで高速切り替えている、そして人間が読んでいたSWR計の指針をマイクロコントローラが判断して素早く、同調を取っている

ビンテージマシンとカプラを併用するには少し注意が必要なのである
終段が真空管の送信機はPLATEとLOADの調整が必要であるが、この回路はπマッチ回路である

IMGP5982

<LOAD,PLATEもπマッチ回路>

従ってアンテナの整合範囲が現在の50Ω固定はでは無く35Ω程度から100Ω程度位まではマッチングするのである
今で言う所の、アンテナチューナ内蔵である
(操作は大変面倒であるが)

前回に紹介した、CAN-2002 オートアンテナチューナも原理は全く一緒である
2つのバリコンの位置関係がギアで操作されているものである

最近はアンテナチューナが内蔵されている無線機も多いが、無線機内蔵タイプや無線機の近くに配置するアンテナチューナやカプラは万能ではない

何故なら、カプラ(チューナ)からの出力とアンテナの給電点との伝送経路の特性インピーダンスが50Ωだからである ハンドの中央に調整しているアンテナでバンドエッジで運用する時位と使用に留めた方が安全である

整合されていないアンテナをこのタイプのカプラやチューナで無理矢理運用するのは避けるべきかと思う

この辺りは別途

これも 1970年代 グッズ

セイコー5スポーツ、これは内部メカ(キャリパーと呼ばる)がCal6139と呼ばれる自動巻きのクロノグラフである

1975年の夏に親から買って貰った時計で現在でも動作する
(オーバホールは4度位したが..)
この時計は、色々と面白い特徴がある
まず、ゼンマイ巻きであるが自動巻きのみで手巻きが出来ない
カレンダーは日付と曜日が表示され、曜日については日本語と英語の切替えが出来る
日付の変更は23時20分位から曜日が動き出しその後に日付が動き出す
完全に日付が変わるのは、午前1時位となるのである

IMGP5976

<SEIKO 5スポーツ Cal 6139 >
ストップウォッチ機能については、30分の分針が付いており、クロノグラフとして使用したときは1分毎にステップで積算分を表示する
この表示はなかなか見やすい

IMGP5977

<分の積算計は分刻みにステップで動く>
日付と曜日のセッテングはリューズのプッシュ式しであり、深く押すと曜日表示と日付が同時に替わり、浅く押すと日付だけが変わる
普段身に着けている場合は、小の月に日付を送るだけで済むので問題無いのであるが、曜日合わせは中々面倒である
曜日合わせについては、一度の押下で英語から日本語に変わり、もう一度の押下で曜日の変更となる
当然曜日を合わせている時は、日付も2日分進んでしまうのである

機械式時計でかつクロノグラフ付きであるが、買ってもらった時は何も気にしないで時計をしたまま、野球やバレーボールとかしたのである
30歳を過ぎてから、この時計の開発に携わった人と偶々話す機械があったのだが、この時計は世界に先駆けて自動巻きのクロノグラフとして開発され、当時のセイコーの技術が詰まっているビンテージマシンとのことであった
そして、本来は世界初の自動巻きクロノグラフとして歴史に残る機械なのであったが、色々な理由で世界初はスイスメーカとなったそうである

IMGP5978

<裏面である 良くこの時計をしたまま雑巾がけしたが防水のトラブルは無かった>
この後にCal3138と呼ばれるキャリパーが登場し、その時計は12時間の積算計が付いていた
私の幼友達がこれを持っていたのであるが、12時間の積算計がとても羨ましかったのである

今はこの時計を普段使いはしていないが、普段使いの時計も機械式のクロノグラフである
1970年代は、日本のメーカが光り輝いて時代だったと思う
音響や映像機器、時計、一眼レフカメラ、二輪車など日本製品が世界を席巻していた時代である。
そのエネルギーの一部がこの時計に宿っている感じがする

