UNICOM UX-502 だと思うのであるが…

我が家のその辺に転がっている無線機である
多分1970年代の終わり頃の無線機と思われる10mFM機である
同時は145MHz帯は混み合っていて、433MHz帯に上がるか、51MHz帯か29MHz帯に下りるかの話題が多かった
アンテナが小さく済むことと145/433のデュアルバンド機が登場して433MHz帯とデュアル運用がメジャーとなった
それでも喧騒を嫌いメジャーな145/433MHz帯から29MHzに下りてQRVしている人も多かった
モービル運用だと29MHz帯はフェージングが柔らかく具合が良いと言う触れ込みで有った
現在でも29MHz帯FMの愛好者は以外と多い

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<UNICOM UX-502 と思われる10mFM機>

これは以前にOMさんから頂いたモノで、頂いた当初はフロントパネルがバラバラで
ダイアルは40CHのBCDエンコーダで、エンコーダと基板の間が折れていた
多分何らかの衝撃が加えられて、それを修理しようとしたのであろう
又、ファイナルが飛んで出力は殆ど出ないのであった

一応修復にチャレンジしてのであるが、40CHのエンコーダ内部の接点不良までは修復叶わずであった
PLLへの信号は修復出来たので、送受信は問題無い
但し、チャンネル表示の10の桁だけ表示不良である
部品が手に入らない以上、残念であるがこのまま使用するしかない

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<10の桁が表示不良なのは残念>

この機械は、数値表示と周波数が一致していない
表示される数値はチャンネル番号だそうである???
20と表示の場合29.30MHzなので、表示に10を足すと実際の周波数となる
もしかすると、ダイオード設定の技があるかもしれない
(誰かこの機械の回路図をお持ちの方いらっしゃいませんか?)

表示を除いて一通り動作はOKで、終段は2SC2509の10Wである
修理したのは良いが、変更申請をするのにこの機械はJARLの認定機種から外れてしまっている

TSSの保証認定を頂く為に、送信系統図を書かねばならない
当然の事ながらマイナー機種なのでマニュアルや資料は見つけられないのであった

回路を辿って、送信系統図を書けば良いのだが、PLL関係の所はオフバンドしない事を証明出来ないと通らなさそうである
面倒なので未だ送信系統図は手付かずで、変更申請は出せないのである
本当にその辺に転がっているだけの使えない機械である

11m機の貰いものもあり28.305MHz改造済みである、それと一緒に送信系統図を作成したいと思っている

いつになることやら

黎明期のゼネカバ受信機 R-2000

この機械は、我が家のリビングに鎮座しているラジオである
毎朝タイマーで、6:30分から元気なラジオ体操とニュースを提供してくれる大切なメディアである

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<我が家のリビングラジオ 33年目のR-2000である>

この機械はBCLもブームが沈静化した辺りに、大枚叩いて購入した受信機である
実働34年と言う、我が家で最も長く使用している機械である

当時は短波帯の受信の場合、BCLラジオかHFのアマチュア無線機で受信するのがメジャーであった
専用受信機も有ったが、高価なので中々購入出来なかった
この受信機を購入する際に、当時のアマチュア無線機TS-430と比較したのである
やっぱり、当時のアマチュア無線機と専用受信機では特にAM受信の音質が格段に違うのである
TS-430の場合は、オプションのAMフィルターとオプションのFMユニットの装着が必要で
価格的にかなり高価となる

更にR-2000の場合はVHFコンバータを内蔵しており、116MHz~170MHz帯の受信が出来る点が大きかった
(当時のこの周波数帯にはアナログで重要な通信がされていた)
社会人のなりたての頃である、色々と考えた結果R-2000を購入したのであった
結局当初は148MHz帯のワッチと航空無線のワッチが殆どであった

