FM変調のデビエーションとは、音声を入力した時の周波数の変動範囲のことである
デビエーション調整がきちんとされていないと、いわゆる’変調が浅く’なったり、場合によっては隣接のセパーレーション周波数に混信することになる
145MHz帯のFM変調の占有周波数帯幅は16KHzであり、20KHz毎に周波数を使用することにより隣接周波数の混信を防ぐことが出来るが、デビエーション調整がいい加減だと妨害を与えることになる
実際には、雰囲気でデビエーションの調整を弄って深くしている人は多いかも知れないが、この調整がいい加減だと、隣接周波数に混信を与えることになるため確認が必要である
本来は、このデビエーション調整には専用のデビエーションメータが必要となる
残念ながら私は所有していないので、スペクトルアナライザで簡易調整してみた
最初に、マイク端子に一定の音声信号を加える 私は低周波発振器で1.5KHzをマイク端子に入力する
無線機のマイクゲインを中央値にする
当然のことながら、アンテナ端子にはダミーロードと-40dB程度のCMカップラや減衰器を通して測定器に接続する
該当周波数を受信出来る他の受信機を用意する
送信して低周波発振器の出力を上げていくと、ある一定以上のポイントで変調が頭打ちとなる
(この回路が試験勉強で覚えたIDC回路と呼ばれる変調信号のリミッターである )
変調が頭打ちのポイントで、スペクトラムを計測する
<TS-700GⅡで、上記条件で測定してみた所>
スペアナでみると頂点の2つのピークの間が、現在の周波数偏移である
この間隔が5KHz以内なるようにデビエーションを調整する
占有帯域幅についても、-50dBのポイントで20KHzとすれば問題無いと考える
一旦、件のTS-700GⅡを調整してみたのであった
<デビエーション調整中のTS-700GⅡ>
周波数変位は規定範囲の約4.6KHzであるが、若干占有幅が広い気がするのであるが、 この程度であればローカルにも迷惑を掛けることなさそうである