FT-101Zなのである
この機械はFT-101と名乗っているが、中身は全く違う機械である
(マーケティング上の配慮で、FT-101の名前が残されたと思う)
この機械も、故障品の貰い物である (ZSDの100W改)
ある日、受信しか出来ないFT-101があるので、欲しかったら上げるとの申し出が有ったので、有り難く頂戴してきたマシンであった。
もう、かなり前なので、自分が手を加えた内容は忘れてしまったが
12BY7Aのカットオフ回路が焼けていて、12BY7Aがボケていた
<その時の12BY7A ゲッターの鏡面が白く濁っている>
焼けていた抵抗を修復し12BY7Aを交換した所で、送信が可能となったのである
>12BY7を快く恵んで頂いた 大先輩の矢花氏大変ありがとうございました
その後、取扱説明書に従って確認調整をした所、IF widthの周波数ズレとクラリファイアのズレ、終段の中和でほぼ所定以上の出力も出る様になったのであった
この機械は出力管が本流FT-101の6JS6Cから6146Bに変更されている
この頃の機械は28MHzが50Wに制限されている(本流FT-101には制限は無かった)
私の場合は28MHzで50Wも出れば実用上問題ないのであるが、取敢えず終段管へのスクリーングリッド電圧の制限を外して100W化とした (何故か回路図には記載されていない)
さすが6146Bである 29.7MHzで100W以上の出力が確認出来た
最近はあまり使用する機会が少ないが、WARCバンド対応機なので18MHz,24MHz,そして28MHz帯に出る時に使う程度である
(最近は根性無しで殆ど出ていない)
内部の周波数構成は本流FT-101と全く異なり、当時のフラグシップFT-901の兄弟機である
面白いのが、FMユニットとAMユニットがoptionでどちらかかを選択出来る
ちなみに私の機械はAMユニットが装着されている
更に私の機械は、周波数カウンタ付きのFT-101ZSDである
100Hz単位で送受信周波数の直読が出来る 素晴らしいことである
当時の高級機らしく機能てんこ盛りなのであるが、送信時の調整に使用する’MOX’-SWは都度VOXツマミを左に回し切る必要がある
どうしても、送信時のファイナル調整の時に違和感が残ってしまう
VFOの操作感は、ギア感がなく本流FT-101の操作感とは異なり、VFOの増減方向も本流FT-101と逆である
何気に気になるのが、マイク入力インピーダンスである、本流FT-101は50KΩだったのに600Ωに変更されている
本流FT-101のマイクがそのまま使えないのは残念である
<写真は50KΩと600Ωの切替付きのYD-844A>
<底面にもSWが有り、手で持つと送信され 倒れても送信される お茶目なマイクである>
全く個人的な考えであるが、この機械は古い機械を使っている感じがしないのである
それだけ完成度が高かった機械だと思うが、私的にはWARCバンドの専用機となってしまうのである