当時のBCLラジオと違ってPLL周波数直読である
それなりのアンテナさえ繋げばドンピシャで受信が出来るのである
(航空無線の洋上管制が受信出来た時は嬉しかった)
R-2000の場合はAMフィルターはWideとNarrowの切替が出来るので、混信にもある程度対応出来た
Narrow はAMフィルターを2.4KHzのSSBと共用なので、LSBかUSBどちらかの明瞭度高い側波帯を選択して聴いていた

しかしながら、この機械の良さは普段のラジオ受信にあった
偶々この機械をラジオとして使った所、非常に具合が良いのである
当初のPLLのゼネラルカバレッジ機の印象は、正確無比だが音質はイマイチの先入観を持っていたのであるが
R-2000に限ってはBGMとしてラジオを聴いていて全く問題の無い音質である
そこで近年は、我が家のリビングラジオとなっている

R-2000は基本150KHz~30MHzの受信機である、VHFコンバータを内蔵し116MHz~170MHz帯の受信を可能している
全般的な感度は高くは無くこの機械はアンテナが大切である
アンテナは50Ω系のM型端子をHF帯とVHF帯毎にあり、150KHz~30MHz帯は500Ω系の端子もある
受信モードはAM,FM(放送は受信出来ない),LSB,USB,CWである

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<R-2000の操作系>

受信フィルタは455KHzで、AM 6KHz・SSB(AM Narrow共用) 2.7KHz・FM 15KHz・CW(option) 0.5KHzとなる
受信フィルタが入っているため、選択度は一般的なラジオとは全く別物である
但し通信用受信機としては、少し厳しいと思う

現在は、内蔵VHFコンバータのIFT内のチタコン不良と思われる不具合で、116MHz~170MHz帯はほぼ不感状態である
過去に経年変化による基板のハンダクラック等の対応を行って現在に至る

不満は一点だけ、横に長く奥行きが短いサイズなので、他の無線機等と重ねて置けないのである (孤高の1台である)

R-2000は若かりし頃からの伴侶である、これからも毎朝気持ち良く起床させて欲しい

TS-520X コイルパックの調整

お正月休みである、正月早々せちがないのであるが、件のTS-520Xのコイルパックの調整をしてみた

TS-520D/Xのコイルパックは、3.5・7・14・21・28MHzそれぞれの帯域について、局部発振・混合・アンテナ同調・ドライブの4つから成り立っている
調整順は3.5,28,21,14,7MHzの順となり、それぞれバンドの中央で行う

なお、コイルパックは無線機の下蓋側である

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<TS-520のコイルパック 左から局発・混合・アンテナ・ドライブの順となる>

特には問題は無かったのであるが、強いて上げると7MHz帯の感度が若干低い感じがしたので、お休み中なので弄ってみることとした
最初は受信から行う、SGを接続してAGCをFASTでバンド順に最大感度にアンテナ同調と混合を調整して行く
一通り受信調整が終わった所で、送信ドライブの調整をバンド順に行うのである

受信については各バンドの感度は確認出来た、7MHz帯の若干の感度不足もコイルパック調整で各バンドとほぼ同等となった
送信については3.5MHz~21MHzまで100W、29MHzで90W弱の出力を確認した
28Mhz帯は当時は50Wの出力制限がされていた、機種の筈である
私は制限は外す処理はしていないが、100W化の時に一緒に処理されたのであろう

とりあえずは、S2001は健在そうである

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<妖しく光るS2001  フィラメントの明るさは6JS6Cの方が明るい>

やる事が無いと、こんなイタズラして時間を潰してしまうのであった

昔のコクピットでのアナログ表示

こだわる訳ではないが、基本的にアナログ計器が好きである
もちろん、デジタルにはデジタルの良さがあり、無線機等の周波数表示などはっきりした数値はデジタルの方が見やすい
また、金額等の表示はデジタル表示でないと困る

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<コリンズ航空機用VHF通信機 メカでデジタル表示をしている>

