DAIWA の CL-64である
これは、出力のアンテナ切替が出来ること以外に付加機能が付いていないオーソドックスなアンテナカプラである
200WPEPまでの耐入力なので100W局であれば何ら問題なく使うことが出来る
<DAIWA CL-64 アンテナカプラ>
アンテナカプラとアンテナチューナは同義語である
私が開局した1970年代はアンテナカプラと呼ばれていた
さて、アンテナカプラであるが、中身は2つのバリコンとバンド毎にタップが付いたコイルだけである
コイルのタップでバンドを確定して、入力側と出力側のバリコンを調整をするのである
バリコンの調整はコツがいるが慣れれば問題は無い、SWR計が付いていないカプラは、別途入力側(送信機側)で測る必要がある
<アンテナカプラの内部 バリコン2つとタップ付きコイルだけである>
<裏面は出力が3系等の切替が出来る パススルーがあるともっと良かったが…>
カプラはπマッチ回路そのもので、入力側のインピーダンス変換と出力側のインピーダンス変換が出来る
通常は入力側のインピーダンスは50Ω固定なので、出力側のインピーダンス変換が主な仕事となる
現在のボタン一発のアンテナチューナも原理は全く一緒である
ただ、バリコンの代わりに高耐圧のコンデンサの容量をリレーで高速に切り替え、バンド設定のコイルの代わりに複数のコイルをリレーで高速切り替えている、そして人間が読んでいたSWR計の指針をマイクロコントローラが判断して素早く、同調を取っている
ビンテージマシンとカプラを併用するには少し注意が必要なのである
終段が真空管の送信機はPLATEとLOADの調整が必要であるが、この回路はπマッチ回路である
<LOAD,PLATEもπマッチ回路>
従ってアンテナの整合範囲が現在の50Ω固定はでは無く35Ω程度から100Ω程度位まではマッチングするのである
今で言う所の、アンテナチューナ内蔵である
(操作は大変面倒であるが)
前回に紹介した、CAN-2002 オートアンテナチューナも原理は全く一緒である
2つのバリコンの位置関係がギアで操作されているものである
最近はアンテナチューナが内蔵されている無線機も多いが、無線機内蔵タイプや無線機の近くに配置するアンテナチューナやカプラは万能ではない
何故なら、カプラ(チューナ)からの出力とアンテナの給電点との伝送経路の特性インピーダンスが50Ωだからである ハンドの中央に調整しているアンテナでバンドエッジで運用する時位と使用に留めた方が安全である
整合されていないアンテナをこのタイプのカプラやチューナで無理矢理運用するのは避けるべきかと思う
この辺りは別途