直読型周波数カウンタの制作 仕様検討編

いままで、色々と調べて来た内容から、制作する周波数カウンタの仕様概要を決めるのである

HMY0121_4

<とりあえずの回路図である>

以下 直読型周波数カウンタの仕様概要案

1.動作範囲等

a.周波数の測定範囲は100KHzから40MHzまでとする (内蔵PreScale OFF時)

b.入力感度は3dBm以上入力インピーダンスは50KΩ以上 (40MHz時)

c.動作温度は常温とする

2.周波数計測桁数は10MHz測定時に7桁(ゲートタイム0.1秒時)とし、ゲートタイムが1秒時には8桁とする

3.測定周波数とオフセット周波数の表示は同時に行う

4.表示は16桁2行のLCDとする

5.操作系のスイッチは以下の通り

a.ゲートタイム切替  b.オフセット登録(FUNCTIONキー) c.変調モード切替(MODEキー) d.内蔵PreScreler切替 e.バントメモリ切替(ロータリーSW)

FunctionとModeキーは登録したオフセット周波数の+-の調整機能を持たせる

6.マイクロコントローラはEEPROMが256Bytesでプログラムステップ4Kwordの16F88を使用する (将来は16F1827切替を予定)

7.周波数計測の増幅器は、入力インピーダンスを高くし感度を確保するため、初段にFETを使用しPICへのT1入力へトランジスタを使用する二段アンプとする

8.ファームウェアの実装でC言語だとプログラム容量の不足が想定されるため、開発言語にはアセンブラを用いる

9.クロック信号には20MHzの水晶発振ユニットとする、精度が必要な場合は発振器を選別で対応をする
ざっくりとした仕様は上記であるが、全体のかなりの部分がファームウェアの開発に費やされることになるである

要素技術確認編へ続く

*筆者はこの回路及び記事を使用した場合の責任は負いませんのでご留意下さい

直読型周波数カウンタの制作 調査編2

仕様を決めるときは、要求仕様の検討が大切である

完成時の搭載機能を検討しないままで設計に入ると挫折するケースが多くなる、特にファームウェアについてはその可能性が高いのである (自分の経験的に..)

今回の仕様への要求は、平たく言うと自分が使用している、Drake R-4AYAESU FT-101Eの運用周波数がそれなりの精度と速度で直読出来れば良いのである

早い話が、YC-601BFR4を足して2で割った仕様である…

 

けれど、その要求分解を分解すると、様々なポイントが抽出される

一旦、出来上がったイメージを色々とフリーハンドで書いてみた

IMGP5669

(とても汚い字で申し訳無いのである..)
今回自作する、直読周波数カウンタの要求仕様の概要は以下の通りであった

a.部品点数が出来るだけ少なくする (実現性とコスト)
b.周波数カウンタとしてそれなりの精度があること
c.オフセット周波数をバンドメモリーとして複数登録出来て簡単に呼び出し出来ること (YC-601Bでのバンド切替のイメージ)
d.R-4Aのプリミックス端子(INJ端子)やFT-101のVFO出力の周波数をプラグインで計測出来ること
e.測定周波数の範囲は、100KHz~40MHzであること (Drake R-4Aで使用するため)
f.VFO操作の追従性を確保するため、ゲートタイムは0.1秒で測定結果の表示を含めたサイクルタイムは0.11秒以下であること (VFOを回した時に追従感が狂うと使う気になれない)
g. 周波数測定方法は、直接計測法としレシプトリカル方等の複雑な計測はしない、計測粒度はゲートタイム0.1秒時に10Hz単位とする
h.単体の周波数カウンタとしても使用するため、ゲートタイムは1秒と0.1秒の切替とする

まぁ ざっとこんな所であろうか

これが実現出来れば、何とYC-601BER4を同時に入手したことと同等の価値である、この後の制作にも力が入っているのであった

仕様検討編に続く

直読型周波数カウンタの制作 調査編1

欲しいものは高価なのである
R-4AFT-101等で使用出来る、直読型周波数カウンタについて調べてみた
各機種専用のメーカ純正品や、サードパーティの専用品はオークションで偶に出品されている
しかし、コレクターズアイテム価格で、とても私ごときが、おいそれと購入は出来ないのである
そこで、諸先輩方の周波数カウンタの制作実例を拝見させて頂いた
皆様色々と工夫されているのである。

お手本として、16F88を使用した稲垣氏の周波数カウンタVer7をダウンロードして組立てて見た

シンプルな回路で、ここまで出来るのは凄いことである

稲垣氏のオリジナル
(稲垣氏開発のファームウェア、周波数カウンタV7)

一般的なラジオの中間周波数である455KHzをオフセットとして測定周波数に対して足して表示する周波数カウンタの作例は多い、それ以外のオフセットについては自分で、PICファームウェアの書き換えか、PICのEEPROMの書き換えが必要である
製作例によっては、オフセット周波数書換え専用ツールがあるが、出来ればパソコン無しでオフセット登録をしたい

YC-601みたいにバンド切替SWで、オフセット周波数とオフセット演算が選択出来て、主要なバンドの周波数が直読出来ればよいのである。

現時点での要求仕様では、市販品や諸先輩の作例をそのままの利用は難しい、との結論に至ったのであった。

ここで、R-4AとFT-101などで使える、直読型周波数カウンタの仕様検討を開始することにしたい

調査編2へ続く..