写真は、三沢の航空科学館のP-3のコックピットである
US-NAVYで要人の移動用に使われた機体で対潜哨戒の設備は無い
ターボプロップエンジン4発の機体である

コックピットは一部を除き、基本はアナログメータである
変化量のモニタや全体の俯瞰にはアナログメータの方が見やすいと思ううがいかがであろう?
最近では、グラスコックピットで各部の表示はコンピュータディスプレイに表示されるが、アナログメータは魅力的である

(パイロットからするとグラスコックピットの方が断然良いのであろう…)

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<P-3 のコクピット 4発エンジンのアナログメータの配列が美しい>

当然であるがアナログHSI計器も装備しており計器飛行にも対応しており、進路・高度・速度を維持するオートパイロットも装備している

その昔BCL全盛の頃、ラジオは航空機コクピットをデザインしたものが多かったと思う
あの頃の少年にメカニカルな雰囲気はたまらなく魅力的であった

現在だと、アナログメータよりデジタル表示器の方が安かったりするのであるが、アナログにはアナログの良さがあると思うのである

 

 

使用数年目のTS-430V

我が家のそこいら辺に転がっている無線機の一台でTS-430Vである

この機械は1980年代初旬に発売された、初めの頃のマイコン制御機である
CPUにはROM内蔵の8049のC-MOSタイプが搭載されている

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<80年代のマイコン8049、この辺りが壊れると代替パーツは絶望的である>

TS-430はPLLでゼネラルカバレッジをしており、0.15MHz~30MHzが受信可能である
その数年前までは未だVFO機が主流であり、VFO機の場合はゼネラルカバレッジ機能搭載が難しかったため、夢の機能であり
マイコン制御となって周波数のメモリや、プログラムスキャン等も可能となり、機能はこの頃から一気に向上するのであった

数年前に偶々近くの無線機屋さんで中古を販売してたので、懐かしさのあまり購入したのであった
TS-430Vなので10W機である

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<我が家のそこいら辺に転がっている TS-430V>

購入時は動作機だがノークレーム・ノーリターンとの事で購入、その後オプションのFMユニットを入手し10mFM専用機として使い始めたのであった
その後、何度かのトラブルに遭遇したのである

・交信開始後、数十分でパワーが出なくなる (終段保護回路のダイオード不良の1N60交換)
・RITのスイッチを入れると受信周波数が解らなくなる (内蔵VXO9.0MHzの水晶交換)
・偶にPLLのアンロックとなり送受信不可 (PLLの再調整でほぼOK)

この機械も30年以上経つ機械なので、ノントラブルとは行かないと思っていたが、色々とハマった機械である
現在は快調に動作している

受信音は可もなく不可もなしである、長く聴いていると疲れるのは致し方ない、外部スピーカを使用すれば改善されると思う
FM受信については太い感じの音質で長時間交信でも疲れない
AM放送やAM通信については標準SSBフィルタでの受信は、とりあえず聞こえるレベルである。専用AMフィルタは高価でとても手が出ない
AMは他の機械で聴くのが良いと思う

10W機であるがハイバンドでは十分に使える、私に取っては身の丈にあった機械である
特に10mFM機としては中々の使用感である (欲を言えばメモリチャンネルが16個あればと思う)

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<惜しむらくはメモリチャンネルの少なさであろうか>
蛇足であるが、TS-430でのAM送信について
ノーマルだとAMは送信出来ないが、D56をカットするとAM送信が可能となる
しかしキャリアと変調のバランスについてはオシロ等で確認が必要で、調整を取ると綺麗な変調で送信出来る

この機械は免許申請にはTSSの保証認定が必要となる、認定時にこの機械でAMを申請したのであった
TSSの人に「この機械はAMが出ない筈ですが、どの様な原理と対処でAMが出力出来るのか書面で下さい」と言われて面倒になって、この機械でのAM申請を見送ったこともあった

皆さんは是非この機械でAM送信の保証認定を正規に受けて欲しい、次にTSSに保証認定をお願いいる時は私も再チャレンジするつもりである

 

