FT-101やTS-520等のファナル調整について

現在の無線機だと無調整となっており、オペレータは殆ど意識する事は無いのである
(一部リニアアンプ除く)
FT-101とかTS-520等の終段が真空管の無線機は、送信する周波数毎に調整が必要である
これを無視して、送信すると出力が低減するばかりか、無線機自体を壊すことになる
調整不良で送信すると、本来アンテナで消費すべき電力が終段の回路で消費されるため、厳に慎まなければならない

これから、昔の機械を入手したい人も多いと思うので簡単に説明をしたい
最初に操作系から
1.PRESELECT(YAESU系),DRIVE(TRIO系)と記載されているツマミ
これは終段管に入る前の、DRIVERと呼ばれる前段までの同調であり、受信回路と同期しているので通常は、送信するする周波数で最大の受信感度に調整する
2.PLATEと書かれているツマミ
これは終段出力の同調を行うバリコンが接続されている。最初に送信する周波数に合わせてから、プレート電流をモニタしながら一番少ない値になる様に微調整する (プレート電流が下がる点がディップ点と呼ばる)
3.LOADと書かれているツマミ
これは、アンテナとの結合度を調整するバリコンが接続されている。最初は左に回し切った状態で、前項のPLATEで同調を取り、少しずつ結合度を上げながら前項のPLATE同調を、ディップ点が無くなるまで繰り返す。

当然これらの調整は、搬送波(キャリア)を出力しての調整となるので、送信モードはCWかTUNEで行う

調整手順は大まかに以下の通りである (機械が正常な場合)
1.送信する周波数で受信感度が最大になるように、PRESELECT(YAESU系),DRIVE(TRIO系)を調整する
2.アンテナをダミーロードに切り替える
3.送信モードをTUNEに切り替える
4.CAREER(CAL)をツマミを絞る
5.PLATEを送信する周波数に合わせる
6.LOADを左に回し切る
7.送信し、プレート電流を各機械の設定値以下にCAREER(CAL)で調整する
8.送信し、PLATEをIP電流の一番少ない位置に微調整する
9.LOADを少し右に回して、PLATEをIP電流の一番少ない位置に微調整する
10.前項8~9を繰返し、プレート電流のディップ点が分かり難いなったら終了
(これらの操作は取説に従って下さい、この操作については責任は負いません)
送信するバンドを変更した場合は、上記の手順を再度行う必要がある
昔の機械を使用する場合は、送信までのセレモニーが面倒でもあるが、このセレモニ-も楽しめるようになる
貴重な文化遺産であるビンテージマシン、次の世代に大切に引き継いで行こうと思う

FILAL

投稿者:

miniDATA

その昔PCのBIOS・デバイスドライバ等の開発と機器のファームウェア開発に従事した元技術者(主にアセンブラ)  なぜか、昔のモノが大好きで昭和時代のクルマやバイクに惹かれてしまい懐古趣味全開になりつつある自分が、怖いと感じている 

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