FT-101E トラッキング調整 をしてみる

何気に、7MHzを聴いていた所、大先輩の矢花氏がオンエアしていたのであった
呼んで見ようとファナル調整をした所、その周波数でPLATEつまみを回してもDIP点が出ないのである
そんなことしている間に、呼出の機会を失ってしまった (>_<)

他の機械(FT-101Z)で呼ぼうと思ったのであるが、これも電源入れてファナル調整していたら数分は掛かってしまうのである
終段が真空管の機械は現在の機械と異なりすぐにオンエアは出来ない、またトリマコンデンサなどの経年変化で調整点がズレることもある
前にも書いたが、ビンテージマシンを使っていると良くあることであろう

気を取り直して、久しぶりにFT-101Eのトラッキング調整をしてみることにしたのである

IMGP5872

<トラッキング調整調整は裏面のトリマデッキで行う>

FT-101のトラッキング調整とは、いわゆるギロチンと呼ばれる3つのμ同調を、アンテナ同調・送受信混合・トライバ同調を合わせる作業である

IMGP5879

<FT-101の ギロチンと呼ばれる3連μ同調ユニット>

これも慣れていると簡単に出来るのだろうが、数年に一回程度しか行わないので、イザやるとなると中々面倒である
必要にモノは信号発生器(内蔵マーカでも可)出力計そしてダミーロードである
特に100W機の場合、ダミーロードは熱容量に余裕がないと大変なことになる

FT-101Eの場合は、28.5MHz・21MHz・14MHz・7MHz・3.5MHz・1.9MHzそして7MHz・14MHz・21MHzの順番で行う
最初の28MHzはドライバ同調は無いが、この周波数できちんと調整をすることが大切である
ちなみに今回はファナルの中和も調整してみた

周波数帯毎にVFOの位置は最小値の0KHzで調整し、中点250KHz・最大点500KHzで確認をする

調整内容は各回毎に以下の内容を行う
1. PRESELECT・PLATE・LOADを合わせる
2. 受信最大点にANTトリマを合わせる
3. 送信出力の最大点にMIXERトリマを合わせる
4. 送信出力の最大点にDRIVER PLATEトリマを合わせる(28MHzは無い)

中和の調整 (FT-101Eの取説記載内容)
28.5MHz帯で上記調整がされていることが前提で以下の内容を実施する

1.28.5MHzでPRESELECT・PLATE・LOADを合わせる
2.出力を70%位に絞る
3. PLATEつまみがDIP点(IP電流が最小値になるポイント)で、出力が最大になる所に中和バリコンを合わせる

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<黄色の円の所が、中和調整バリコンである>

IMGP5884

<中和調整は裏面から行う 高圧部分なので金属ドライバは厳禁である>

この調整は終段管を取り替えた時に行う調整であり、以外とシビアであるので交換時以外は触らない方が安全である
ちなみに中和調整とは、真空管内のプレート・グリッド間の容量結合を、逆相の信号で打ち消すための逆相信号のレベル調整である 終段管の場合この調整がズレると異常発振などで終段管を破損することもある

IMGP5880

<妖しく輝く、6JS6C終段真空管>

調整後は綺麗にDIP点も出る様になったのである
我が家のメイン送信機である、まだまだ頑張って頂くのである