個人的にカメラや時計、そして無線機のVFO等は機械式の操作感が好きである
オカルト的ではあるが、金属メカに何か惹かれるのである

DAIWA オートアンテナチューナ CNA-2002

力技のオートアンテナチューナーである

IMGP5970

<DAIWA CNA-2002>

昔懐かしいDAIWA製のオートアンテナチューナ CNA-2002である
このアンテナチューナはモーターで、πマッチ回路のバリコンを回転させる
アンテナ側のバリコンと送信機側のバリコンのギア比を変えてあり、1つのモータで同調を取っている
同調動作中VSWRの値を計測して、一定以下のポイントで同調動作は停止する

動作を見ていると中々楽しい
5W程度で同調が取れるので、目的の周波数でキャリアを出力する
左側のOPEボタンを押すと同調がスタートする
その間内部はモータの回転かる音して、バリコンが電動で回っている
当然、ギア比で2つのバリコンを交互に動かしているのだけなので、偶々同調ポイントが近くにあると同調は直ぐ終わるが、同調ポイントが過ぎた地点からだと一周期の回転となるので、同調には数分かかる
同調が取れたら回転が停止するので、その後は手動で右側の2つのファインチューニングで更に追い込んで終了となる

IMGP5973

<2つの黒い箱がモータ駆動のバリコン>

IMGP5974

<一つのモータでギア比を変えて2つのバリコンを駆動している>

自動同調している間は無線機のアンテナ負荷は当然の事ながら変化する
従って現代の無線機を出力をこのチューナに接続して自動同調させた場合、無線機側の保護機能で出力が落ちてしまい同調が出来ない
ビンテージマシンであれば難なく同調は可能である (とは言っても不整合分の電力は終段で吸収することななるが…)

このチューナ内蔵のダミーロードであるが、見た目でも100Wの連続負荷は厳しそうである
写真では少し焼けた感じがする抵抗器である、無線機側のファイナル調整をこのダミーロードで行った跡であろう

IMGP5972

<少し焼けている内蔵の100Wダミ-ロード>

このアンテナチューナの仕様は、2.5KWPEPとなっており実際には1KW対応となる
繋がるアンテナは2系統で、100Wのダミーロードを内蔵している
電源は13.8Vで、自動チューニング機能が動作する
チューナをパスする切替えも装備している

私の家は狭小住宅であるため、ローバンドのフルサイズダイポールなんて無理である
従って適当な、ロングワイヤーを貼ってAH-4で同調している
現代のアンテナチューナはとても賢く、そして同調も瞬時である

KWの免許を受けている方々であれば、完璧に同調されたアンテナを使用している思う
このアンテナチューナは同調点から外れたバンドエッジでオンエアするには具合が良いかもしれないが、この自動機能であれば手でバリコンを調節した方が早いし確実でもある

しかしながら、この雰囲気と力技のオートチューニング機構はビンテージマシンに良く似合うのである

コネクタ と アダプタ いろいろ

無線機を弄って遊んでいると、コネクタと同軸ケーブルが色々と必要になってくる
普通はVHF以下の周波数の無線機はM型コネクタが使用されている

ハンディ機はSMAコネクタ、FT-817のパネル面にはBNCコネクタが付いている
周波数帯が1.2GになるとNコネクタとなる
アマチュア無線機だけでざっくり、Mコネクタ・Nコネクタ・BNCコネクタ・SMAコネクタの4種類である

測定器についてもスペアナはNコネクタ、周波数カウンタとオシロスコープはBNCである
但しスペアナは扱う周波数がGHz単位となるためであり、周波数カウンタとオシロスコープも終端でターミネイトした伝送系の測定を行うことを意識しているためである

そもそも、扱う周波数が低ければMコネクタだろうが、RCAピンコネクタだろうが問題は無い
周波数が高くなるとコネクタ自体の特性インピーダンスが50Ωを保つのが難しくなる

ちなみに、一般的なコネクタで使える周波数の上限目安は、一般のNコネクタで4GHz・Precisionタイプで18GHz・BNCコネクタで4GHz・SMAコネクタで26GHzとなっている
実は一番多く使われているM型コネクタについては特性インピーダンスは規定されていないのである
そのために比較的安価に出回っているが、一般のM型コネクタはVHF帯域が上限と考えるべきである