DRAKE R-4A を数年使用してみた感想

DRAKE R-4Aはかれこれ3年程使用している
我が家のメイン受信機である

購入した経緯は日頃お世話になっている、大先輩の矢花氏宅へお邪魔した時に、何気に置いてあったのであった
当初はそんなに興味も無かったのであるが、この機械は特に受信音を聴いて欲しいということで、アンテナに繋げで受信をしたみた

R-4シリーズには内蔵スピーカは無いので、16cmのスピーカを繋いで7MHzのSSBを受信した所、目からウロコが取れた感じであった
当時使っていた無線機とは雲泥の違いである、無音時のシャー音が無くとても聴きやすいのであった
コリンズの75S3 と聴き比べたのであったが、どちらも素晴らしいのである (コリンズは少し硬い感じだが、とても聴きやすい)
インスパイアを受けた私は、その時からR-4AかR-4Bを探し始めたのであった

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<DRAKE R-4A>

その後3ヶ月程で届いたのは、R-4Aである
R-4シリーズはR-4(無印)・R-4A・R-4B・R-4Cと4機種である (製造時期の違いで詳細が異なるバージョンも多い)
R-4Cは帯域フィルタにクリスタルフィルタを使う様に変更されている、R-4Cについてはオプションのフィルタが必須である
その他のR-4は帯域フィルタにLCフィルタを使用しているので、本体だけで使用出来る

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<PASSBANDノブ LSB,USBの切替は通過帯域を変更することで行う>

まずは、R-4C以外に搭載されているLCフィルタであるが、400Hz,1200Hz,2400Hz,4800Hzの帯域がノブで選択出来る
SSBなら2400Hz、7MHzのCWでは400Hz,A3は4800Hzを選択することになる
そのフィルタの切れは、LCフィルタとは思えない程、スッパリ切れる

またLCフィルタなので、PASSBANDのツマミがIF-SHIFTとなる
通常のアマ機のIF-SHIFTは局部発振周波数を移動させ、通過帯域自体は変化させないのであるが
しかし、R-4のPASSBANDは、局部発振周波数は固定で、通過帯域自体が変化するので近接の混信信号の除去高価は高い
LCで実現しQの高いLを使っているため、その特性は鋭いのである

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<秀逸なプリセレクタ>

次にPRESELECTORであるが、このプリセレクタは秀逸である
受信機として、受信帯域以外の信号は前段で排除する思想をそのまま実現している
この辺りは、現在の送受信機は広帯域受信を必要とされるので、構造的に厳しいと思う
プリセレクタはQの高いコイルに、ダストコアを抜き差しでのμ同調を3段として、第1IF出力も連動しているため、プリセレクタの切れは素晴らしい特性となっている
この辺りは、やっぱりQの高いLCでの同調に適うモノは無いと思ってしまう

音質については、柔らかい音で長時間聴いていて疲れない音である、しかし了解度はすこぶる高いのである
CWについても、低いビート音で聴いていると、とても心地が良い

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<優れもののノッチフィルタ>

更に、もう一つのポイントはノッチである、このノッチも極めてノイズ除去効果が高く、最近のDSPによるノイズ除去と勝るとも劣らぬ性能である

使っていて気になる点はQRHである
電源投入後1時間程度は、数百Hz程度のズレが発生する
真空管の受信機なのでVFOの温度変化に対して当然変動が発生すると思う
この辺りは、分かって使うのが一番である

感度については、当然のことであるが28MHz帯まできちんと受信が出来る
但し、R-4シリーズはゼネカバ受信機ではないので、中波放送とIF帯域(5MHz~6MHz)は受信出来ない
アマチュアバンド以外を受信するためには、リアバネルの水晶デッキに水晶を増設する必要がある
私は、9.5MHz帯と27MHz帯の水晶を増設しているが、海外放送受信やその他のA3信号受信はとても快適である

安定度はともかくとして、この性能が50年前に実現していたのだから、本当に恐れ入るのである、この機械を使っていると受信機は新旧はあまり関係なさそうである