TS-700GⅡ の キャリアバランス 調整

件のTS-700 GⅡである
いわゆる、キャリア漏れを測定してみた
調整前は10dB程度(10W出力で1W程度のキャリア漏れ)で、とてもSSB送信機としての体を成していないのであった

測定は、USBモードで1.5KHzの正弦波を入力させた状態で、キャリアと信号波の電力比を測定した

IMGP5856

<調整後のキャリアと信号波 中心が1.5KHzの信号波 左右の山は左がキャリア分[右はイメージ]、信号との信号差は約45dB>

昔の機械では、SSB信号はDBM(DoubleBalancedMixer)と呼ばる回路に、キャリア信号と音声信号を入力し、一旦AM信号からキャリア分を除去した信号を生成する
その後で、2.4KHzの帯域フィルターを通して、片方だけの側波帯を通過させることで、SSBの信号を生成している
(最近の機械はDSP処理で信号を生成している機械もある)

TS-700の場合IF周波数が10.7MHzであり、USBのキャリア周波数は10.685MHz・LSBのキャリア周波数は10.715MHzとなっている
これは、USBとLSBそれぞれに帯域フィルターを用意出来れば、USB・LSBそれぞれにキャリアを用意する必要は無いが、帯域フィルタは高価であるためUSB・LSBで帯域フィルタを共用する知恵である

10.7MHzのキャリアで音声信号帯域が0.3K~2.4KHzの場合、USBの側波帯周波数は10.703MHz~10.724MHz・LSBの側波帯周波数は10.697MHz~10.676MHzになる
教科書だと2つの側波帯の山が描かれており、教科書的に考えた場合それぞれの側波帯周波数の中心を1.5KHzとした場合、10.715MHzと10.685MHzの2つの帯域フィルタが必要になる
逆の考え方で、USBとLSBのキャリアを切換える方式だと10.7MHzを中心周波数とした帯域フィルタが一つで済むのである

SSBの調整ポイントは、帯域フィルターに合わせたキャリア周波数の微調整キャリア成分の除去である

キャリア周波数の微調整は、帯域フィルターの経年劣化やバラツキで中心周波数等が若干ずれている場合に帯域フィルターの特性に、キャリア周波数を合わせこむ調整である
この調整がズレていると、送信音に違和感を感じる
具体的な調整方法は、音声入力に0.3KHz~2KHzの入力でほぼフラットな送信出力になる様にキャリア周波数を調整する

キャリア成分の除去については、DBM回路のバランス調整でありキャリアバランス調整とも呼ばれる
TS-700の場合はGenerator基板のトリマコンデンサと半固定抵抗の相互の調整を行い、残留キャリアが少なくなる様に調整する

IMGP5857

<白丸がUSBの残留キャリア調整箇所>

IMGP5858

<ちなみに、トリマコンデンサは経年変化で調整不可となっており交換>

私みたいな素人は慣れていないため、結構面倒で時間も掛かってしまうが、手慣れた人は手早く作業が出来関心してしまうのである

老婆心ながら、調整箇所はしっかりと確認すべきである、間違って別な箇所を弄ってしまうことの無いように十分な注意が必要である

 

投稿者:

miniDATA

その昔PCのBIOS・デバイスドライバ等の開発と機器のファームウェア開発に従事した元技術者(主にアセンブラ)  なぜか、昔のモノが大好きで昭和時代のクルマやバイクに惹かれてしまい懐古趣味全開になりつつある自分が、怖いと感じている 

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