電圧給電アンテナの給電部を作ってみた

電圧給電アンテナいわゆるツェップアンテナである

普通のダイポールアンテナは1/4λのエレメントを対称に配置し、それぞれのエレメントに給電を行う
一般的にその給電インピーダンスは75Ωとされる
(エレメントの地上高や周囲の構造物等で給電インピーダンスは変化する)

電圧給電アンテナは1/2λのエレメントが一つだけで構成され、何よりも高周波部分の接地が不必要なことが大きなメリットである

拙宅のベランダでは中々有効な高周波グランドが取れないので、とりあえず29MHz帯での給電部を試作してみたのであった

電圧給電アンテナの詳細な動作原理は興味があれば各々調べて欲しい
ダイポールアンテナは低いインピーダンスで電流を流し込むのであるが、電圧給電アンテナは、その名通り高いインピーダンスの給電点に高電圧を印加することで給電を行う
従って給電部は送信周波数に同調する同調回路でインピーダンス変換を行うモノである

最初に作ってみるのが、コイルとコンデンサでの同調回路である
但し両端には高電圧がかかるのでコンデンサの耐圧には注意が必要である
今回の耐圧3.3KVなので数10W程度の耐入力になる

共振回路

<巻いたコイルと3.3KVコンデンサで並列同調回路をでっち上げる>

デップ点を測る

<共振点をデップメータで測り、コイルを調整して共振点を29MHzに合わせる>

共振点を測る

<アナライザでのインピーダンスグラフ>

IMG00198

<実際にケースに入れて、コイルをエポキシで固定する>

動作試験中

<実際にエレメントを接続してのテスト>

色々とテストしてみたが給電部のインピーダンスが高いため、給電部の近くに金属があると特性がかなり変化する
ベランダ中央部で、29.26MHzでリターンロス約15dBとまずまずであるが、給電部のQが比較的高いので帯域は29.2MHz~29.3MHz程度である

移動運用等で給電部を他の金属から離せるなら十分に実用にはなると思うが、給電部が高インピーダンスであるので周囲の影響を受けやすい
我が狭小住宅のベランダだと手すり部分の影響があり、ベランダ中央部だと家族の洗濯業務が停止してしまう
従って29MHzの空中線は変形ダイポールのままである

ちなみにアンテナチューナで同調出来ないエレメント長が1/2であるのは、電圧給電での同調が出来ないためである

投稿者:

miniDATA

その昔PCのBIOS・デバイスドライバ等の開発と機器のファームウェア開発に従事した元技術者(主にアセンブラ)  なぜか、昔のモノが大好きで昭和時代のクルマやバイクに惹かれてしまい懐古趣味全開になりつつある自分が、怖いと感じている 

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です