IMGP5967

<-20dBパワーアッテネータ 1GHz 5Wまで入力可能>

測定器に用いる終端器(ターミネータ)も50Ωの1W程度のダミーロードである
但し測定範囲の周波数では特定インピーダンスが確保されており精密に作成されている
測定に使用するアダプタは、測定範囲でのリターンロスを実測してから使用しないと、何を測っているか解らなくなので注意が必要である

IMGP5966

<我が家の50Ω標準終端抵抗 1.3GHzでリターンロス 33dB(SWR 1.05)>

我が家では弄る機械の上限も145MHzなのでその辺の管理は比較的ラクである
但し、方向性結合器などや一部のGHz測定治具については使用ケーブルはすべて測定済である
GHz帯域を弄る、猛者の方々はその辺りでも大変な努力が必要と思う

費用対効果の問題と今までの流通量が多いので、これからもM型コネクタは使われ続けるであろう
私なぞに至っては弄る周波数も電力も低いので十分であるのだが、測定をする段になるとコネクタの知恵の輪をする事が多い
CMカップラやパワーアッテネータ等々はBNCで、ジャックとプラグで頭を悩ましたりする

IMGP5965

<なんだかんだで、アダプタが沢山集まってくる>

これもこの手の遊びをしている楽しみではある

 

TS-700 無印を弄ってみた

本日は、午後時間が空いたのでTS-700無印を弄ってみたのであった
到着した時に、ざっと現状を確認しておいたのであったが、不具合点は以下の3点であった

1. VFOが250KHz以上でないと動作しない
2. 出力が4W程度しか出ない
3. マイクゲインが少ない

VFOバラシは別の機会とすることにして、マイクゲインと時間があれば出力を見てみることにした
まず初めてのご開帳である、上面は長年の埃が堆積しているが、下面は大変きれいである
これには驚きである

IMGP5960

<TS-700の裏面 とても綺麗で驚きである>

マイク端子を確認してみると、後からハンダ付した後があった
とりあえずマイク端子に繋がるケーブルを外してハンダを吸引して、最取り付けをする

IMGP5959

<マイク端子は弄った後が…>

次にダミーロードを繋いで、AF発振器からマイク端子に1KHzを入れてFMを出してみる
とりあえずは、まともな変調が掛かっていそうである
別の受信機でモニタしながら、マイクゲインのツマミを回してみると完璧にガリっている
マイクゲインのボリュームを10回程回した所でとりあえず、ガリは落ち着く

USBで送信したみると殆ど出力が出ていないのである
これもマイクゲインのツマミを回してみる、可変抵抗器の位置で一瞬だけ出力が出るポイントが有った
数度回してみるが酷いガリ状態である、これは可変抵抗器の交換が必要であるが、合致する手持ちが無いのでカバーの隙間から接点復活剤をピンセットに付けて、一滴程流しこむ
その後10数回程回した所でとりあえず、ガリは落ち着いた
(代えないと又時間経つと再発するであろう)

マイクゲインについてはこれで問題は解決である

ちなみに、このTS-700も固定チャンネル切替SWと周波数切替SWにたっぷりと接点復活剤がスプレーされた後がある

VFOランプがチラつくのは、なんとなく接点不良の感じがするのは理解出来る、しかし無闇に接点復活剤をスプレーするのは、止めるべきである

IMGP5961

<接点復活剤でベトベトになっているロータリーSW これは洗浄が必要>

続いて送信出力である
TS-700の場合は、内蔵のDC-DCコンバータで20Vを作っており、まずはこの電圧の確認からである
DMMを繋いで電圧を測ってみるが18Vである
電源ユニットのVR2が20Vが規定値なのであるが18V以上には上がらないのであった

ざっと目視で電源ユニットを確認して見たところ、一箇所が変な実装がされている
前のオーナなのかショップなのか不明であるが、33μFのコンデンサの代わりに10μFを3個並列につないであった

IMGP5964

<無理矢理10μ三個で、30μFとしてある>
とりあえず外して定格の50V33μFを取付けてみる
外したコンデンサは容量には問題は無かった

残念ながら本日の作業は時間切れである
この後の追っかけは、また後日